休日は 箱を運んで 銭稼ぎ(前編)
ぼくはコンビニの棚に陳列された数種類の軍手の前で悩んでいた。手のひらの側が全てラバーに覆い尽くされたものがいちばん好ましいように思うが、価格は500円と少し。今日1日しか使わないのに、軍手ひとつに500円も払うのはいかがなものかと、隣にあった150円の軍手を手に取った。その軍手は、街頭アンケートで「あなたの思う軍手とは」という質問をして、返ってくる答えでいちばん多いだろう、よく道端に落ちているような、いかにも軍手的な白い軍手だ。その手のひら側に黄色いラバーのドットが散りばめら