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数学と文学


ダーヴィッツの絵です


 数学のテクストを開いていると、関数の章で「写像」という言葉が登場する。また、集合では、ド・モルガンの法則も出てくるし、様々な公式が現れる。

 そのような理論を、様々な参考書を開いて四苦八苦していると、頭の中で言葉と言葉が絡み合ってしまうのであるが、はっ!と理解できたとき、数式は言葉を圧縮したものだと気がついた。

 偶然見つけた「詩のようなもの」や、その詩片とでも言うべき切れ端に難渋しているとき、関数や集合の定義に、当てはめて考えてみると、散らばっていた「詩たち」が、集合や補集合、更には和集合や積集合として読み取ることもできる。

  逆写像

 これは、文学的に見れば、同じであるはずの言葉が脱皮して戻って来る、と私なりに解釈できた。

 文学のために生きている、と思っていた青年であったが、学問は遍く手をつないでいるのだと瞑目させられた。

 しかし、バラバラである言葉も、なんとも魅力的なのである。ジクソーパズルをやり終えたあとの達成感、そして、その後に訪れる無関心さ。
 ジクソーパズルを解体したい、と思うのもまた事実なのである。

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