見出し画像

「沖縄そばを学校給食で!」|東京のとある小学校のお話

「沖縄そばを出したいらしいのだけど、相談に乗ってくれない?」

8月上旬のことです。
都内の公立小学校に勤めるK先生から突如連絡をいただき、同僚で栄養教諭のF先生と電話ミーティングをすることになりました。
その後1ヶ月ほど経ち、「沖縄そばを給食で提供できました!」との連絡が…

「学校給食という制約がある中、子供たちも大人からも好評で、残食もほぼゼロでした!ありがとうございました!」とのこと。

生徒も大人も喜んでくれて、それが沖縄の郷土食だなんて、嬉しいじゃないですか。(涙)
周りに小さな子供がいないので学校事情には疎いのですが、食文化を知って喜んでもらうには、こういうアプローチもあるんだなぁと感激です。

感謝を込めて、そして今後のための記録として綴っていきます。

小学校給食ならではの事情

8月上旬、F先生と初めてお話しした時に戻ります。
先生が事前にお作りになったラフレシピを拝見しながらディスカッションしつつ、沖縄そばの基本的な作り方を話していたのですが、話が深まるにつれ、小学校給食ならではの事情に触れることとなります。

ポイントは大きく3つです。

1. 栄養バランスを考慮し使用食材を増やしたい
(通常の沖縄そばの具材〈お肉, かまぼこ, 葱など〉だけでは食材数が足りない)
2. アレルギー物質回避のため、卵の混入がない麺を選定しなければならない
3. コロナ禍での給食配膳対応に配慮が必要

生徒が育てているゴーヤーを副菜として付けることはプランに入っていたものの、それでも使用食材が足りない…

私からはスープに結び昆布を加えることと、そばをハーフサイズにしてジューシー(沖縄の炊き込みご飯)を付けることをご提案しました。
ジューシーには豚肉、人参、椎茸、ヒジキなどの食材をバランス良く加えることができます。

加えて、スープ・お肉の味付け、麺の選び方についてもお話しさせていただきました。
(昆布を加えるのは、スープにうま味が加わるという点からも推奨)

F先生、本気のチャレンジ

そばが好評だった一番の理由は、何をおいてもF先生のチャレンジ精神でしょう。
幾つかのハードルがありながら、「全国各地の郷土料理を知ってもらいたい、食べてもらいたい」というお気持ち、本当に素晴らしいです。
日本の学校給食は、F先生のような熱意ある方々が支えてくださっているんだなぁと実感します。

そして9月初旬。
実際に提供したメニューがこちらです。

画像1

使用食材を確保するために、スープに筍などの具材を追加し、ゴーヤーのかき揚げ(カレー風味)を付けて提供したとのこと。
具沢山の沖縄そばとカレー味のゴーヤーかき揚げ、美味しそうです。

K先生の感想

最初にお話を持ってきてくれたK先生にも感想を聞いてみました。

「出汁がすごかった!
我がクラスはてんこ盛りに配りすぎて足りなくなる始末だった。
職員室でも話題だったよ。美味しいレシピをありがとう!!」

嬉しいですね。

スープもイチから手作り、豚骨+鶏ガラ+生のゲンコツ+昆布+鰹節という、何ともリッチな出汁を朝から時間をかけて作ったということですから、それはそれは美味しいはずです。

まとめ

学校給食での沖縄そば提供について、まとめるとこんな感じです。

1. 使用食材確保 ⇒ 結び昆布や筍などを追加
2. 使用麺 ⇒ 卵を含まない中華麺を使用
(仕入れた蒸し中華麺を茹でて提供したことにより、沖縄そばの麺に近い食感になったかも?)
3. 配膳対応 ⇒ 給食当番人数を制限し蜜を避けるため、お肉とスープを合わせて提供

画像2

- - - - - - - - - - - - - - - -

F先生、食育の一環として沖縄料理を取り入れてくださいましたこと、有難うございました。
私も学びが多く、貴重な機会をいただきました。

次に沖縄料理を提供することがありましたら(コロナが収まっていれば…)、ぜひ取材に伺わせてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?