くれさん

アクティブな引きこもりの備忘録。

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最近の記事

執念のレモンパイ

母のレモンパイの話 といっても、「うちの母はレモンパイが得意で…」とかいう話ではない。 物心ついたときには母は私に散々言っていた。 「銀座のケテルのレモンメレンゲパイが食べたい」と。 銀座のケテルとは、母が大学時代に通った店で、いまは跡形もないそうだ。 こっちにしてみれば、「なんでこの人はショートケーキをつつきながらそんなことを言うのか」って思ったし、毎回毎回ケーキとかの生菓子を食べるたびに言うものだから私も気になってはいた。 大学生になって大阪や神戸に遊びにいく機会

    • 寂寥

      うちの家族はとにかくよく書く家系で リビングには大量の紙とペンがそこかしこにおいてあった。 一番それを使っていたのは文学者である曾祖父だった。 曾祖父はふっと思いついたイメージをとりとめなく書きあさり、 チラシの裏紙に詩を書いた。 満足に削られて居ない鉛筆で走り書いたそれが本になるので、お弟子さんたちが悲鳴を上げていたのを覚えている。 曽祖父の作品は大体がチラシの裏紙だ。 丁寧に書いた原稿用紙なんてほぼみたことがない気がする。 とにかく書けといわれていた。 そして疑問はすぐ

      • ロサンゼルス空港で別室送りにされた話

        コロナ前に書いた「ノリと勢いで地球の裏側にいった備忘録」をやっとnoteにアップした。すごく中途半端だけど。 旅行の最中の衝撃的な出来事は多々あれど、それは私の旅のお土産であり、皆さんが現地に行って体験してほしい…とかカッコいい事を言って詳細を書かなかったんだけど(詳細書く前に力尽きた)、これだけは書いておきたい…と思ったエピソードが一つあった。 そう、帰り道のトランジットでロサンゼルスの空港に着いたときの話だ。 私は入国審査に引っかかり、所謂「別室送り」になってしまった。

        • ノリと勢いで地球の裏側までいった備忘録②(準備編)

          年末の旅行をすでに初夏の時点で全部予約も終えてしまっていたので気持ちはめちゃくちゃ緩々だったのと、国内旅行であろうが海外旅行であろうがいつも前日にパッキングが基本の私は完璧に年末の準備なんて忘れていた。(あと仕事がヤバいくらい忙しかった) ①黄熱病の予防接種 秋のあたりにESTAの申請はして、「そういや準備してますー?」とか「黄熱病の注射ってしますー?」とか言い出したのが10月あたりだったとおもう。 その時点で「黄熱病の注射は指定の病院でしないといけないし、予約が必須だ

        執念のレモンパイ

          ノリと勢いで地球の裏側までいった備忘録①(手配編)

          「フットワークの軽い引きこもり」というのが座右の銘みたいになってる私なのですが、まあ会社では海外出張行ったり、プライベートではダイビングいったりスノボ行ったりと一見するとめちゃくちゃなアクティブな人なんだなって誤解されることが間違いない。 で、また私も適当に答えるので自分の答えに責任をもっていなくて、それがそもそもの発端。 2019年3月ごろにいきなり仕事で知り合ったRさんからLINE。 『今年の年末って、日の並びがめっちゃいいんですよ。で、前に飲んだ時にウユニ塩湖に行

          ノリと勢いで地球の裏側までいった備忘録①(手配編)