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ニュース読んでてよく見る「通信社」ってなに?

テレビでニュースを見てて「・・・とロイター通信が伝えました」というセリフ聞いたことありません?

新聞の国際欄読んでて「・・・ロシアの国営通信社、タス通信によると」ってくだりを読んだことありません?

新聞の記事読んでて、記事の最後に(共同)って書いてあったの見たことありません?

それ全部、「通信社」の仕業(!!)です。

この通信社とは何なのか。なんとなく素通りしてきた方が殆どだと思います。知らなくたってべつに何も困りません。けがや病気になったり、孫の代まで呪われるわけでもありません。いや、わかるんですよ。どうせニュース報道機関的なやつだろうから、改めて調べるまでもなかろうという気持ち。で実際、ググってもあんまりよくわからないかもしれませんし、記憶に残らないかもしれません。が、この際、この記事ではっきりと認識しちゃいましょう。

通信社とは

我ら人類が日常でニュースに触れる経路は様々です。これはインターネットのおかげで本当に多様化しました。ネット接続デバイスがあれば、記事も動画も見られます。テレビ・ラジオ・新聞、それぞれの生活スタイルに合わせて、世間の新しい情報をとっていることになります。皆さんが耳目にする事件・事故・政治のニュースに関しては、ほとんどが、名前のある媒体が発信したもの、いわゆるマスコミが発信したものだと思います。ただし、よほどスキモノでなければ「通信社」に直接アクセスして情報をとっている人はいないと言えるでしょう。じゃあ通信社って何なんだよ、早く書けよ・・・

一から自分で説明しようと思ってましたが、Wikiの「通信社」の記述が素晴らしく簡潔なので引用しますと

通信社(つうしんしゃ)とは、報道機関民間企業の需要にこたえて一般向けニュース(ゼネラル・ニュース)や経済金融情報コマーシャル・ニュース)の収集、配信を行う組織である。

Wikipedia

と書かれています。さらに絞りましょう。ポイントは2点。

通信社の商売相手 = 「報道機関」「民間企業」
 →我々のような一般人は、通信社の直接のお客さんではありません。

通信社の仕事 = ニュースの収集、配信
 →取材して、そのコンテンツを上記のお客さんに配信すること。

いわば、基本はビジネス・トゥ・ビジネス、B to Bというやつです。

各マスメディアのニュース・報道は、放送枠や紙面を埋めることを考えると、すべて自前の取材力や制作力だけではコンテンツを賄いきれません。旧来のメディアである新聞やテレビは、現場の写真や動画など、ビジュアル面をセットにして報じたいのです。が、いちいち世界や日本の各地の現場に自社のカメラマンを派遣すると、とんでもない費用がかかります。その需要を埋めているのが、通信社という存在です。

通信社は大きく分けて2種類あるわよ

経営の形態としては国営民間非営利組織、この3つが存在します。なんだオマエ今2種類って言ったじゃねえかという声が聞こえますが
まあ落Chillいてください。現場にいる「あくまでも私」の感覚では、民間と非営利組織にあまり区別を設けておらず、以下の2つに分けています。

  • 国家権力のメッセージ伝道派

  • 独自報道上等派

となります。ご想像のとおり、前者は権威主義的な国家の国営通信社でして、眉唾な情報が豊富に含まれているというゴリゴリのバイアス警戒心をもって見ています。近い国だけ並べると
ロシアのタス通信
北朝鮮の朝鮮中央通信
中国の新華社通信 
が挙げられます。皆さんも聞いたことあるんじゃないでしょうか。

これらの通信社の発信内容を見ると日本生まれ育ちの小市民である我々は
「そもそも隣の国を堂々と攻めちゃったらそりゃ嫌われるだろアホかよ」
「総書記めっちゃ持ち上げてるけど、単なる記録係のボスじゃねえの?」
「その島、急に自分のものだとか言って何とかなると思ってんの?」
とか思っちゃうんですが、彼らだって政権の意思を国民に宣伝をしないといけないので、自国民に通じそうな論理で理論武装をしているわけです。

もしアナタが「この国は一体何言ってんだ?」と思ったら、これらの通信社の発信内容をしばらく見て、キーワードになりそうな単語を調べておくと、彼らの論理に全く納得はできないものの、少し理解できるようになります。
「あ、そういう設定なのね」、と。設定に納得できなくても、ちょっと優しくなれます。

というわけで、プロパガンダブリブリの国営通信社の存在にも、言語の壁を越えた「彼らの理屈」を理解する上で大きな価値があると私は考えます。

独自報道上等!民間・非営利通信社!

やっとこさ私のストライクゾーンの話になりますので、逆に簡潔に書くよう努めます。いわゆる、世界三大通信社と言われている、民主主義および市場経済の発展と常に関わってきた通信社をご紹介します。
さきほど2種類あると言っておきながら3種類紹介しそうになっていた私ですがご安心ください。ちゃんと3つ書きます。

AP通信
ロイター通信
AFP通信(フランス通信)

上記3つの通信社は、19世紀末から少なくとも原型が存在している通信社です。当然、成熟を重ねる過程で色々な事があったようですが、それでも世界三大と言われるだけあって、独立した視点を持って取材活動にあたる姿勢がありますし、ニュースソースの明示や検証方法を公開する場合もあります。そのため、私は報道内容が比較的信用に足ると思っています。

ここで意外かもしれないことを一つ。
彼ら民間の通信社は「世界各国のマーケット情報をクライアントに届ける」商売からスタートしました。世界各地に「通信員」を置いて、電報などを使って本社に現地の情報を送るわけです。世界各国の市場を欲しいままにしてきた欧米諸国ですから、当然本国には強大な投資家たちがいます。彼らは儲けるため、損を少なくするため、各国・各地域の情勢や、市場の傾向をなるべく早く知りたいわけです。そんな彼らですから、その情報を少しでも早く得るため、大金を払って情報を得ていました。そのお金が、当時の通信社の発展に大きな影響を与えたことでしょう。

まだまだお話は尽きませんが、とりあえず通信社って何だよ・・・ってのが少しわかってもらえると嬉しいです。周辺ネタをまた書くことがあるかもしれません。押忍。


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