見出し画像

女工さんしてた日々


#はじめての仕事
かつて仕事をしてた場所が「活版印刷展示室」
になっていた。
歴史になってる!
私は高卒の18歳だった。
地元の中小企業
 業界の中ではかなり評価が高い会社。
今も活版印刷好きやらには
人気らしく
申し込めば展示室は見学できるようだ。

自分の仕事は
文選の機械にかけるための
タイピング的なもの。
鉛の活字をより効率的に作るため
 原稿を見ながらキーを操作して
大仰に紙テープが大量に吐きだされる。

カッチャンガッチャン

青い上っ張り
毎日同じ時刻のタイムカード
パタンパタンコォンコン

原稿見ながら毎日毎日

たまに活字の下拾い。
 ジョバンニかよ。
カチカチカチカチ
ザザコンコン

その時代のその会社は
女性の部署移動の希望なんか
きかなかった。
女性は出世しないシステム。
私は絵本の印刷や出版企画したかったんだよ。

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集) https://amzn.asia/d/gtWxK07

いい仕事をする会社だ。

3年我慢して
青の上っ張りを叩きつけるように辞めた。

私は絵本が作りたいんだよ。
毎日毎日こんな工場の片隅で終わりたくない!


転職の条件に
制服がないところ、と希望していた
この女工の上着に罪はないけど。
絵本を作る希望は捨てた
「大学も出てないのに」と言われ続けた。

次の職場では白衣を着ていた
研究論文やらなんやらを
まだOS以前の機械に
数字を入れ込む。
そんな仕事をある研究所で仕事としてやっていた。
 
 女工さんから事務員になり何十年も時を重ね
会社は変わっても事務員で
今に至る。



この記事が参加している募集

はじめての仕事

よろしければサポートお願いします。壊れつつある身体を機械の身体に変えていく資金にします。(関節の人工化とか、目玉の水晶体取り替えとか)将来的に。