僕ヤバ@Karte30考察

桜井のりお先生のつぶやきはこちら!!

気づく気持ちと変わる動機

……はい。まずは謝罪から。
山田、Karte27では自分の気持ちに気づいてなかったですね……くらもりはアホです……。

では、本編を見ていきます。

いつもと変わらない平穏な日常

中二病フォント。
大抵は静かな描写に使用されています。

深刻な表情でたたずむ山田に思わず声をかける市川。

図書室内飲食禁止

お菓子が食べられない
大したことのない当たり前のこと。
でも市川(と知らず知らずに山田)にとっては大事件。

昨日までこんな張り紙なかったよね

時刻不明。昼休み?
唐突に表れた張り紙に対して推理を始める二人。

市川は吹き出しが通常時と違ってはっきりとした輪郭のもの。
山田と付き合いが増えて距離が近づいてきたことや、単純に頭を使っていてそちらに意識がいっていない?

誰も飲食なんてしてないのに

山田のジョークにツッコミを入れられるようになった市川。
心の声じゃないのがポイント。

山田に対して声に出したことってあったっけ?
ばやしことポジションを奪い合う日が来るのか。

しかし山田近いな。

お菓子のことになると少し賢くなるな

基本山田をアホの子だと思っている市川(その上辛口評価)なので、たぶん褒めてる。たぶん。

市川も山田の意見を考慮し、誰かにチクられた可能性について言及する。

ここでお菓子食べてるのを知ってる人は…

容疑者リスト
小林・関根・吉田・神崎・原さん・金生谷さん

萌子が図書室に入ってきたことは無かったかと思うのだが……いつものメンバーは知ってるか。
犯人は身近な存在というのはお決まりの展開だが、チクられたことを疑うのはネガティブな市川っぽいアプローチ。

市川の提言に顔を曇らせる山田。

そういうのは やめよう!!

Karte10といい、Karte13といい、山田が疑って正しかった例は無い(全部市川にとばっちり)。
それに犯人候補も山田が好意的に思っている人物で、誰が犯人でも嬉しくないラインナップ。

お人好しだな

市川、舌打ち
この世の闇が垣間見えるこの状況を楽しんでいた?

市川の好きな映画はメメントであることだし、こういったサスペンスや推理展開は嫌いではないのかも。

図書委員の先生に聞いてみよう

いや、なんでワザワザ?
墓穴だよ?
なんというか、山田は指摘されたのは自分じゃないと思っているのでは。

そういえば以前

市川の言。トリガーは廊下のゴミ箱を視認して(Karte1にもこのゴミ箱は居たが、なんか移動してる)。
市川の話はKarte20市川が山田を先生から庇った話。

こういうことがあったから、山田は職員室に飛び込んでいける?

図書室のゴミが騒ぎになったことが今回の張り紙の呼び水になったか?
と市川が言うと……。

だって私 本当にお菓子の袋なんて捨ててないし…

Karte20では、どうやら山田は本当に犯人ではないらしい。
ゆえに今回も自分が原因ではないと思っているようだ。

真犯人は…他にいるのかも…!!

山田ジョーク……じゃない!!

山田がマジであるということが明かされ、場面は職員室に……。

ああ あの張り紙?

提示される証拠。はちみつのど飴。
この飴見た記憶があるんだけど思い出せない……。
メーカーどこ……。

闇取引の回。
落ちる袋の文字色に違いがあるので今回と同じではないけど、山田が食べてる。動かぬ物的証拠。
このおまけはKarte33の補足(?)となりつつ、Karte30の裏付けでもあります。

………

山田、反論できず。
弁解が無ければさすがの市川も何もできない。

言葉少なに図書室へ。

(間)

頑なに開くことを拒否していた窓が開いている。

あ… ひょっとして……

ある可能性に思い至る市川。
山田が図書室に来る理由は摘み食いをするためだった。

言葉を交わせるようになってきたとはいえ、図書室以外で話ができる関係ではなくて……。

冷や汗が止まらない市川。
しかし、彼の憂慮を遮るように山田が動く。

ポリ ポリ

おもむろに食いだす山田。ブレない。

え!?

もう喋ることもできないと思い詰めていた市川をあっさり裏切るかのような山田の行動。

元々禁止なのを知っていたからと、食べる山田の胸中はわからない。
でも、元々禁止でも食べるというのなら、職員室に行く必要は無かったのでは。

市川に庇ってほしかったのか。
リスクを背負って食べていると山田は言って。
市川がそれを諫める。

ああ… なんなんだこいつは…

市川はやっぱり山田のことがわからない。
会えなくなると思えばあっさりと覆す。

そして。

それでも 僕は

先生がいる。
今度こそ本当にこの空間が壊される瞬間。
山田のことはよくわからないが、変わらずに行動を起こす市川。
理由は……。

こいつが こんなにも

叩きつけられる本。
覆うように握る手のひら。

好きだ

矩形ではなく、窓

んんッ んんんッ

先生の咳払いで、難を逃れたと察する市川。
先生が足早に去った瞬間、市川は離れる。

あ… あー… 危なかった…

様子をうかがう市川。
ジト目の山田。

さ… さすがに キモかったか…

山田の目線は非難めいた色を帯びている。
山田は市川が自分に好意を持っていることには勘付いているはずだから、それに関連した目線と思われる。

焦って謝る市川を尻目に山田は

ばっ

手に握られたチョコがどろどろに溶けていることに気が付き、汗が噴き出す。

タイトルは僕は溶かした
溶かしたのはチョコ。でも、Karte1同様、省略された言葉は心と思われる。
チョコの形も、どことなくそれ。

市川を遠ざけて、溶けてしまったチョコを平らげる山田。
溶かされてしまったことを隠す。

お菓子は控えたほうがいいと思う

本当は食べに来てほしいはずの市川、山田のことを案じて。
頬を汚れていない小指でかきながら、山田も受け入れる。

翌日

山田は来た。
勉強道具を広げて、少しだけお菓子を控えるの意味をわざと取り違えて。
そんな山田を変わらないと市川は結論づける。

動機が変わったことに市川は気が付かないし、待っている山田の表情も図書室に市川が来た時の笑顔もわかっていない。

まとめの前に

ここ、市川の手にぼかしが入っています。
山田の目線で、市川しか見えていません。

秋の風が舞い込むシーンが、静かな箱に吹き込むさまが思わせぶり……というか山田の中に風が吹き込んだ描写でしょう。

まとめ

ダイナミックに動いたKarte30。
山田の心を溶かし、動機が変わった僕ヤバ2巻のラスト

気付いて気づかれたKarte16から始まった僕ヤバ2巻。
気付く気持ちと変わる動機をもたらしたKarte30で一つの区切りとなりました。

兎にも角にもこの2巻は山田の心の変動や行動の積極性が際立っています
Karte15の時点でニヤついていた山田なので、市川の気持ちにはそれとなく気が付いているものと思いますが、自分の気持ちには無頓着だったようです。
(2ショット断られて落胆する山田を見るに、Karte16以降からすでに無意識には好意の種があるような)

市川はそこまで変わってないけど、Karte30はガッツリ市川から山田に(初めて?)触れたので、市川の背を押す気持ちは大きくなってますね。
好きなんだからしょうがない、という言葉が効いているのかも。
どちらかというと、市川と山田との関係が変わったことで、市川の行動力が表に出てきていましたね。

さて。
くらもりはぼんくらなので気が付かなかったんですが、"好きだ"のシーンは矩形ではないことから、まさしく二人の心情が窓枠に重なっている演出と見てよいのではないでしょうか。
※好きだの窓には市川・山田の二人がいて、窓も重なっている

最後の待ってる山田とのやりとりは市川も流石にドギマギしたもので、気づきかけていたように見えますね。

今後の僕ヤバについて
また、自分の気持ちに気づいた二人に変化したことを受けてか、サブタイトルもKarte31以降は「僕は ○○している」に変化してきています。
LINEは家族、距離と入れ替わりは山田が相手となっており、明確に相手がいるためKarte13以前と違います。

Karte14以降は山田の存在が垣間見えますが、ほぼ市川内だけで完結していたとも見え、「僕は ○○した」というタイトルもKarte31以降はいくぶんか減るものと思われます。

1巻で自身の気持ちに気づいた市川
2巻で自身の気持ちに気づいた山田

お互いに自分の気持ちに気づいた以上、市川と山田の相互の関係と、周囲との騒動に話が及んでくるのかなと思います。

今回の考察は、以上です。
以下、感想









感想

まだ気付かれなくていい、こんなにも君に心奪われていることを。

…的な紙面の締めだった記憶があります、Karte30。
すごくいいコメントなんですが、公開完了に伴い消えてしまってもう見えないですね。

この回は内容の感想はあまり言葉にできないというか。言葉にするほど陳腐化してしまいそう。
Karte30すごく良い
に全て含ませたいのが率直な気持ち。

強いて挙げるなら、Karte30はKarte16からの総仕上げという部分が素晴らしいです。
個人的には山田が市川に溶かされた際の目は「なんで告白しないんだ」的な目のようにも見え。
また、溶かされたことへの感情のようにも見えてなんだか好きです。
真剣な目で見つめて手を握ってきて惚れさせられたが、市川が何にも言わないからあんな目になったかなと。

色々と想像を掻き立てられるKarte30、そういうことを考えながらめちゃくちゃ読み直しました。いくら読んでも飽きない。
皆さんももう一度読み直してみてはいかがでしょう。
きっと新しい気づきがあるのではないかと思います。

そういえば。
Karte1〜30のうち、「僕は」ではない切り出しのサブタイが2つあります(おまけ以外)。
探してみてね。

最後に

このハートをぶち抜く最強画像に2巻の良いところが満天に詰まっているので、何でもいいから読もうよ!!

2巻の名シーン集は最強に突き刺さりました。
市川の見てる山田がこんなにたくさん……。

僕ヤバ2巻、最高の時間だった……。
ありがとう僕ヤバ……。

今回の報告は、以上です。

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