【ウマ娘】レース場に吹く暴風の話【ヤマニンゼファー】

このままずっと涼しいままなら過ごしやすいんだけどなーなんて思う紅月シオンです
今回はテイオー世代の同期、ヤマニンゼファーの解説になります



ヤマニンゼファーとは

モデルとなった競走馬、ヤマニンゼファーはケイエスミラクルやトウカイテイオーと近い世代です
そして恐らく、この魔境であっただろう時代の1993年にもしかしたらとんでもない記録を打ち立てていたかもしれない競走馬です

まず競走馬には様々な要因によって得意な距離が1000から1400までの短距離・1800迄のマイル・2200迄の中距離・2800迄の中長距離(ウマ娘では2400迄が中距離)・それ以上が長距離と変わります
そして距離が違えば走り方も変わります
故に競走馬は大体1つか2つくらいの距離を見据えて走ります

その中でヤマニンゼファーがなそうとしたのは短距離・マイル・中距離のG1勝利、3階級制覇を狙ってました
それがどれほど難しい挑戦なのかは先程書いた通りですがそれでももしかしたらと思わせる力がこの馬にはありました
今現在もこの記録を日本で打ち立てた競走馬はおらず、あの時が最も記録の樹立に近かった時なのかもしれません

ニシノフラワーやイクノディクタスを抑えマイルの安田記念を制し、ライスシャワーとナイスネイチャとの中距離の天皇賞・秋を制し、最後に立ちはだかったのが短距離の祭典スプリンターズステークス
1番人気こそ推されましたがここにいたのは短距離の最強、サクラバクシンオー
凄まじい末脚を見せたバクシンオーにゼファーは食らいつくも無念の2位に
それでもあと僅かに何かが違えば前人未到の記録になっていたかと思わせる力強いレースでした

ウマ娘のヤマニンゼファー

さてウマ娘のヤマニンゼファーですが見た目はふわふわした可愛らしい少女です
ですが口を開くと出てくる風にまつわる単語がとにかく多く、最初の内は真意を理解するのに時間がかかるでしょう
とはいえ風単語は自分の気持ちや誰かを表すときに使われるのでそれ以外では普通に話せますし、他の動物を労ったり他者を気遣うことの出来る優しい子です

しかしそのふわふわした性格がレースにおける闘争心が足りないと判断されてしまったのか、やはりトレーナーは付かず更には過去に怪我にも悩まされていたりと快調なスタートとは言えませんでした
そんな中でトレーナーと出会い、トレーニングを見てもらうことによりゼファーは少しずつ力をつけ、模擬レース後に無事契約をすることになりました

ゼファーの願いと憧れ、そして意識する帝王

そんなゼファーの願いは風になること
彼女は昔は体が弱く日がな1日、自然に囲まれた場所で鳥たちの声を聞く日々を送っていました
それは心地よい日々でもあったようですがその一方で自分の存在の小ささを知り、そこから抜け出すべく風になりたいと願っていました

しかし思った時点ではまだ漠然とした目標に過ぎず、その願いが形を持った存在となって現れたのはレース場であるウマ娘を見かけた時
野を馳せる風そのものの走りを見たゼファーは求める風はレース場にしかなく、その中でしか本当の風になることは出来ないと強く感じたのです

このウマ娘についてですが未だ実装されてないとはいえそれを予期させるものはあります
ゼファーが進むマイル路線で出会い、ウマ娘特有の「近い縁に運命的な何かを感じる」事、そしてテイオーの憧れが【皇帝】と呼ばれたように彼女にもそうした呼び名がある
そう、【マイルの皇帝】ニホンピロウイナーです
残念ながらセリフしかありませんが彼も確かにこの世界に来ていたのです

そしてゼファーが意識する最大の相手、それがトウカイテイオーです
テイオーはゼファーからすれば先輩であり、怪我に悩まされる、憧れの存在がいると共通点があり、ゼファーのシナリオにもけっこう絡んできます
ゼファーもテイオーと絡む機会も多くあるゼファーのシナリオはアニメ版のウマ娘2期をゼファーの側からみた話でもあります

またゼファーはマイペースな所が多く、よく言えば周囲に惑わされない、悪く言えば関心が薄いのですがテイオーには強く関心を抱いていたり、テイオーの【皇帝を超える】発言に刺激を受けたりと本人らの知らないところで互いに互いを高めあっていたりしていました

その風車が強く回ったのは夏合宿の時
テイオーが骨折により菊花賞を回避せざるを得ない状況に追い込まれ、それでもなお諦めずリハビリに務める姿を見てゼファーも自分の目標の為に、望んだ風になる為に夏の猛特訓を超えます

ですが正式に菊花賞を回避する会見の後、今度はゼファーがテイオーに宣言します
自分にとっての【皇帝超え】を
短距離を、マイルを、そして中距離を制し前人未到の3階級制覇を目指し、唯一無二の風にならんと

トレーナーはウマ娘は繋がることで変えていけると伝えてます
そしてそれはきっと真実なのでしょう
マイペースだったゼファーがテイオーと繋がることで巨大な壁に立ち向かえたように

烈風、吹き荒ぶ

ウマ娘は言葉で語るものだけでなく、その走りでも語ることが出来る
それを証明するようにゼファーはテイオーをスプリンターズステークスに呼び、走る姿を見せました
今度はゼファーがテイオーに立ち上がる理由を見せ、言外に諦めるなと叩きつけるように走り抜けたのです

そして次の目標、安田記念の数日前にテイオーはゼファーと約束をしました
両方の皇帝の忘れ物、天皇賞・秋で共に走ろうと
しかしそれはテイオーの骨折でそれは再び断念させられます
ほんとウマソウルというか運命の強制力さぁ……

ですがテイオーは菊花賞の時とは違いゼファーからの影響なのか、ゼファーが進むからこそテイオーも諦めず立ち向かい、ゼファーもまた何度でも約束をしようと言います
そしてその影響なのかどれほど高い壁であっても強いライバルであってもゼファーはその全てを乗り越えて信じる風にならんと励み続けました

安田記念でダイイチルビーやダイタクヘリオス、イクノディクタスと
スプリンターズステークスではサクラバクシンオーにニシノフラワーとそれぞれ競い合い、運命のスプリンターズステークスでは悲願の1着をもぎ取り、3階級制覇に王手をかけました

最後の天皇賞・秋に挑むメンバーは爆走エンジンツインターボ、鉄の女イクノディクタス、毎度おなじみナイスネイチャ、青薔薇ライスシャワー
彼女たちとの経験をゼファーに積ませるためにトレーナーも一肌脱ぎ、あちこちを駆け回って彼女達に並走相手を頼んでました

そして迎えた天皇賞・秋の日、ゼファーはかつての原風景を思い返していました
どこまでも自由な風が吹いた日、その風を体現したウマ娘のレースを見た日、風は何処までも自由なのだとトレーナーが教えてくれた日
その思いを背負ってゼファーは皇帝達と帝王の忘れ物を取りに行きます

マイラーには長い2000m、流石のゼファーも苦戦しますが最後にはトレーナーやファンの応援さえも飲み込んで一陣の烈風そのものへ
それを眺める皇帝達も驚きと賞賛とともに今、こちらでは叶わなかった奇跡が
ゼファーの3階級制覇がここに果たされました

そしてそれを眺めていたのはリハビリ中のテイオー
先に皇帝越えを果たしたゼファーに悔しがりながらも既に次の目標、有馬記念をめざしていました
ゼファーの目標はここで終わりますが、残った時間から有馬記念に挑むこともできます
そしてトウカイテイオーと走れるのはこの1回
奇跡の復活を傍で見るのか、それともテイオーさえ飲み込みまさかの4階級制覇に挑むのか
それはトレーナーさん次第になります

終わりに

91年から93年までの期間は中長距離はテイオーやネイチャ、短距離やマイル路線はゼファーやルビーとどこ行っても逃げ場なくね?と思うくらい濃厚なレースが繰り広げられていました
その中でゼファーの記録がいかに凄まじいものだったのか伝えられたのなら幸いです

それでは今回はここまで、またお会いしましょう

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