私は文中によく、“あなた”と記す。

小説や、文章中に現れる“あなた”という言葉は、私の存在がここにあることを気付かせる。

その時私はどきっとして心を踊らせたり、そのことに安心したりする。

“あなた”は鏡のような役割をする。街を歩いていて店のショーウィンドウに映る自分に気づき驚くような。

誰もが身を寄せることができるような居場所になる、あたたかな言葉だと思うから。

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