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Reappraisal(再鑑定評価)

世の中の混沌とした状況が続く中、時は過ぎていく。


この混乱の中をどのように過ごし、どう考え、どこから抜け出すのか、、、それもまた人生だな、、、と感じる。


先日、朝日新聞のネット記事で、大阪の小学校の校長先生が大阪市教育行政に送った提言の文章が掲載されていた。(全文はぜひリンクからお読みください)


その中には、学校教育を通した現代社会を反映するような言葉がいくつも載っていた。


<今、価値の転換を図らなければ、教育の世界に未来はないのではないかとの思いが胸をよぎる。持続可能な学校にするために、本当に大切なことだけを行う必要がある。>


<あらゆるものを数値化して評価することで、人と人との信頼や信用をズタズタにし、温かなつながりを奪っただけではないのか。>


<「競争」ではなく「協働」の社会でなければ、持続可能な社会にはならない>


<「生き抜く」世の中ではなく、「生き合う」世の中でなくてはならない。>



このリンクをFBでシェアしたときに、何人かの方が反応してくれた。そしてその中には、最近お子さんが「この時代に生まれてこなければよかった。」と、つぶやいた、、、というお話を共有してくれた方もいた。


この時代に生まれてきたことを悔やむ子供がいる。

「そんな世の中に誰がした、、、。」と、その環境の一部である自分を責めたいと思った。


そんなときに、昨夜、Youtubeの新妻免疫塾 K&L Immunology clubの動画が目に入った。「子どものこころの脳科学」

小児のうつを軸に研究と臨床をされている内田舞さんが、彼女の研究の説明などもしながら紹介してくれている。



その中で、「Reappraisal」という話が出てくる。


Appraisal=鑑定評価


そのモノがどういった意味を持ち、どのような価値があるのかを決めること。


例えば、「中古車をAppraisalする」となると、

年式

ブランド

走行距離

事故の有無

そういった、事実として存在する情報をベースに鑑定がスタートする。

私が学生の頃(1993年頃かなぁ)、アメリカで初めて中古車の車を買った。


1987年 トヨタ セリカ メタリックシルバーブルー マニュアル車

5万キロくらいだったかな、、、。

(たしか4000ドルで売りに出されていて、3500ドルにしてもらったと思う。)


そして鑑定は、その物質の持つ性質として変わることのない情報だけではなく、

誰がオーナーだったのか、

どのようなシチュエーションで乗ってきたのか、

どこに駐車されてきたのか、

そういった車個体の性質そのものではない不確定要素でも変わってくる。


男性より女性のほうがきれいに使っている可能性があるから、ちょっと値段が高くなったり、5万キロ走っているけど、毎日出勤に使っていたのか、それとも近場のお買い物だけに使っていたのか、それすらも車の状態に影響があると考えて、値段に影響があることもあるし、買った車を改造しようと思っている人にとっては、汚くても価値が変わらないだろうし、そのまま乗りたいと思っている人にとっては、汚いと価値が下がることもある。


つまり鑑定というのは、事実として性質的に存在する情報に加えて、それに接する人間の個々の心理的、または環境的な要因によっても結果が変わってくる。


例えば、以下の写真をみて、あなたは何が起こっていると思いますか?


画像1


A 女性は恐怖の表情をしている、なぜなら男性が女性を殴ろうとしていている。(Appraisal)


そんなふうに受け取る方も多いのではないでしょうか?

この受け取り方は、心理的なネガティブな状態を表しているとも言えます。


では、それをReappraisalするとどんなことを考えられるでしょうか?

画像2


B 女性は恐怖の表情をしている、なぜなら男性の手の中に女性が嫌いな虫がいて、男性はそれを遠くに投げようとしている。(Reappraisal)


このように鑑定すると、状況が全く変わってきます。


Youtube内容から豆知識(うつ傾向があるかどうかは、状況を判断しているときの脳の活動を見たときに、扁桃体(感じる)と前頭前野(考える・意味づけ)が同時発火している(結合が高い)状態が見られると、うつになりやすい傾向があると言っておりました。つまりは感じていること(扁桃体の活動)をそれが一体何か、、、を受け取って整理して考える(前頭前野の活動)というやりとりができるかどうかがポイント。)



よく物事を違う視点から見てみよう、、、という言い方をしますが、違う視点で見るというよりは、そのものに異なった鑑定をするとしたら、あなたはどんな価値と意味付けしますか?ということなのかな、、、と思う。(それが他者と同じである必要はない)


視点を変えるというと、自分が変わらなければいけない、と感じる人もいるけど、自分が変わる必要は全くなくて、ただ自分がそれをどう鑑定するか(解釈するか・どういう価値づけをするか)を再考してみるといいのかもしれない。


この瞬間だけを考えるのか、3分前から想像するのか、3分後も含めて想像するのか、この二人の関係性から想像するのか、自分が何をベースにその解釈、その意味合い、価値づけをしているのか、を考えてみるといいのかもしれない。


車の例でいえば、

男性が乗っていたから、車の整備は万全だったと思うが、男性だからきっと汚く使っていたと思うのか。(で、売る前に必死に掃除をした)


女性だから車の整備はあまりできていなかったかもしれないけど、女性だからきっときれいに使っていたと思うのか。


それは相手に聞くまで、事実はわからない。


私たちが思うこと、想像すること、そこには、あなた自身の観念や学んできたことが含まれているということを忘れてはいけないと思う。



それは他者と接するときにも大切で、もし誰かが何かを言ったときに、その人はどのような観点でそれをみて、どんな経験がそれを言わせたのか、、、を考えてみることが大切になる。


先に例を挙げた子供さんの「この時代に生まれてこなければよかった」は、何がそうさせたのか、、、その子自身だけでなく、その子をとりまくすべての環境をみながら、その子の世界を理解してあげたいと思う。


そしてそう言わせてしまっている今の社会を作り出している自分たちの在り方も同時に見直して、何ができるかを考えていきたいと思う。


私にとっては、大人たちが自分の生き方を肯定し、やりがいをもって日々生活できるそんなお手伝いをいろいろな角度からしていきたいと思っている。


そしてそれは一人ではできることではなく、様々な仲間を通して、私自身もReappraisalをすることができる。


9月10日に開催される、無料オンラインセミナーの準備をしているのですが、各講師から送られてくるたたき台の資料が素晴らしい!


治療家・ボディワーカー 沓脱さん

理学療法士(めまいなどの専門)松村さん

栄養による介入の専門家 川合さん

コンディショニングの専門家 荒井さん

そして私(なんの専門家か知らんけど)


この5名が、ある患者さんのケースを使って、それぞれの視点からどのようにアプローチをするかをお話しする予定。


私がAppraisalしたそのものは、また皆さんとの対話を通して、Reappraisalされ、それによって私の中に新たな価値が生まれてくる。


教育業界と同じように、健康産業、医療の在り方もどんどん変化していくとき。変化しなければならない。


その原動力となっている、若い(少なくとも私よりもずっと若い)彼らのその志しの邪魔にならないように、その志しを最大限にサポートできる、そんな私でありたいと思う。


ウェビナー形式ですから、参加者のお顔はでませんし、無料ですから気になる方ぜひ申し込みしてご参加ください!(残すところ第三回のみ!)


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第3回 LINKREASE FESTA On Live

無料オンラインセミナー

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●テーマ

治療と運動の効果を最大限に引き出す栄養療法


●日程

2021年9月10日(金) 20:00〜21:30


●ゲスト講師

荒井秀幸(株式会社R-body project)

川合智(日本統合療法株式会社)

沓脱正計(くつぬぎ手技治療院)

松村将司(杏林大学 講師 理学療法士)

山本邦子(有限会社トータルらいふけあ)


◼︎開催方法

オンラインミーティングツールZOOMを使用して開催します


◼︎参加定員

800名


◼︎お申込みはこちらから↓

https://forms.gle/vSAByiEf96eBkcX56


※【linkreasefesta@gmail.com】よりメールにて参加URLを前日に送信いたしますので、ドメイン設定の確認をお願いいたします。


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