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沖縄の器とおうちごはん。

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色鮮やかで大らかな柄やぽってりとしたフォルムは、何気ない毎日の暮らしに、少しの変化をもたらしてくれるんじゃないかと思います。 やちむんに盛った沖縄料理やそうじゃない料理も。おうち… もっと読む
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暑々の日に、明太子の素麺チャンプルー

自宅ワークのランチにパスタを食べようかと思ったけど、こうも暑いとパスタ気分も失せる。 かと言って冷製パスタが食べたいわけでもなかった。 ストック食材でサッと作れる素麺チャンプルーは実に優秀な料理。 むしろ暑い日に食べたくなる。 2週間近く放置してしまった葱と、少しの明太子が余っていたことを思い出す。 基本のツナ缶はマストで。 葱をじっくり炒めて(軽く塩を振る)、茹でた素麺を一緒に炒める。 火を止めて明太子を投入、全体を混ぜて完成。 ツナに塩味が付いてるし明太子が調味料

ゴーヤーチャンプルー|ゴーヤーの「苦い」を「うまい!」に変えるコツは○○

毎日暑い。 私は先週、軽い熱中症になったんじゃないかと思う。 体がほてってだるく、ボーッとした日があった。 そんな時はヌチグスイ(= 命のくすり)料理がテキメンで、イカとイカ墨を使った雑炊(ジューシー)を作った。 熱が取れ、体が穏やかになっていくのを感じながら、その日は良く寝た。 (※ 個人の感想です) 今日の本題、ゴーヤーチャンプルーも夏に食べたいヌチグスイ料理。 改めてコツを書いてみる。 コツとは、ゴーヤーを出汁で「蒸し炒め」にすること。 出汁を引くのが面倒なら水

沖縄の具沢山スープは鍋料理?

「味噌汁は卵、入れる?」 朝ごはんのおかずが乏しい(作るのが面倒な)時のお決まりのこの会話は、夫に「沖縄風の味噌汁にするか?」を問うもの。 そう。 沖縄の味噌汁とは汁物でありおかず、まさしく一汁一菜な食卓が成立する優れもの。 とはいえ私は汁物の部類に入れたいのだけど、夫曰く「ほぼ鍋」。 沖縄味噌汁 沖縄の味噌汁は具沢山なだけじゃなく、大きな器に盛って、たっぷりといただくのも特徴的。 これは沖縄の夏の気候にマッチしたものでもある。 汗をかく時期に欠かせない水分、塩分・ミ

沖縄的味表現「味くーたー」の意味を知ると、料理がもっとおいしく楽しくなる。

沖縄の味の表現で「味くーたー(あじくーたー)」という言葉があります。 最近では「こってりした味・濃い味」という風に使われることが多いのですが、そうではないのです。 これが本来の意味。 沖縄の伝統的な料理が出汁によるうま味を生かした料理であることを象徴する言葉です。 調理法としては 「出汁のうま味を凝縮させて、素材に染み込ませる」 という工程になります。 沖縄の料理は「だし」が命であることは、以前noteにも書きました。 鰹と豚の出汁を基本に、昆布や乾燥椎茸などのうま味素

土曜日、おうちで韓国ブランチ

金曜夕方の新大久保。 人でごった返し、チーズとヤンニョム的な香りに街は包まれています。 お目当てはソウル市場。 探していたものが無かったので、食べ比べの韓国海苔4種類とキンパを買ってお店を後に。 1品目: キンパの美味しい食べ方、それは「ジョン」 ジョンとは、野菜や魚などに粉と溶き卵をまぶして焼いた韓国の郷土料理。 硬くなったキンパもこうして焼くと、香ばしくふくよかな味わいが追加されてグッと美味しくなります。 本来のジョンは小麦粉や片栗粉をまぶしてから卵にくぐらせるよ

ゴーヤーチャンプルー 〜オリオンストーリー spin-off vol.4

連載させていただいている『オリオンストーリー』の記事内に書き切れなかったことを、マガジン「沖縄の食のトリセツ」、そして「沖縄の器」と絡めて少し書きます。 ウチごはんが楽しくなるきっかけになれば嬉しいです。 沖縄の食のトリセツ□ 味 ゴーヤーチャンプルーは豚肉と鰹のうま味を吸収したゴーヤーと豆腐が最高に美味しいです♪ この組み合わせが沖縄らしいの味の基本です。 □ 調理法 「ゴーヤーをどれくらいの厚みに切るか」 議論が分かれますが、私は薄切りが良いと思っています! 薄切

人参シリシリー 〜オリオンストーリー spin-off vol.3

連載させていただいている『オリオンストーリー』の記事内に書き切れなかったことを、マガジン「沖縄の食のトリセツ」、そして「沖縄の器」と絡めて少し書きます。 ウチごはんが楽しくなるきっかけになれば嬉しいです。 沖縄の食のトリセツ □ 味 人参の甘み、ツナやなまり節の旨み、ホワホワとした卵の食感の組み合わせ、最高です ^ ^ 私は鰹だし汁を加えて、うま味増し増しで作るのが好き。 しょうゆを少しだけ加えると、深みも増します。 □ 調理法 なんと言っても シリシリー器(千切り器)が

ポーク玉子おにぎり 〜オリオンストーリー spin-off vol.2

連載させていただいている『オリオンストーリー』の記事内に書き切れなかったことを、マガジン「沖縄の食のトリセツ」、そして「沖縄の器」と絡めて少し書きます。 ウチごはんが楽しくなるきっかけになれば嬉しいです。 沖縄の食のトリセツ□ 賛否両論ありますが… ポークランチョンミートは戦後(1945〜)に沖縄に入ってきた食文化で、純粋な伝統食ではありません。 一方で、生まれた時には既にあった日常食材でした。 ですから「これも沖縄チャンプルー食文化の一つ」、私はそんな風に思っています。

ソーミンチャンプルー 〜オリオンストーリー spin-off vol.1

連載させていただいている『オリオンストーリー』の記事内に書き切れなかったことを、マガジン「沖縄の食のトリセツ」、そして「沖縄の器」と絡めて少し書きます。 ウチごはんが楽しくなるきっかけになれば嬉しいです。 沖縄の食のトリセツ□ 味 これまでもトリセツで「味の基本は塩と味噌!」書いてきたように、ソーミンチャンプルーにおいても塩の役割が重要。 そしてツナのうま味が全体の味をまとめてくれます。 うま味 + 塩 = 沖縄の食の基本 です! □ 調理法 茹でた素麺は洗ってぬめりをし

沖縄の陶器、「やちむん」のこと。

やちむん=焼き物、沖縄の陶器のことです。 400年以上の歴史があり、今も進化を続ける愛すべき伝統工芸品。 であり、日々の器。 運営しているウェブマガジンに やちむんに関する入門編的な記事を書いてみたので、リンクを貼ります。 若い作家さんも多く、ポップなデザインや独創的な形状の器も増え、やちむんは益々面白いカルチャーになっています。 最近は、やちむんが沖縄の工芸品だなんて意識もせず、購入していく方も多いのだとか。 気に入ればそれで良し、で良いですよね。 厚みがあって ぽ

時を超えて

12年前に亡くなった叔父が、生前 買い求めていたという「やちむん」(沖縄の焼き物、陶器)を、今年の初めに分けてもらいました。 七寸の鉢と、一尺近くある大皿。 どちらも 那覇市壺屋にある工房、育陶園 6代目陶主の高江洲忠さんの作品です。 おそらく20年以上前のもので、使われずにサラのまま保管されていた様子。 しっかりとした厚みがあり、大らかな線彫と色づかい、手仕事ならではの縁のたわみが印象的です。 時を超えて2017年。 東京のイベントに出展されていた忠さんから器を購