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5枚の写真で語るフジカラーSuperia X-tra 400

Emulsive35mmcといった海外のオンライン写真マガジンに "5 Frames with..." というシリーズものがある。特定のカメラやフィルムについての印象を5枚の写真を添えて語る、というもので、人気シリーズのようである。たしかに読んでておもしろいし、写真5枚というのがちょうどいい枚数のような気がする。

そんなわけで、このシリーズを真似て記事を書いてみようと思う。"5 Frames With..." の日本語訳は「5枚の写真で語る」としてみた。あまりひねりがないので、なんか思いついたら変えるかもしれない。

記念すべき1本目はフジカラーSuperia X-tra 400。2017年10月に販売終了となったフジのカラーネガフィルムである。といいつつ、40年前に写真を撮り始めてからずっとコダックがお気に入り、フジはどちらかというと好きではない。このフィルムも少し安く買えた手持ちを使っていっているだけで、あまり思い入れはなかったりする。が、書きたいことが見つかったので書いてみる次第。

これに限らず、フジの普及価格帯のカラーネガは、そのままデータ化するとマゼンタがかなり強く出る。例えばこんな感じ。

フィルムにはそれぞれ個性があるのは間違いないんだけど、このフジのマゼンタは「個性」を意図したものなんだろうか、と疑問に思っていた。普及価格帯のフィルムは、今で言うならスマートフォンで撮るみたいに日常のスナップ写真で使われていたもの。そういう撮り方をしているのに、現像に出した写真屋からこういう写真が仕上がってきたら、「この写真屋、下手なんとちゃうか。次から別のとこへ頼もう」となるんじゃなかろうか。

ネガフィルムは現像しただけでは作品として完成しておらず、印画紙への焼付までしてはじめて作品になる。だから、このフジのネガフィルムも、ここからさらに色を調整してはじめて完成するのだと思うようになった。

以下の5枚は、そんなふうに考えて仕上げた写真である。カメラはオリンパスOM-10、レンズはズイコーの35mm f2.8。plustekのOpticFilm 8200iでポジモードでスキャンし、画像ソフト(Affinity Photo)でレベル補正したのち反転処理を行った。レベル補正の際、シャドウポイントとハイライトポイントの調整のほか、RGBのGのみガンマ値を1.2にしている。

簡単な補正だけど、マゼンタはだいたい取り除けたような気がする。4枚目あたりはまだ少し残ってるように見えるけど、まあ許容範囲。こんな見た目に忠実な色が記録されてたんだ。まあ、それでもやはり、コダックのほうが好き、というのは変わらなかったんだけどね。

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