【平日更新】100日後に意思を持つ石【1日目】
店長:やぁ、石。
石 :よろしくお願いします。
店長:これから「100日後に意思を持つ石」っていうタイトルでエッセイを書くよ。平日に続けられたらいいな。
石 :それはまた唐突だね。なんで石なの?
店長:一人称でひたすら書くだけだと続かない自信があったから、誰か聞き手がほしくて。
ヒトとか動物だと性格とか背景にある知識とか、設定しなくちゃいけないことが多いじゃない?だから、無機的なもの・・・石かな、って。
石 :意思を持つっていうのはどういうこと?
店長:100日くらい話しかけてたら、石にも何かしらの人格じみたものができるのではないかという、思考実験です。
石 :へぇ、そうなんだ。ところで僕はどこから来たの?
店長:石の一人称は僕なんだね。ブレそうだけど。近所の海辺だよ。
石 :なんで僕を選んだの?
店長:はじめは丸いかわいい石を探してたんだけど、やっぱりなんの変哲もない石の方が、無機的なものの象徴としていいかなって。
↑無機的なものの象徴として存在する石(画面中央下)
石 :そういうものかな。そうだ、今日散歩してて何か思ったことはある?
店長:立春だァァ〜って思った。暦の上では春ってやつ。
石 :まだ寒いけど。
店長:隠岐の冬は寒いし暗いよね。隠岐に来て2年目、島後出身の同僚に冬の過ごし方について聞いてみたんだよ。しんどすぎます、何か楽しむ方法はありますか、皆さんどう乗り越えているんですか、って。
石 :なんて言われたの?
店長:「春を楽しみに待つことができます」
石 :エモい。
店長:言われたときは、いやいや答えになってないやんと思ったんだけど。今はすごく納得してる。
関東の冬は快晴で、日差しがあたたかいからそんなに冬はつらくない。春を待つ、って体感したことがなかった。
石 :待つことを知るのか。なんだか恋に似てるね。
〜つづく〜
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