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その木は、市井に生きる普通の人のようです。

年月を経た大衆食堂の前に自生して、居候していた木のその後です。

夏が来て、木は、お店のテントを越えて伸びていた幹を、切られてしまいました。

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木は、もう何度も幹を切られながら、折り合いをつけて、生き抜いて来ました。

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その根は、お店の基礎に潜り込んで一体化することで、しっかりと居場所を確保しています。木が死んで根が枯れてしまったら、お店は倒壊するかもしれません。

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それは、市井に住む普通の人の生様のようです。
(2021年夏)

追記
木は、新年を迎えました。枝や幹は刈り取られ、現状維持ですが、見えない根は、より深く張っていることでしょう。さあ、今年もリセットして再出発です。

(2022年1月1日)


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