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あの本の翻訳はまだですか #3

Mack's Bar Mysteryシリーズ

【著者】アリソン・K・アボット(Allyson K. Abbott)
【ジャンル】コージーミステリ

【基本設定】
 ミシガン湖の西岸、ミルウォーキーにあるバー〈マックス・バー〉を舞台に、オーナーであるマッケンジー(マック)と店の常連客達が、各自が得意とする分野の知見を共有しながら事件解決にあたる、いわば《素人探偵チーム》もの。
 マックは「共感覚」の持ち主で、五感の〝混線″を利用して事件現場に残された手がかりを読み解いていく。ほかの面々はコンピュータのプロや保険業者、会計士や看護師など、各方面の知識と人脈をいかした推理が展開される。

【おすすめポイント】
 なんといっても主人公マックの「共感覚」という特性が捜査にどう活かされるかが読みどころ。共感覚というのは、色や音、においなどの知覚が「混線」しているようなもので、ある音を聞くとそのにおいが感じられたり、何かのにおいを嗅ぐとその色が見えたりすること。超能力ではなく、ある意味では障害ともいえるけれど、日常生活にさほど大きな支障をきたすものではないものらしい。
 〈マックス・バー〉はマックの父が始めた店で、マック自身も幼いころから店に出入りしているので、彼女にとって先代からの常連客たちはほとんど身内のようなもの。事件に関すること以外でも、ちょっとしたやりとりが楽しく微笑ましい。
 とかく田舎の小さな町を舞台にしがちなコージーとしては少数派な街中が選ばれているのも面白い。やっぱり出てくる人たちがなんとなく都会的。

 作者は現役の看護師でもあるそうで、出産から終末期医療まで幅広い現場経験を作品に盛り込んでいるのだとか。本シリーズはひとまず6作品で終わっていて、おそらくこれで完結。これ以外ではベス・エイモス名義やアネリース・ライアン名義でもミステリースリラーを発表していて、ライアン名義の〈マティ・ウィンストン〉シリーズの Dead Ringer が最新作となり、来年さらに続刊が出るもよう。

【出版社】Kensington Books
【出版年】2013~2018
【レジュメの有無】有。
【試訳の有無】有。

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