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ウールの着物

専門学校時代に作った広幅洋服地のウール着物。ミシンで着物の形に仕立ててからフランス刺繍で柄付けしたもの。

家でゴロゴロするような日の着物としてウールは大好きなんだけど、手持ちのは数も限られていて、自作のと母のお下がりと合わせても3枚くらい? 私の行動範囲圏内ではリサイクルものでもほとんど手に入らないしな~と思っていたら、思い出しましたよ、もう1枚あったことを。それがこの洋服地のウール着物。

地色は好きだけど刺繍したチョウチョはこの年齢で着るには可愛らしすぎる、とずっとしまいこんでました。
が、ふと思い立って刺繍をとってしまうことにしたのです。

40年近く昔のこととはいえ、自分でやったものだし、フランス刺繍も基本的なステッチの刺し方は覚えているから、手順を逆にたどっていけばいいよね、と。スーツやジャケットにするようなしっかりした生地だから、ていねいにほどいてスチームアイロンすれば針の跡も許容範囲くらいには目立たなくなってくれるのでは?

で、じっさいほどきはじめたらまあたいへん。よくもこんなに細々としたステッチを刺したものだと我ながら感心しています。たしか夏の時期の課題で、厚手のウール生地をまるでひざ掛けのように広げて汗だくになりながら刺したのを思い出しました。冬に思い立ってちょうどよかったわ。

ほどきながら、無地のままでもいいけど、同系色で刺し子の模様を入れてみてもいいかも~なんて思いついちゃったので、刺し子の図案集を図書館で探してみたり。どんどん針仕事が増えていくわw

そういえば、ずいぶん前に見た着物雑誌で、洋服地を着物にしてビジネススーツとして着ているという方がいたような。一般的な会社員では難しいだろうけど、その方はたしかご自分で事業を起こしていて、大切なお客さまをもてなしたり重要な取引の場面でしっかり印象づけたいときに着物はぴったりだけど、華やかな訪問着や色留袖みたいなのはパーティならともかくビジネスシーンにはちょっと・・・ということでスーツにするような生地で着物を作ったと書いてあった記憶があります。

その記事に触発されて、ウール着物を短く着付けてみたこともあったわ。裾をひざ下くらいまで上げて、その分おはしょりがたっぷりになるのだけど、それがペプラムみたいに見えなくもない感じで、スーツっぽくて悪くないと思ったのでした。


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