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ボードゲーム探究「医学的観点1〜うつ病とボードゲーム〜」

もう春ですね。Hideです。
皆さんは憂うつだなぁ、何もせず引きこもりたいなぁと思う事はありませんか?(私はしょっちゅうですが)
これが酷くなると、お医者さんから「うつ病」の診断を受けることになります。そして「抗うつ剤」という薬を処方されます。
ここで疑問に思う人もいると思います。果たして薬でやる気が戻るのか?

1.抗うつ剤の効果

抗うつ剤とはセロトニンの安定を助ける作用がある薬で、脳内の神経伝達系に作用します。
結論からいえば、抗うつ剤でやる気は上がると言えます。
ただし、薬だけでは駄目なのです。お医者さんでは、生活習慣を正す努力を求められるはずです。セロトニンの不足は、タチの悪いことに良質な睡眠を妨げるのです。
朝日を浴びることはセロトニンにとって重要です。また、セロトニンは体内で貯蔵できないため、食事から摂取する必要があるのです。バナナや納豆が良いようです。

抗うつ剤でやる気は上がるが、薬だけでは不十分である。

2.やる気が上がる状態とは?

抗うつ剤はとても有効な手段ではあるが、それだけでは足りないということが分かってきました。
では、どのような状態が「やる気が上がる状態」なのかを理解し、その状態に向かうために何が不足しているのかを考えたいと思います。

やる気を上げるためには、まず「アドレナリン」が必要です。交感神経が興奮した状態で分泌されるホルモンとして有名ですよね。
そしてもう一つ。「セロトニン」が必要と言われています。しあわせホルモンと呼ばれる事もあるのでご存知の方もいらっしゃるかと思います。これが感情や精神、睡眠、ストレスと大きく関わってきます。
ストレスや疲労状態では、セロトニンの分泌が制限されるがために、うつ状態に陥りやすくなってしまいます。
逆にセロトニンの分泌を安定させるには、食事や朝の太陽光を浴びるなどの方法が一般的です。
そして「グルーミング」という方法もあります。子猫を親猫が舌でぺろぺろと舐めてあげる、あれです。グルーミングにより、セロトニンの分泌が安定し、子猫に安心感や安らぎを与える効果があるようなのです。
これは人間でも同じです。家族や恋人、友人と"ふれ合う"ことでセロトニンの分泌を安定させることができると言われています。
(分泌を安定させるとか若干曖昧な言い回しをしているのは、専門的な解説をここで割愛しているためです。ご容赦を)

体内に「アドレナリン」と「セロトニン」が揃うとやる気が上がる。

3.やる気が上がる行動がある

体内に、アドレナリンとセロトニンが揃う状態が、やる気が上がる状態であるとします。
では、抗うつ剤に合わせて必要なものはなんなのかを考えてみましょう。

さて、ここはボードゲーム探究のページです。なんならここからが本論です。
私はボードゲームをプレイする時、眠気や多少の体調の悪さを凌駕する不思議な感覚を覚えることがあります。ここに「ボードゲームが私たちの日常生活を豊かにする」可能性を感じています。
今からはそれを、少し紐解いていきます。

まず、アドレナリンは興奮状態で分泌されます。闘争状態といっても良いでしょう。ボードゲームには、基本的に勝敗がつきものです。「競争」や「探検」といった要素もあります。
ワクワクしたり、負けん気がアドレナリンの分泌を促します。

セロトニンを安定させるにはグルーミングも有効でした。
ボードゲームは、基本的に一人ではできませんし、電話やLINEでもできません。空間を同じにする必要があります。
また、ゲームのルールは現実世界のルール(及び暗黙のルール)を凌駕します。どんな権力者とでも、ジャンケンではグーがチョキに勝つのです。権力者もそれには文句を言いません。ここに対等な関係が生まれます。
対等な対話はとでも重要ですが、とても貴重です。
安全な場で顔合わせ、会話し、時に触れ合う。その行為がセロトニンを安定させるとは思いませんか。

ボードゲームを囲むという事は、対等な関係での会話や触れ合いを促し、勝ち負けに一喜一憂するということ。結果的にアドレナリンとセロトニンの分泌を助け、やる気を上げる。

4.過去と現在のこころの在り方

朝起きて太陽の光を浴びて、朝ごはんに納豆を食べる。友達とメンコやけん玉、おままごとをして、おやつにはバナナ。昔はそんな生活が心を守っていたのかもしれません。
だけど「最近の若者は」という言葉は好きじゃないです。
例えば、コミュニティの希薄化は、そんなに深刻だと思っていません。若者のせいじゃないですし。
現代のコミュニティはソーシャルネットワークにも存在します。インターネットの発達により、一部の大人や有識者しか知らない事は少なくなりました。Twitterやfacebookが最新の情報を運んでくれます。
しかし、それと引き換えに、ご近所の範囲を興味の外に置いてしまいました。だから井戸端会議や、お寺の役割が必要とされなくなったのです。
未来は若者が創る。豊かさの価値観も過去のそれとは違うと。そこに課題を投げかけ、昔に引き戻そうとするのは滑稽だと思いませんか?

日常生活の変化は、ハード面での豊かさを手に入れたが、ソフト面での豊かさを置き去りにしてしまっているのではないだろうか…

5.ボードゲームは日常生活を豊かにするのか?

日常生活の変化は、心の豊かさを置き去りにしてしまったと不安に思うのは、私だけではないはずです。
平成も終わりを迎えようとしています。これからは新しい価値観で豊かさを創造する時代なんじゃないかと思っています。
私は「ボードゲームは日常生活を豊かにするのか?」という問いのなかに、一つの答えを見つけたいなぁと思っています。

さて、随分長くなりました。私のいう探究とはこういうことも根底にあるという事を残しておかなくてはいけないかなぁと思い書き綴りました。ここまで読んでいただいたのなら感謝します。

知識と遊びの両者を身につけていくことは
人間の本質である

ヨハン・ホイジンガ[ホモ・ルーデンス(1938)]より


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