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Welcome to Nohgaku|「能楽を楽しむ会」が新しくなります!

こんにちは、kuniです。

先日のイベントをもちまして、仁和能楽學舎のイベント参加者数が1,000名を超えました。これからも能楽をスキになるようなキッカケを提供できるよう活動して参ります。

突然ですが、文化庁が年に1回公開している「文化に関する世論調査」というものをご存知でしょうか?

これは文化に関する国民の意識を把握し、文化庁が行う施策の参考にすることを目的としている調査です。今回は、その中から2つの項目をとりあげてみます。

Q. 日本文化芸術の魅力として諸外国に発信すべきと考えるジャンルは?

令和4年度 文化に関する世論調査報告書(P.44)

この問いに対して「伝統芸能」と回答した方の割合は 23.3%(全体の3番目) です。なお、市民権を得て久しい「漫画・アニメ」が 27.6% 、続いて和食に代表される「食文化」が 26.2%です。改めて伝統芸能が海外に通用する、価値がある、と日本人が認識していることが分かります。

注)伝統芸能:歌舞伎、能・狂言、人形浄瑠璃、琴、尺八、雅楽、声明など

Q. この1年間に直接鑑賞した文化芸術イベントのジャンルは?

令和4年度 文化に関する世論調査報告書(P.7)

一方、こちらの問いにおいて「伝統芸能」と回答した方の割合は 2.9% です。先の問いと並行して考えると、魅力があると感じているのにも関わらず、実際に鑑賞にいくことはないという現実が見えてきます。

ちなみに上位には「映画」・「美術」・「歴史的な建造物」などが挙げられています。

仁和能楽學舎 下期事業計画より

以上を踏まえて、わたしたちは伝統芸能を取り巻く現状を正しく認識する必要があると感じました。そのうえで、弊舎が定期的に主催してきたイベント「能楽を楽しむ会」を、これまで以上にパワーアップさせることを決めました。

こちらの記事は、先の課題感を持った仁和能楽學舎が主催しているイベントについてお話しする内容となります。

こちらの記事とあわせてご覧いただけると嬉しいです。それでは。

目次

何をどう変えるのか?

現在 弊舎の「能楽を楽しむ会」は、特定の演目をテーマに講座と実技の2部構成としてお届けしています。しかし、今春から舞台チケット連動型の「能楽を楽しむ会プラス」を企画したことで、2つのイベントの違いが分かりにくいという声を戴くようになりました。

また先のアンケートにあったように、能楽をはじめとした伝統芸能を直接鑑賞する方の割合が少ない要因の一つとして、機会やキッカケが不足していることは明らかでしょう。

改めて「どんな方に来て欲しいか?」を整理し、イベント内容を見直すことに着手しました。その上で「能楽を楽しむ会プラス」は舞台チケットと連動しているという特徴を踏まえて、何度来ても楽しめるイベントとします。もちろん、初めて弊舎のイベントに来る方も大歓迎ですが、リピートしてくれるお客様にも満足できる内容とします。

イベントメインビジュアル

そして「能楽を楽しむ会」は、あえて特定の演目をテーマにせず、能楽の基礎理解にフォーカスした内容へと変えます。これまで培ってきた弊社のノウハウを最大限活かし、内容はもとより空間演出や運営面のあり方から設計し直します。より気軽に参加しやすいように、時間を3時間から2時間に圧縮し、価格も4割引きにします。学割も実施します。

どんなイベントなのか?

おすすめしたいポイントは4つあります。

  • POINT1|初心者向けカリキュラムであること

  • POINT2|オリジナルテキストがついてくる

  • POINT3|講座と実技がセットになっている

  • POINT4|分からないことはその場で解決できる

POINT1|初心者向けカリキュラムであること

能楽には「わかりやすい答えは存在しない」という建前は一旦横に置いておいて、鑑賞するにあたって補助線を引けるような情報を体系的にお伝えします。

なによりも参加される方にとって、安心して参加できるような場を目指しています。弊舎ではSNSを中心に積極的な情報発信を心がけています。noteの投稿もその一環です。

私もファシリテーターとして会に参画しています

ドレスコードもありません。難易度の設計は過去実施してきたユーザインタビューを参考に作り上げてきました。

POINT2|オリジナルテキストがついてくる

講座の理解度をあげるため、またイベント後の復習に役立てるためオリジナルテキストを配布しています。テキスト制作時に心掛けたのは説明し過ぎない紙面にするということ。あえて余白を残しながら、講師の話がすっと入ってくることを意識しました。

オリジナルテキストより抜粋

能楽の歴史的背景から、舞台鑑賞に役立つ実用的な情報やトリビアまで。講師である能楽師の解釈や本音も交えながら臨場感たっぷりにお話しします。

POINT3|講座と実技がセットになっている

講座と実技はシームレスな内容にしています。能楽師の動き(型)や、音楽要素(謡・お囃子)は観る・聴くだけでなく、実際に体験することが大切だと考えているからです。

舞台にあがる緊張感や、声の出し方、呼吸の仕方、動きの制約と自由、礼儀作法。講座と実技がセットになっているからこそ納得して頂けるはずです。

仁和能楽學舎 シテ方講師:坂井音隆先生

もちろん、実技の前には重要無形文化財である能楽師の先生による実演もあります。プロの動きを間近でみるだけで価値アリです。

POINT4|分からないことはその場で解決できる

講座と実技が終わったあとは質疑応答の時間を設けています。最初は「何を質問して良いのか分からない状態」から始まりますが、イベント終盤にはたくさんのクエスチョンが頭の中をかけ巡るはず。些細なことでもその場で解決することで、能楽の奥深さを体感できます。

仁和能楽學舎 シテ方講師:坂井音晴先生

他にはどんなイベントがあるの?

  • オンライン能楽講座

  • 子どもお囃子体験会

  • 外国人観光客向け能楽体験(24年実施予定)

現在は、会場に足を運ぶことができない方向けのオンライン能楽講座や、幼稚園・保育園と協同した子どもお囃子体験会を行っています。さらに来年度には、旅行代理店とのコラボで訪日外国人観光客向けの能楽体験を企画中です。

ここまでご覧いただき、本当にありがとうございました。仁和能楽學舎は世界で能楽が愛される世界を目指し、これからも活動して参ります。

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