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[テオリアの前に(13)]第1文型とは

第1文型とは「主語」+「動詞」(+副詞、副詞句)で文が完結するものです。実際に例を見ながら確認していきましょう。

He runs in the park every morning.
(彼は毎朝、公園を走ります)

この文はHeが主語、runsが動詞というところまでわかりますね。
in the parkは「前置詞+名詞」の形で「場所」を表します。これは「副詞句」でしたね。文の主要な要素にはなりません。そしてevery morningは「毎朝」という意味で「時」を表す副詞でした。同じく文の要素にはなりません。
文の要素とは「主語」「動詞」「補語」「目的語」になるものです

In the park a statue stands.
この文はどうでしょうか?
いきなりIn the parkと「前置詞+名詞」が出てきましたが、主語にはなりませんね。前置詞句は文の要素にはならないのです。a statueは「像」という意味の名詞ですね。これが「主語」になります。stands(立っている)が「動詞」ですね。

ここで覚えておきたいことは「文の先頭にある語句が主語にならないことがある」ということです。「前置詞+名詞」が文頭にあっても主語にはなりません。
主語になることができる品詞は「名詞」だけなのです。

 I live in Nakano.(私は中野に住んでいます)という文はもう大丈夫ですね。Iが主語、liveが動詞、in Nakano が前置詞句。

このように、動詞の後ろに「ひと」「もの」「様子」を表す語句が来ない、言い換えると、動詞の後ろに「名詞」や「形容詞」が来ない英文を第1文型と言います。

さて、次の英文はどうでしょうか?

High above the city, on a tall column, stood the statue of the Happy Prince.

主語と動詞を見つけるところからいきましょう。

highは「高い」above the cityで「町の上の方に」ということで、これらは「場所」を表していますね。highがabove the cityを説明して一つのまとまった表現として捉えることができますね。

次のon a tall columnは「前置詞+名詞」ですので文の要素にはなりません。「高い円柱の上に」という場所を表す副詞句です。

そうすると、次に主語が出てくるはずです。stands、あれ、どうした、動詞だ。主語がない!と焦らなくてもよいのです。ここで、知っておいて欲しいのは次のような表現形式が英語にあるということです。
〈場所を表す副詞(句)〉+動詞+主語
場所を表す語句が文頭にくると、「主語と動詞の順序が逆転する」現象です。これが第1文型ではよくあるパターンだったりします。

ということで、the statue of the Happy Prince(幸福な王子の像)がひとまとまりの名詞ですね。そうすると、この名詞が主語になるということです。

この英文は、オスカー・ワイルドのとても有名な小説「幸福な王子」の冒頭からの引用でした。『英文解釈のテオリア』(Z会)の第一章、そして『オスカー・ワイルドで学ぶ英文法』(アスク)でも取り上げたものですので、「どうして主語と動詞の順序が逆転するの?」と疑問に思われた方はそちらを参照してみてください。


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