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SPドラマ「金田一少年の事件簿”雪夜叉伝説殺人事件”」【感想】ドラマもマンガも甲乙つけがたし

1995年に放送された「金田一少年の事件簿」のスペシャルドラマ「雪夜叉伝説殺人事件」。(原作単行本では3,4巻に収録)

ドラマを見て、そのまま原作を読み返してみた。どちらとも甲乙つけがたい。今までは原作の方がやっぱり好きだと思うことも多かったが、今回は違った。ドラマも原作をただなぞらえただけでもなく、いろいろな変更を加えていた。ドラマシリーズでは納得いかない改変も多かったが、こんな話の持っていきかたもあるんだなと感心したぐらいだ。

今回は美雪はうちにいて、ヒロインは速水玲香ちゃん(中山エミリ)。明智に犯人だと名指しされた時の玲香ちゃんのかばい方といい、原作にはない崖のシーンといい、玲香ちゃんがはじめに惚れてもなんら不思議はない見せ場がいくつもあったのも良かった。

そして、地元の爺さん。原作では鬼火を見た爺さんでしかなかったが、ドラマでは犯人の祖父でもあり、事故の前に彼を頼ってきた犯人たち親子(犯人は当時子ども)を追い返した人物でもあり、追い返したばかりに親子が事故に合い、悲劇を産み出した、という筋書きに。彼を犯人が撃ってしまうことで悲劇が大きくなってしまったが、原作以上に”雪夜叉伝説”にもストーリーにも深みが出たように思う。

不満があるとするならば、明智さんが終始ただのピエロにしか見えなかったことだろうか。原作では登場した当初はじめといいライバルになるかもしれないとは思えたが、ドラマはそうは全然思えなかったからだ。明智が真壁を気に入って、真壁もそんな明智についてまわるところは好きだし、ドラマでの明智はそういう役回りということだと言われれば納得はいく。(本当にそうなのかもしれない・・)

そして、犯人。ちょっとしたことだが、はじめに「犯人はお前だ!」と名指しされた時、なぜメガネを外していたのかが不可解。パッと見で誰か分からなかったのは失敗でしかないだろう。しかも、名指してすぐに性格も変わってみえたのも不自然だった。

そういった不満点はありつつも、全体で見ればとても見応えあるドラマに仕上がっていて、ラストシーンでは泣いてしまった。原作にはないシーンだ。でも、とても切ない余韻が残る、実に「金田一少年の事件簿」らしい終わり方だった。

さて、堂本剛くんバージョンで今回見ていないのは「上海魚人伝説」ただひとつ。心して見ていきたい。

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