国内MBAに通ってみて

2019年3月国内MBAを修了しました。
個人的には、ビジネススクール/MBAに通ったことは正解だったと思ってまして、忘れないうちに今の考えを書いておこうと思います。

私が通ったのは国内のフルタイムMBで社会人2年目の2017年4月に入学し、2019年3月に修了しました。

ビジネススクールに通う前の状況としては、大学を卒業後、日系メーカーで2年間勤務しており、何か変えたいという思いを持っていました。
そんな中、会社の行事で現パナソニックCEOでハーバードMBA卒の樋口さんの講演をお聞きし、MBAへの思いが募り、仕事を退職し入学したというざっくりした流れになります。

目次は、以下です!
①MBAとは何か
②入学から卒業までの大まかな流れ
③MBAのメリデメ

■そもそもMBAって何?
MBAはMaster of Business Administrationの略語で、日本語で言うと経営学修士。MBAを学ぶ場をビジネススクールと言います。主に経営人材の養成を目的にした学校です。資格ではなく、学歴なので、弁護士さんやお医者さんみたく、これを取ったからできるようになることがあるわけではありません。専門性を磨くというより、経営全般に関し広く浅く学ぶことを目的としています。ビジネススクールは世界中に存在し、特にアメリカのハーバードビジネススクールが有名ですね(日本では、楽天の三木谷さんや、DeNAの南場さんがご出身です)。MBAの感じを知るのには岩瀬大輔さんの『ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて』がおすすめです。

■入学試験から卒業まで(少し体験記)
・入試
私の通った学校は書類、筆記、面接の3段階の試験がありました。
書類は、一般的な内容でこれまでやってきたこと、入学の動機、卒業後の展望などを問われます。

筆記も普通です。MBAは基本的にはゼネラリストの経営者養成を目指しています。その為、筆記試験には特別な経営に関する知識は必要ありません。問題自体も、論理性を問う論述となっており、突飛なアイディアなども求められておらず、問題文から以下にロジカルに回答を書くかが重要視されます。

面接は担当する教授陣によって異なりますが、私の場合は若干圧迫を感じる場面もありました。聞かれる内容は社会人の場合は、自社のことが多くなるため、自社の課題分析などして喋れるようにしておくといいと思います。

・入学合宿
MBAはなぜか入学直後に合宿やレクをしたがります。私が行った学校は1週間ほどの合宿がありました。海外のMBAでは、山中にグループで置き去りにされて2日間サバイブさせられるとかもあるそうです(笑)

・1年次
1年次は経営の基礎となる科目をぎっちり詰め込みます。財務、会計、マーケティング、組織マネジメント、生産管理などなど。9時5時で学校があり、それぞれの授業の予習もかなり時間がとられる(慣れるまで特に)ので眠れない日が続くこともあります。ケースディスカッションという方式をとっている学校では、実在の企業の話が20~30ページ書かれた冊子を題材に、8人ほどのグループに分かれて討議した後に、教授の授業に臨みます。ケースディスカッションでは、議論が白熱し生徒同士がぶつかるなんてこともあります。また、成績は授業での発言点が大きなウェイトを占めるので、みんな必死に挙手します(特に発言がしやすい授業序盤に笑)。

・2年次
大変だった1年次無事乗り越えると、自由な2年次が訪れます。1年次に既に単位を取り終わっていたら、特に授業を履修する必要はないため、隔週か週1のゼミに出席すればよいだけです。なので、空いた時間にインターンしたり、研究したり、各々自由に過ごします。そんなこんなしてたら、修士論文の締め切りが目前になり、慌てて書きあげたら、もう卒業です。

■MBAのメリット(主観多し)
・知識じゃなくて、知恵が得られる
上述している通り、MBAでは経営の基礎知識を学びます。しかし、それは本質ではありません。
MBAの授業は基本的に討議で成り立っています。教授はもちろん、学生同士で日々意見を通わせていくことになります。この時、生成期の観点はもちろん、周りの目という面でも自分の意見を発信する必要があります。結果として、限られた時間とデータの中から思考を行い、自分の意見として発言する力が鍛えられます。

MBA入学時に言われたことですが、知識は陳腐化するけど、知恵はしません。MBAで身につく一番の学びは、考える力だと思います。

・世界が広がる
MBAには様々な人が集まっています。前職はもちろん、年齢や国籍まで多種多様な人たちがいるコミュニティです。大手財閥企業の出身の人から、大学卒業してそのままビジネススクールに来ている人、起業して成功している人、初めて日本に来た外国の方などなど。その中で生活していると、学びも遊びも新発見の連続です。

・めちゃくちゃ楽しい
これはかなり主観ですが、MBAはめちゃくちゃ楽しいです。学生時代はあれだけ嫌だった勉強も、一回仕事をして、その重要性や勉強できることの貴重さを知ったあとでは、格別です。勉強楽しいです。あと、友達ができます!皆さん大学卒業後に友達出来たことありますか?私はやはりビジネスの相手方だと、仲良くはなっても最後のところで関係性を乗り越えられず友達はできませんでした。でもビジネススクールは違います。年齢も国籍も違うけど、同級生っていう点でみんながフラット。やっぱり友達ができて、みんなで何かに取り組むのってめっちゃ楽しいです!

■MBAのデメリット:収入が上がるか問題
一方、ビジネススクールのデメリットもあります。それはお金です。国内MBA は海外MBAと比べてましとは言え、2年で400万の授業料。本来働いていたら稼げていたはずの機会損失もあります。そこで浮かぶ一つの疑問が、MBA卒業後にその費用をペイできるかどうかという問題です。

私の周りを見ていて思うのは、MBA後の就職先がコンサルか否かで大きく変わります。コンサルティング会社では、業務内容がMBAで学んだことの延長みたいなもので、MBAホルダーを高く評価し(ハードなコミットは求められるものの)、非常に高い給与が提示されます。しかし、日本でMBAを評価してくれるのは、悲しいかなコンサルくらいなもの。ビジネススクールの学生あるあるですが、就活を始めてみると、企業はもちろん、就職エージェントもMBAを2年のブランクと表現し、前職と同じ給与水準で考えるよう勧めてきます。この2年間で、何か専門性を身に着けそれをアピールできる場合はよいのですが、そもそもMBAはスペシャリストではなくジェネラリストの養成機関であるため、なかなかこれができるとはいえず。落胆し、前職の職場に戻っていく人もいます。

逆にコンサルティング会社での勤務経験は、日本でも非常に高評価されるため、MBAを経て何かやりたいことのある人は、一度コンサルティング会社に就職して数年働くという選択肢もありかもしれません。

また、金銭的な安全策をとるには(とても大変だと思いますが)夜間や土日に開講しているビジネススクールに通うのもありですね。

■まとめ
以上、ビジネススクールについて知っていることをつらつらと書きました。この記事がMBA取得を迷っている方の一助になれば幸いです。


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