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《取材記事②》「構造を知れば、本はもっと身近になる」古本と手製本ヨンネ 植村愛音さん

くらしずく2019では、作り手と使い手との出会いをより深め、手の仕事を身近に感じていただくために、ワークショップを開催いたします。
手軽にできるものから、本格的な制作に触れる貴重な体験まで、多彩なプログラムをご用意。
会場の「くらしずくスタジオ」では、講師の方々の作品も同時に販売もいたします。ワークショップ中の見学も自由です。ものづくりの現場に、ぜひお越しください。


今回、様々な「手しごと」を提供してくださる作家さんを取材しました。

ご紹介するのは、古本と手製本ヨンネ 植村愛音さん。ワークショップでは、ご御朱印帳づくり、文庫本をハードカバーに仕立てる、「文庫本の改装」の体験ができます。

【ワークショップのお申込みはこちら】(要予約)
手製本に親しもう(1)御朱印帳をつくろう
https://kurashizuku2019-w5.peatix.com

手製本に親しもう(2)お気に入りの文庫本をハードカバーにしよう
https://kurashizuku2019-w6.peatix.com

お申し込みはお電話でも承ります。
090-2403-1021(くらしずく ワークショップ担当・白石)

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西荻窪にあるレンタルスペース「アトリエ・ハコ」にて、とある日の製本教室の風景。

「折丁の背を接着剤で固めて綴じる無線綴じやあじろ綴じに比べて、糸で綴じた中綴じや糸かがりの本などの方が丈夫です」

「折丁を作ったら、重ねてまとめて、背から5ミリくらいのところに、目打ちで穴をあけます」

「古本と手製本ヨンネ」を主宰する植村愛音さんを講師に迎え、講座「本の修理と手製本」の初級編が行われた。植村さんの説明と実演を見聞きしながら、自分の手を動かしていく参加者のみなさん。中にははるばる盛岡から駆けつけた方もいらっしゃった。これから図書館に勤める予定なのだという。

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アトリエ・ハコで手製本の講義を行う植村さん

「製本」というと「印刷された紙を、本という形にすること」というイメージがあるが、植村さんはそれを「紙を切って、折って、綴って、表紙を付けること」と、具体的かつ簡潔に表現する。だが、シンプルがゆえに奥は深い。

例えば、今回の講座では折丁(本の中身を構成する1単位)を綴じて本にする方法を学んだが、糸を使わずに接着剤で綴じる無線綴じやあじろ綴じのほか、糸を使う平綴じや中綴じ、さらには複数の折丁を糸で綴じるやり方を実践した。

綴じ方一つとってみてもその方法は様々なのだ。当然ながらハードカバーかソフトカバーという違いもあるし、紙、糸などの素材を変えればバリエーションはさらに増える。素材と技術の組み合わせにより、作られる本の種類は無限に広がる。その無限の可能性に、自分自身の手で挑めるのが、手製本の大きな魅力なのである。

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中綴じによる製本を実践中。折丁を糸で綴じるため穴をあける

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無線綴じの糊付けを実演する植村さん

植村さんは現在、手製本教室のほか、本の修理、少部数の受注製本、図書館職員向けの講座などを行なっている。


「元々本は好きで、本屋とか図書館にいるのが楽しかった。自分一人の世界に浸れるし、本を読むと、世界が広がっていって」
と話す植村さんが、大学生時代にしていたアルバイトは書店員だった。司書の資格を取得した後は公共図書館へ勤め始めたが、そこで目の当たりにしたのが、数多くの破損してしまった本だった。


「自分で修理できたらいいなと思ったんです。それで修理できるようになるには、本が作れるようになればいいのでは、と考えたんです」

「本の構造を知ること」
……講座をする際、植村さんが何度も強調するポイントだ。

例えば、分厚い辞書などで、ページがまとめて取れてしまった経験はないだろうか。とりあえずセロハンテープを貼っておこう…なんてやってしまうと、テープが紙を傷める原因になり、結局、付け焼き刃な対処でしかない。もし、本の構造を把握していれば、折丁を綴じている糸を改めて綴じ直す、という根本的な修繕方法が思い浮かぶかもしれない。

部分的な修理ではなく、イチから本を作り、本の構造を理解する。そうして、修理を必要とする様々なケースに、臨機応変に対応できるようになるのだ。

いや、応用が利くのは修理だけではない。
「本の構造を知れば、ノートはもちろん、オリジナルのアルバムも作れます。ファイルやバインダーは『表紙』の構造を基にした文具ですし、筆箱や夫婦箱は『函(はこ)』の造りでできてますから、こうしたものも自分で作れるようになります」。

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ハードカバー、函付きの本を手製本した、植村さんの作品

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こちらは既製の封筒を手製本した植村さんのフォトブック。函も封筒のデザ
インになっていてかわいい

今年のくらしずくで行う、植村さんのワークショップは「御朱印帳づくり」と「文庫本の改装」だ。

「御朱印帳づくりは、和綴じの歴史に触れられて面白いです」

と植村さん。和製本の原点を辿ると「巻物」に行き着く。ただ、巻いてあると最後まで読むのが大変である。そこで登場したのが、ページとページを貼り合わせてジャバラ状にした「折本」だ。御朱印帳は、この折本の構造で製本されたものである。この折本をアレンジすればコレクション帳などを手製本することもできる。

文庫本の改装は、プレゼントするために作る人や、改装にハマって何冊も自分で手がける人もいるという人気のワークショップ。
「文庫本をハードカバーの表紙に改装する作業をしながら、表紙と中身がどう組み合わさっているのかを注目してみてください。栞紐や装飾につける花布(はなぎれ)を選ぶのも楽しいですよ」

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手にするのは市販の文庫本をハードカバーに改装した作品。背に付けられた
橙色の花布がチャームポント

「本に対する興味の持ち方は人によって異なりますが、製本の工程はとても多くて、部分部分でそれぞれに発見があって楽しめるものです。糸で綴じる手芸的な部分があったり、紙を切ったりと工作的であったり、大きな道具を使って大工のような側面もあったり。そういう意味で、製本はクラフトとしての一面もあるのかもしれません」

本の構造、製本の流れが見えてくると、やってみたいこと、できることの選択肢がどんどん増えていく。過去から伝えられ続けてきた製本という技術も、基本さえ抑えれば、より柔軟に、もっと自由に関われるものなのだ。だからこそ、植村さんはこう強調する。

「『私、手芸をやるんです』と言っても反応は割と普通ですけど、『製本をやるんです』と言うと、『それは何をするものなの?』と必ず質問されるんですね。手芸のように、手製本がもっと身近な存在になればいいなって思います。料理や裁縫をする感覚で、生活の中に簡単な手製本を取り入れることができますから」

ものづくりというものが、私たちの暮らしと遠くかけ離れたところにあるよりも、より身近なところにあったならば、それを受け継いできた伝統という存在も、今を生きる私たちも、互いに切磋琢磨していける。植村さんの手から自在に生み出される本の数々に触れ、そう思った。

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製本に使う道具の数々。意外に身近にあるものが多い

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植村さんの著書『はじめて手でつくる本』(ヨンネ著 エクスナレッジ刊)


取材・撮影:暮ラシカルデザイン編集室 沼尻 亙司
編集:くらしずく実行委員 三星千絵
協力:和雑貨 翠 白石 由美子
 

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《ワークショップ概要》
手製本に親しもう (1)御朱印帳をつくろう (2)お気に入りの文庫本をハードカバーにしよう
教える人 ヨンネ 植村愛音さん

私たちの身近にある本。あまりにも身近すぎて、どんなふうに作られているか考えたことのない方も多いのではないでしょうか?
このワークショップでは、本を手で作る「手製本」に親しむ第一歩として、御朱印帳づくりと、「文庫本の改装」に挑戦します。

(1)御朱印帳をつくろう
全2回のうち、①または②のいずれかをお選びください。
【概要】
日時:
 ①[W5]2019年10月13日(日) 10:00~12:00
 ②[W5]2019年10月14日(月・祝) 10:00~12:00
場所:菅原工芸硝子内くらしずく2019ワークショップ特設会場「くらしずくスタジオ」
   (千葉県山武郡九十九里町藤下797)
定員:各回8名
費用:3,800円/人(当日現金にてお支払いいただきます)
対象:中学生以上
所要時間:120分

お申込みはこちら。(要予約)

お申し込みはお電話でも承ります。
090-2403-1021(くらしずく ワークショップ担当・白石)

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(2)お気に入りの文庫本をハードカバーにしよう
全2回のうち、①または②のいずれかをお選びください。

【概要】
日時:
 ①[W6]2019年10月13日(日) 13:00~16:00
 ②[W6]2019年10月14日(月・祝) 13:00~16:00
場所:菅原工芸硝子内くらしずく2019ワークショップ特設会場「くらしずくスタジオ」
   (千葉県山武郡九十九里町藤下797)
定員:各回8名
費用:4,800円/人(当日現金にてお支払いいただきます)
対象:中学生以上
所要時間:180分
備考:お気に入りの文庫本を一冊ご持参ください

お申込みはこちら。


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くらしずく 2019

日時:2019年10月13日(日)、14日(月・休)
時間:10:00~16:00
場所:千葉県山武市九十九里町藤下797[Sghr菅原工芸硝子工房敷地内]

ワークショップのお申込みはこちら
https://kurashizuku-1.peatix.com/

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暮らしをより豊かにしたいと願う使い手と。 使い手の暮らしを想い、作品を生み出す作家と。 その双方が出会い、心を通わせることが出来る場をつくりたい。 そんな想いから生まれた新しい形のマーケットイベント『くらしずく』の実行委員会が綴っています。
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