大好きなあのお店が、長く続いている理由。

来月開催する「冬のお楽しみ便」の打ち合わせのために、米子市の「'tis clay(ティズ・クレイ)」さんに出かけてきました。

店内をゆっくり回って、奥出雲のはちみつとジャム、クッキーを買って、「またよろしくお願いいたします!」とお店を後にして、ふと「クレイさんがなぜ長きにわたってお店を続けてこられているのか」について考えました。

例えば、お店のディスプレイ。

季節ごとの大きなディスプレイはスタッフの皆さんが手作りで行っておられて、外から見るだけでもすごく素敵なのですが、今回あらためて考えたのは「折り目正しい商品の置き方」でした。

「かわいくディスプレイする」「インスタ映えするように並べる」ということではなく(クレイさんは、カフェ以外撮影禁止です)、「商品の良さがしっかり伝わるように」「お客さまに見えやすいように」「ひとつひとつの商品が目に入るように」、細かな配慮で並べられているように思います。お店によってはたくさん積み上げられた商品がこぼれ落ちそうになっていたり、あっちこっちいろんな方向を向いていて乱雑だったりすることもあるけれど、クレイさんは少しずつ商品を置いておられて、売れたらその都度きちんと補充されているから、たくさんの商品数があってもすっきり見えます。

規模も内容も全然違いますが、「シマシマしまね」のディスプレイが同じように折り目正しく、お客さま目線で考えられているか、と顧みると、反省するところも多くありました。

なぜこのように、かわいいのにきちんとしているのか。それはひとえにスタッフの皆さんの商品への愛、だと思うのです。「これはとても良いものだから、ぜひ手にとってほしい」というスタッフの方々の思いが、きちんとお店に反映されている。それは、長く続けてこられたお店ならではの空気感のなせる業でもあるし、その緊張感を長きにわたって保たれているオーナーさんの姿勢の表れでもあると思うのです。

そしてもうひとつは、進化し続けるということ。「小さなお店だから…」とオーナーさんはおっしゃるけれど、雑貨店から洋服、カフェと少しずつ「暮らしを楽しむ」ものが増えているのも、すごいなと思います。

ギャラリースペースでは定期的にいろいろな個展やイベントが行われますが、これもオーナーさんが「とても素敵な作品を作られるんですよ」と、目を輝かせて紹介してくださいます。かわいい!と思うようなものから、時にはアート寄りのものも開催されるなど、普段目にすることの少ないものも発信されていて、わくわくする気持ちを高めてくれます。

お店をオープンされたとき、当時山陰では売っていなかったデュラレックスのグラスを販売したくてフランス大使館に電話をされた、とおっしゃっていたオーナーさん。「もらいもののコップや、ノベルティのタオルで日々を過ごすのもいいけれど、ひとつ、たったひとつでも、お店で買ったお気に入りのグラスがあるだけで、生活がちょっと楽しく、豊かになると思うんです」と話してくださいましたが、そのときの気持ちが数十年ずっと保たれていて、私たちに日々「暮らしの楽しみ方」を発信してくださっているのだとあらためて感じました。

初志貫徹、というと固いかもしれませんが、お店が続く秘訣は、やっぱり最後は気持ちというか、人柄なんじゃないか、と思います。

くらしアトリエとしてお付き合いを始めるずっとずっと前から、クレイさんは私の憧れで、何を隠そうアルバイトの面接を受けたこともあります…。その時もオーナーさんがとてもやわらかく、丁寧に自分のお店の在り方について説明してくださって、「ああ、だから私はクレイが好きなんだ」と妙に納得してしまったのを覚えています。あれから20年近くが経つけれど、クレイさんはずっとそのままそこにある。そのことがとても嬉しく誇らしい。

くらしアトリエがお付き合いさせていただいているお店、他にもたくさんありますが、どこもクレイさんと同じように、商品への愛情や誇りを持っていらっしゃるところばかりです。実は「長く続ける」ということがとても難しかったりすると思うのですが、法人としても個人的にも、ずっとその志を持ってお店が続いてほしいなあ、と切に願っています。


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