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ミラン・クンデラ

ミラン・クンデラが死んだという。94歳だったとのこと。いずれはノーベル賞かと思っていたが、その報の無いまま記憶の片隅にしまわれていた。


さて、と海外文学エリアの書棚を見たが見当たらないので、もしや売ったか、と思ったが、そんなはずは無いとホコリのかぶった脚立を出してクローゼットの奥を照らすと、懐かしい帯が見えた。


ベストセラーになった『存在の耐えられない軽さ』である。奥付を見ると、私のメモ書きが挟まっていた。「平成六年五月十二日 買」、1994年なので19歳の春である。当時、フランツ・カフカが好きで、その流れで安部公房やエリアス・カネッテイを読んでいたのだが、同じ東欧出身ということで興味を抱いたのだった。あの頃の思いがよみがえる。


もう一度、彼らに向き合って見ようかな、そう思わせられる一報であった。

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