見出し画像

スマホの写真をスクロールしてみたら。

先日ふとiPhoneのカメラロールを見たら、中に入っていたのが

・打ち合わせに伺ったおうちで出して頂いたイチゴとホワイトチョコクリームのプレートの写真
・「三本松公園」の展望台からの出雲平野の写真
・週末に行った出雲市湖陵町の「登土居」さんのランチと、とことんきれいな海の写真(noteで紹介してから、オットを連れて行きたくてもう一度出かけたのです)
・デザインの仕事で打ち合わせに伺った場所で出して頂いた、金沢のかわいいもなかの写真
・通勤途中であまりにもきれいだったから車を停めて撮った宍道湖の写真
・益田の「山陰のモンサンミッシェル」に感動して撮った海の動画5本
・津和野の巨大な鯉の群れの写真
・唐音水仙公園で見た満開の水仙の写真

…といった具合で、何とも呑気な写真や動画ばかりがずらーっと並んでいました。
現在、仕事の面でけっこう心理的に追い込まれているという自覚があったのですが、写真だけ見たらとても「追い込まれてプレッシャーを感じている」人のスマホの中身じゃないな、と自分で笑ってしまいました。

ただただのんきに暮らしている人、といった趣のスマホの中身ですが、実はけっこうピリピリしています。というのも、3月の下旬に、久しぶりに事務所のある斐川ではないところでイベントをすることになったのです。

松江市で、5日間のイベント。街の中でのイベントは本当に久しぶりで、企画の内容のこまごましたところも不安な点があったりして、とにかく毎日落ち着きません。

少しずつ決めないといけないことが増え、締め切りが迫ってくると、急に心がざわざわしてきます。やらなくちゃ、決めなくちゃ、と思うのですが、その決定や選択が法人の未来を変える(大げさですが、小規模のNPOではそういうことも多い)と思うと、ついつい結論を先延ばしにしがち。そろそろ本腰を入れていく時期でもあり、寝ている時間以外はずーっと、イベントのことを考えています。

ほかにも、法人を運営するにあたって考えなければいけないことはたくさんあり、年度末に向けて頭の痛いこともあります。

週休3日(土日と水曜がお休み)で、勤務時間も長くないし、フルタイムワーキングの方に比べれば仕事量は微々たるものかもしれないのですが、それでも「自分の仕事がすぐ法人の行く末に直結する」、すなわち、自分の選択が及ぼす影響力の大きさを思うと、逃げ出したくなることも多いのです。

でも、大変でも楽しいよね、と、スタッフといつも話しています。
それは、経済的な満足よりも精神的な満足を優先させているからなのかなあ、と思います。経済軸で測ることが難しい豊かさや達成感を、いつももらっている気がします。

いつもお世話になっている大山の「ゲストハウス寿庵」さんのnoteに、「大変だけど楽しい」という記述があり、大変さの規模は違っても、同じだなあと嬉しくなりました。

冬本番で、まさに1年で1番のかき入れ時の寿庵さんの忙しさは私たちの比ではなく、本当に寝る間も惜しんで…という感じだと思います。それでも「楽しい」と言えるのは本当にすごい。(すごく忙しいけど儲かってるというわけではない、とおっしゃっているところにもシンパシーを感じます…。)
「やりたいことを仕事にしているから」とオーナーさんが書いておられましたが、「楽しもう」というマインドを持っていらっしゃることも、忙しさに負けない理由なのかな、と思いました。

また、なにをする時にも「無理!」とシャットアウトするのではなく、一度「へえー」と受け入れてみる懐の深さもあるのかも。「できない」ではなく「できるためにはどうしたらいいか」「楽しみながらできることはないか」という視点で生活をされている、というのが、忙しさを「楽しい」と言えてしまうオーナーさんのすごさだと思います。

私自身は「ワークアズライフ」、つまり、日々の暮らしの中に「くらしアトリエ」というものが溶け込み、混然一体としていて、どこまでが仕事でどこまでが自分の生活なのか、境界線があいまいになっています。だから、仕事が楽しいというのは「生きているのが楽しい」ということになるし、仕事が楽しくない、というのはすなわち、「生きるのが辛い」ということになる。

だからこそ、自分自身の生活…暮らしを整えていくことも、法人のために必要なんだと思うし、楽しく仕事をすることが、生きる楽しさに直結している。
そういう働き方を選んで17年、今のところとても楽しく、満足な人生です。

スマホのカメラロールも、他人から見ればお気楽なお出かけ写真にしか見えませんが、こういうのが「くらしアトリエっぽいなー」と、ちょっと嬉しかったのです。ああ、大変だと思っていても、こんなに自分を喜ばせられているんだな、と。

2018年にこんなコラムを書いていますが、その時と、視点は同じ。

「暮らす」と「働く」の境界線があいまいな私たちだからこそできる発信、できる企画。それこそが「くらしアトリエ」のオリジナリティになるはず。

先日教えていただいた三本松公園からの出雲市街と日本海の景色

これから3月、4月とイベントが続きますが、「くらしアトリエのイベントって視点が面白いね」と言ってもらえるようなものにしたいなあ、と、鋭意思案中です。

くらしアトリエ「ならでは」だね、と言って頂けるのが何より嬉しい私たち。
これからどんどん追い込まれていくのですが、スマホのカメラロールの中の写真のように、のんびりと暮らしを楽しむ気持ちも忘れずにいたいな、と思っています。

サポートありがとうございます。とてもとても励みになります。 島根を中心としたNPO活動に活用させていただきます。島根での暮らしが、楽しく豊かなものになりますように。