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Tree of Lifeセッションで、人生をかたちづくる

ナラティヴ・アプローチでお話を聴く場合、殆どの場合、複数回のセッションを重ねていくことが多いのですが、一区切りのタイミングでは『Tree of life』をよく行います。

『Tree of life』は、南アフリカで開発された「生きる希望」をつないでいくためのナラティヴ・アプローチのプロセスであり、人生を一本の木になぞらえて描いていくものです。絵の上手い下手は関係ありません。ワークショップ形式で複数の人々を対象にやることもありますが、1対1のセッションでも実施できます。今回はオンラインで実施しましたが、しっかりお手元で実際に描いていただきました。

1対1のオンラインセッションでやるにあたって、これまで色々と工夫をしてきました。Google共有ドキュメントを利用するパターン、木のテンプレートをお送りしてお手元で描いていただくパターン。でも行き着いたところは、普通にお手元で自由に書いて頂く超アナログなやり方です。まず大雑把に木を描いてもらった上で、木の部分それぞれに意味づけられた「問い」を投げかけて、木を描きながら語っていただく方法です。
お手元で描いていく中で言葉が新たに生まれることもありますし、お話いただいた語りを受けて、さらにナラティヴの質問を問いかけさせていただくこともあります。通常のセッションより少し時間はかかりますが、このプロセスを経ることで、より深い対話になることを実感しています。
特に、複数回セッションをやった後に実施すると、過去のお話と繋がるだけでなく、そこで語られなかったことも言葉が重ねられていき、より厚い記述となっていくのがこの『Tree of life』の素敵なところです。

先日も、木を描きながら、ご自分のルーツはどこからやってきたのか、というところから、根幹となる大切な価値観や、今は何を大事にして、どこに向かっていきたいと願っているのか、など、木が完成に近づくにしたがって、クライアントさんご自身がより明瞭なものとして掴んでいらっしゃることが画面越しにも伝わってきました。
クライアントさんの素敵な人生のストーリーを聴かせていただき、それは、まるでクライアントさんの人生の旅に同行させてもらったかのような、一緒に楽しみながら過ごす時間でした。

こういうお話を聴かせていただくことこそが私たちにとってのgiftです。
本当にありがとうございました。

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