【二次創作】VALIS飲み会

※このSSはVALIS二次創作です。100割妄想です。飲酒描写があります。つまり、全員成人済み設定です。
公式設定とは乖離している可能性があります。
また、表世界のアイテムや単語が飛び交うので、世界観が若干曖昧です。
基本的に出番に大きな差は無いですが、今回はミューとヴィッテ成分が若干多いです。
解釈違いなどありましたら本当に申し訳ないです!

ご了承の上、OKな方のみお進みください⬇



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「開催を許したとはいえ、明日も瓦利斯飯店の営業はありますから、あまり羽目を外しすぎないように。くれぐれもよろしく頼みますよ!チノ、リーダーとして、メンバーの手綱はしっかり握っておいてくださいね。」

「ふむ、チノ先生にまかせない」

自信満々に応えるチノ、しかし小ぶりな耳はうずうずと跳ね、手には既に白ワインが並々注がれたワイングラスを持ってスタンバイしている。

「本当に羽目を外さないで下さいよね…?」

とある日、瓦利斯飯店の営業終了後、日頃の頑張りを労う目的でニナとネフィが企画し、操桃に許可を取ることで実現した「VALIS飲み会」。メンバーそれぞれが自由に食べたいもの、飲みたいものを持ち寄り、料理し、もしくは注文することで、それなりに豪華な食事会となっていた。

(なお、飲食にかかる費用はチノが交際費として瓦利斯飯店の経費に計上する予定だ)

「みんなー?飲み物は行き渡ったかしら?」

ミューの呼びかけに、5人は思い思いの返答を返す。

「それじゃ、団長!乾杯の音頭、お願いします㌨!」

「えぇ!?吾輩がですか!?皆さんで楽しんでくださいよ…そういう経験ないですし…」

「そーとぉ…せめて最初くらいは一緒に盛り上がろうよ〜世界一可愛いチャンニナからのお・ね・が・い!」

「分かりました…ですが、吾輩も忙しいのですから、最初だけですよ!!…えー、それでは皆さん、日頃の活動お疲れ様です!乾杯!!」

「「「「「「乾杯ー!!」」」」」」

グラスが軽くぶつかる音が響き、各々が料理を取り分け始める。

「ネフィ!ララ、あそこのマンガ肉が食べてみたいわ!取り分けなさい✨」

「おおせのままにー、相変わらずネフィ=サン使いの荒い王様ですなぁ」

「サラダ取り分けちゃうわね〜、ヴィッテ、はいどうぞ〜❤」 

「ありがとう㌨〜!ミューは飲み物赤ワインでいい?」

「わぁー!!お刺身と茶碗蒸しおいしー!!チノも食べなよ!はい、いぶりがっこ!」

「ニナ、意外とチョイスが渋いね…ふむ、しかし確かに、美味しい!」

「やれやれ…本当に、ほんとーうに!羽目は外さないで下さいよ!!」

メンバーのはしゃぎぶりに少し不安を覚えつつ、操桃も自分に取り分けられた食事をつまみ始める。

(おお、このチーズ中々…これはミューのセレクトでしょうかね…お!このフルーツの盛り合わせも上々ですな…!)

とは言え、なんだかんだで、操桃も楽しんでいるようだった。

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ーー

一時間後

「ちょっと!!ララの選んだりんご酒が飲めないわけぇ??ちょっと国民!?聞いてるの??ねぇ!!こーくーみーんー?しゅーしんけーにすぅわょ!」

真っ先にアルコールに呑まれたのはララだった。
顔を真っ赤にし、目をグルグルにしながら、瓦利斯飯店の観葉植物に向かって空の瓶を突き出し飲酒を迫っている。

見かねたネフィが自分のお酒をぐっと飲み干し、ララをなだめに席を立った。

「あーもう、ほらほらラ王様〜、りんごジュースですよ〜。これ飲んで落ち着いてくださいね〜よちよち」

と言いながらネフィが右手でただの水を差し出す。なお左手には「rec」となっているスマートフォン。何時いかなる時もララへのイタズラ心を忘れない。This is NEFFY=SAN Quality。

ちなみに、初めは麺つゆと麦茶でやろうとしていたが、「それはやめなさい」と強めにミューに釘を刺されたので妥協した。

「ぁぃがと…きがきくじゃなぁい???」

思いっきり据わってる眼差しでグラスを受け取ろうとして瓶を国民(観葉植物)にぶつけてしまう。当の本人は「なんの音?」と頭にハテナを浮かべて瓶と国民を眺めている。

「ほらほらほら、一回瓶おいて!はいコップ持って!りんごジュースだから、アルコール無いから、ぐっと飲んじゃいな〜」

半ば無理やりではあるが、ララにりんごジュースという名の水を飲ませることに成功する。素面であれば、引っかかる引っかからない以前のイタズラ。しかし観葉植物と国民の見分けがつかない今、ララはどんなリアクションを見せるのか。ネフィは口角が上がってしまいそうになるのを必死に堪えながら、スマホを向ける。

「ん…。ん??」

コップに口をつけ少し水を飲んだララが頭に二つ目のハテナを浮かべる。その様子をニマニマしながらスマホに収めるネフィ。

「これ…りんごジュースじゃなくてぶどうジュースじゃない?ネフィ!騙したわね!ブドウでしょ!ねぇーえー!」

「ぶどうジュースでもないけど!wwwww」
「あははははははははははwwwwwww」

予想の斜め上、いや、予想を無限の彼方に吹き飛ばしたララのリアクションに、ネフィの突っ込みとニナの大笑いがフロアに響いた。

その後、数分もしない間にララは眠りについてしまったためネフィが寝室にララを運び、枕元にペットボトルを置いてから寝室を後にした。

【ララ、リタイア】

ーーー
ーー

さらに一時間後

「あらあら、みんな顔が真っ赤よ?大丈夫?」

ミューが熱々のピザを切り分けながら、平然と言い放つが、一番グラスを空けているのはミューだ。しかし、本人は顔色一つ変えていない。

「ヴィチャもてつだう㌨〜」

よろよろとヴィッテが立ち上がってミューの元に歩み寄る。彼女もだいぶお酒が回っているのか、日頃よりフワフワ度が数段上がってる。

「ほっぺが真っ赤で千鳥足のヴィッテ可愛い!!(危ないから無理しなくて大丈夫よ〜ありがとうヴィッテ)」

「あははは!ミュー!本音と建前が逆!トリックルーム?ガードスワップかな???」

元気よくニナが笑う。ニナもヴィッテ同様、だいぶ回っているようだ。

「ふむ、意味は良くは分からないが、恐らくポケモン用語だろうということはわかるね」

「チャンニナも中々出来上がってきたねぇ、お水飲んどきな」

随分と顔を真っ赤に染めたニナにネフィがコップで水を差し出す。なお、今度は本当に水を差し出している。

「ありがとにゃんはお〜!」

「どういたしましてにゃんはお〜…語呂悪いな」

苦笑するネフィ。

「…ねぇ、ネフィ?」

とつぜん真面目なトーンで、上目遣いでネフィを見つめるニナ。
不覚にも少しドキッとするネフィ。

「…どしたの?チャンニナ」

数秒の沈黙の後、ニナはゆっくりと語り始めた。

「ガブリアスの強さってようきASぶっぱのオーソドックスな物理アタッカー型が脅威なのはもちろんのこと、さめはだゴツメで物理受け構築にしたり、オボン持ってステロ撒いたりする型もいて、選出段階で予測が出来ないってところが厄介なんだよねって思うんだけど、ネフィはどう思う??」

「…なん、え??何の何の何??」

「モ〜!チャンニナまたポケモンの話してる㌨ー!お酒入るといつもこうなんだから…ポケモンネタは通じるところでやるものだからね」

ピザの配膳が終わったヴィッテが、暴走気味のニナを軽く咎める。心做しか、先程より足取りがしっかりしているようだが…。

「失敬、失敬…ん??ヴィッテさぁ…」

申し訳なさそうに頭を掻いたニナは、なにかに気づいたようにヴィッテの顔をまじまじと見つめながら目を細めて問いかける。

「なあに?ヴィチャの顔になにかついてる?」

「ヴィッテさん、チークつけすぎじゃね?」

「…!?」ギクッ

一瞬ヴィッテの肩がドキリと跳ね、続いて目を逸らしながら「ナ、ナンノコト㌨デスカネェ〜?♪」と、焦ったように口笛まで吹きはじめた。

「だってだって、ずっとソフドリしか飲んでなかったのに顔が赤くなりすぎ「ワーワーわー!!きーこーえーなーいーノ〜!」

「あ、分かった!ミューの前で可愛く酔ったフリしたかったんだ!ヴィッチャン乙女〜!乙女的サイコパシー!」

ニナの推理は当たっていた。が、当たっていたが故に引き起こされる悲劇は、ある。

茶化されたヴィッテはスンと無表情になり、その後ゆっくりと笑顔になる。
しかしその笑顔には、何故か黒っぽいオーラが見え隠れしている錯覚を覚えるほど恐ろしかったと、後にニナとネフィは語った。

「そうだ、ニナ、ネフィ。まだまだ飲み足りないよね?」

「…あの〜ヴィッテさん?なんか、黒いオーラ出てますけど…?チャンニナの推理がこうかばつぐんだった感じですか…?」

「もしかしてネフィ=サンも悪い感じになってます?これ?冤罪!冤罪だー!!」

「飲み足りないよね??だって全然舌が回ってるもんね?」

「…あの、チャンニナが悪かったんで、その黒霧島を置いて。一旦落ち着こう?てか、いつの間に取り出したの??結構大っきいよねその瓶!?」

「黒が嫌なら白も金もある㌨よ?頑張って取り寄せたんだから無駄にしないで欲しいなぁ〜??」

「ネフィ=サンは完全にとばっちりだぁーーーー!!!!」

「く・ち・ふ・う・じ。だゾ️🩵」

(※彼女たちは獣の力で事なきを得ていますが、絶対に真似しないでください。お互いに無事であることを確信した上で行っております)

そんな3人のやり取りを、ミューとチノは少し離れた卓で肉寿司を食べながら見守っていた。

「あらあら、3人とも楽しそうねぇ、私も混ざりたいわ〜」

「ややこしくなるから辞めな」

その後、「二人が寝ちゃった㌨〜!」と何事も無かったかのように二人を寝室まで運ぶヴィッテを見て、二人とも苦笑いをした。

【ニナ・ネフィ、リタイア】


ーーー
ーー

数時間後

「…zzzz」

大半の食材が完食され、だいぶ寂しくなった卓で、チノが突っ伏して眠っている。ゆっくり、すぅすぅと心地よさそうに息をしている。

「チノせんせー、寝ちゃった?」

「どうかしら、お顔が真っ赤だし、ちょっと心配ね…」

ミューとヴィッテがチノを眺めながら会話をしていたら、チノがモゾモゾと動きふにゃふにゃと喋り始めた。

「…ぅぅ、ねてなぃ…」

「あら可愛い、起きてるなら少しお水飲みましょ?」

「ぁぃがとぉ…」

十秒ほどかけてゆっくりと上半身を起こし、両手でグラスを掴む。平衡感覚が弱っているのか、メトノロームのようにゆらゆらと左右に揺れている。

「完全に目が据わってるわね…呼吸もだいぶ深いわ」
心配そうな眼差しを向けるミュー。

「ハワワ…」
大丈夫かな?という顔のヴィッテ。

「…んー…」
ゆらゆらしつつも、日頃の鍛えられた体幹が功を奏して絶妙なバランスで座るチノ。

あー、これは椅子から落ちちゃうかな?とミューが危険を感じ、チノの横にスっと回り込んで身体を支える。

「ハワ…!!」
この手があったか!という顔のヴィッテ。

「チノ〜お水飲みましょうね〜よしよし」

ミューが能力でストローを創り出し、グラスに差し込み、チノの口元に運ぶと、彼女はストローを咥えて水を吸い始める。

「チノ、赤ちゃんみたいねぇ♪」

「ミューもママみたいなの♪」

「ふふ、そしたらヴィッテはお父さんになっちゃうわね」

「えー、それはなんか嫌なの」

二人は顔を見合せてしばらく微笑み合う。

するとそこに、一足先にリタイアし、ネフィに寝室に連れていかれたララが頭を抑えながら、再び飲食スペースの扉を開けて入ってきた。

「あ゛〜頭痛゛い…あんた達、静かだと思ってたけどまだ続いてたのね…あら?お邪魔だったかしら?」

「いいえ、全然大丈夫よ」

「ララは飲み直すなの?」

「これ以上飲んだらさすがにヤバいわよ、ただでさえ今頭が割れそうだってのに…っっ」

ララはゆっくりとキッチンへ向かい、グラスに水を注ぐ。その後ゴクゴクと喉を鳴らしながら一息に飲み干した。

「そこに置いておいてくれれば片付けは私たちがやるわよ、ララは気にせず休んで?」

「そうね、そうさせてもらうわ。あ、せっかくだからそこの赤ちゃん見たいなリーダーを預かっていくわ。ララもどうせ寝室行くんだし。」

「無理しなくていいのよ?ララだってだいぶキツいでしょ?」

「チノを運ぶくらいならララの能力で少し大きくなれば問題ないわ」

「そう…じゃあお願いしようかしらね」

そう言って、チノをゆっくりとララに受け渡す。ララは能力を使って約2mほどまで巨大化し、軽々とチノを背負ってから寝室へと再び姿を消したのだった。

【チノ、リタイア】

「二人だけになっちゃったわね」

「ミュー、もしかしてこの状況狙ってたりした?」

 「まさか!でも、こんな時間に二人きりなんて、なんか特別な感じがするわね」

時刻は日付変更から更に時間が経っている。普段であれば絶対に起きていない時間だ。

「そうだ!この前約束した線香花火勝負、今やってみたいノ!」

「良いわね!それじゃ"一緒に"洗い物済ませてから、外に行きましょうか!」

一緒に、という単語に並々ならぬ熱量を感じたヴィッテは若干苦笑いをした、しかし満更でもないようだった。

ーーー
ーー

「わー!夜風がとっても気持ちいい㌨〜!」

「そうね〜すっかり涼しくなったわねぇ」

片付けを済ませ、瓦利斯飯店の外に出た二人の手には1本ずつ線香花火が握られている。
花火はミューの能力で生み出したもので、ライターやロウソク、バケツは店で使っているものを拝借した。

「せーのでつけるわよ?」

「はい㌨!」

「「せーの!」」

二人はそれぞれの線香花火をロウソクへと運び、それから飛び散る火花を眺めた。

一体どのくらい時間が経っただろう。十秒ほどだった気もするし、数十分のようにも感じられた、ミューとヴィッテだけの幸せな時間。

秋の涼しげな風が線香花火を揺らす。それでも二人の花火は中々落ちなかった。
互いに言葉は発さなかったが、「この時間がいつまでも続けばいいのに」という心情は一致していた。

そして、

「あら…私のが終わっちゃたわね」

「やたー!ヴィッチャンの勝ち〜!!」

はしゃいでVサインをミューに向けるヴィッテ、その勢いでヴィッテの線香花火は落ちてしまったが、特に気にしていないようだ。

「はしゃいでるヴィッテ可愛いすぎるっ!(それじゃ、そろそろ私たちも寝ましょうか)」

「ミュー、また心の声と逆に…うぁああ!!」

突然、ヴィッテが驚きの声を上げる。

「ヴィッテ!?どうしたの?大丈夫??」

「ミュー!鼻!鼻!ミューこそ大丈夫…?」

「鼻?あっ…!」

顔面蒼白のヴィッテに促され、鼻を確認してみると妙にベトベトした感触がミューの手に伝わる。ロウソクの明かりに手を照らしてみたら、なんと真っ赤に染まっていた。

「ヴィッテが可愛すぎて鼻血が…!」

「もーー!!!エモい雰囲気が台無しー!!!!!!!」

「ごめんなさーーい!!!」

ーーー
ーー

次の日の朝

昨夜潰れたメンバーも、別の意味で危なかったミューも無事復活し、開店準備に取り掛かる。

ネフィに撮られた動画を見ながら「ふざけんな!消しなさい!!」とララが怒ったり、ニナが店舗前の血痕にガチビビりをしたり、それを聞きつけた操桃に「お客さんが入ってこなくなっちゃうじゃないですか!!」とお説教をされるのはまた別のお話。




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