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思い出の夜に帰る

車窓を流れるほんの少しの明かり。

だいぶ、田舎に来たのが分かる。

乗客もまばらになり、車内は車輪の「ガタゴト」という音が、心地よく響いているだけだ。


「ガタゴト・ガタゴト…」


気づくと、周囲に誰もいなかった。


「次は~○○~○○~」


目的の駅。

私はゆっくりと、列車を降りる。

何だか、肌寒い…

ふと、辺りを見回すと…建物が無い!

無い訳ではないのだ。

最近建ったはずの、雑居ビルや、マンションが無い。

「これはどういう事?」

改札に行くと、駅員が切符を回収している。

「いやいや、この駅はだいぶ前に、自動改札化されたはず!」

改札を抜けると、駅前は一軒家が並んでいた。

たまに、小さな食堂や居酒屋が賑わっているだけである。


また、数日前からみている、夢の続きなのだ。

だって、この風景は子どもの頃に見ていた風景。

懐かしさを感じる。

ほら、あそこの角に、小学生の私が居る。


「また、私を困らせようとしているんでしょう?」


小学生の私に聞いた。

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