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もしも、円空仏の世界がヤマイチアツコ・ワールドだったら・・

過日、2024年2月2日から4月7日まで、大阪・あべのハルカス美術館で開館10周年記念の特別展「円空ー旅して、彫って、祈って」が開催されたので、出かけて来ました。

僧・円空(1632ー1695)は、江戸時代中期に諸国を旅し、貧困や病苦に苦悶する庶民のために円空仏(明治以前は神仏習合だったので神像も含まれる)といわれる、ナタやノミの彫り跡を残した、簡素で、優しさとたくましさを秘めた多数の仏像を彫り続けました。

さて、別界であるヤマイチアツコ・ワアールドの陶猫達は、愛嬌があって、とぼけた感じで、思わず脱力してしまう存在です。キモカワイく、かといって不快でもなく、つかの間、おもしろみがある、不思議な造形物です。

現代の日本に住む我々は、戦乱がなく、生活は苦しくても差し迫って飢えることがなく、医療を享受できる状況にあります。しかし、将来に希望が持てず閉塞感があって、宙ぶらりんな状態で、苦しんでいます。・・この、宙ぶらりんには、「不思議」がよくなじむのではないかと考え、別界の「円空仏」を探してヤマイチアツコ・ワールドを旅しました。

旅の始まりは、円空・作「両面宿儺座像」に遭遇します。

円空・作 両面宿儺座像 1685年頃 岐阜県・千光寺・蔵 1)

正面向きの武神の背後からもうひとりの武神が顔を出しています。

それでは、別界のヤマイチアツコ・ワールドを覗いてみましょう。
ヤマイチアツコ・ワールドはこちら。

ヤマイチアツコ・作 陶猫

つづいて、大黒天立像です。

円空・作 大黒天立像 個人蔵 2)

ヤマイチアツコ・ワールドは、こちら。

ヤマイチアツコ・作 陶猫

さらに、弁財天坐像と童子立像です。

円空・作 弁財天坐像と二童子立像 1685年頃 岐阜県・千光寺・蔵 3)

ヤマイチアツコ・ワールドは、こちら。

ヤマイチアツコ・作 陶猫

さらに、さらに、十一面観音菩薩坐像と両脇侍立像は、こちら。

円空・作 十一面観音菩薩坐像と両脇侍立像 1685年頃 岐阜県・千光寺・蔵 4)

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ヤマイチアツコ・作 陶猫

そして、思惟菩薩坐像は、こちら。

円空・作 思惟菩薩坐像 1665年頃 岐阜県・東山白山神社・蔵 5)

ヤマイチアツコ・ワールドは、こちら。

ヤマイチアツコ・作 陶猫

次いで、不動明王立像です。

円空・作 不動明王立像 1685年頃 岐阜県・素玄寺・蔵 6)

ヤマイチアツコ・ワールドは、こちら。

ヤマイチアツコ・作 陶猫

続いて、善財童子立像と護法神立像です。

円空・作 善財童子立像と護法神立像 1684年頃 岐阜県・神明神社・蔵 7)

ヤマイチアツコ・ワールドは、こちら。

ヤマイチアツコ・作 陶猫

さらに、金剛力士立像です。

円空・作 金剛力士立像 1685年頃 岐阜県・千光寺・蔵 8)

ヤマイチアツコ・ワールドは、こちら。

ヤマイチアツコ・作 陶猫

いよいよ旅は終わりに近づきました。護法神立像は、こちら。

円空・作 護法神立像 1685年頃 岐阜県・千光寺・蔵 9)

ヤマイチアツコ・ワールドは、こちら。

ヤマイチアツコ・作 陶猫

旅の最後に、筆者の故郷の滋賀県大津市で善女龍王立像と出会いました。

円空・作 善女龍王立像 1679年頃 滋賀県・園城寺・蔵 10)

ヤマイチアツコ・ワールドは、こちら。

ヤマイチアツコ・作 陶猫

皆さんお疲れ様でした。長い旅が終わりました。
この、たわいもない世界の浮遊感はいかがでしょうか? つかの間、くっすと笑ってもらえたら嬉しいです。

ヤマイチアツコ・ワールドについて、さらに詳しく知りたい方は、こちら

引用文献
1)あべのハルカス美術館, NHK大阪放送局, NHKエンタープライズ近畿, 朝日新聞社・編集, 小島梯次・監修:図録 あべのハルカス美術館開館10周年記念 円空ー旅して、彫って、祈ってー. あべのハルカス美術館, NHK大阪放送局, NHKエンタープライズ近畿, 朝日新聞社, 2024, P76-78
2) 1)P50-51
3) 1)P90
4) 1)P91
5) 1)106-107
6) 1)P110-111
7) 1)P114-115
8) 1)P80-81
9) 1)P94
10) 1)P57-59

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