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地域包括診療加算・診療料──対象疾患が追加〈2022診療報酬改定〉

地域包括診療加算(A001再診料の注12)と B001-2-9 地域包括診療料 。24時間体制などの施設基準が必要な、「頑張っている」診療所対象の点数ですね。

2022年度診療報酬改定で、対象疾患追加と算定要件の見直しがありました。

2022年4月以降の対象疾患

  • 脂質異常症

  • 高血圧症

  • 糖尿病

  • 慢性心不全

  • 慢性腎臓病(慢性維持透析を行っていないものに限る)

  • 認知症

のうち2以上の疾患を有する患者であれば対象です。太字の2疾患が追加になりました。

2022年4月以降の算定要件

算定要件でも、大きく2つの面で変更がありました。

変更点1 専門職へのタスクシフト

算定要件の一つに、

適切な研修を修了した医師を、担当医に決める。担当医が指導・診療したら、当該診療料を算定する。

といった内容がありました。

今回の改定で、ここに

生活面の指導については、必要に応じて、当該医師の指示を受けた看護師や管理栄養士、薬剤師が行っても差し支えない。

と、明記されました。

変更点2 予防接種の相談にのること

改定によって、算定要件に

  • 予防接種の実施状況を把握して、予防接種にかかる相談に対応

が、追加されました。

それにともなって、院内掲示の内容にも、「予防接種の相談にのれますよ」を追加することが求められます。

今回はかかりつけ医機能の再確認に重点が置かれた

そもそも、地域包括診療加算・地域包括診療料は、乱暴にいうと、

厚労省が「何とかしたい~」と思っている対象疾患を複数有する患者に、

「かかりつけ医が細やかで手厚い継続的管理をしてくれるなら、点数をいっぱいつけてしんぜよう!」

という性格のものです。(とても乱暴です。)

細やか・手厚い、継続的な管理として、これまでの要件もあわせると、

  • 計画的な医学管理のもとに、療養上必要な指導・診療

  • 患者が受診している医療機関と処方薬をすべて把握・管理

  • 地域包括診療加算・料を算定する患者は原則として院内処方(24時間対応で、薬歴を一元的・継続的に把握し、指導できる薬局と連携していれば院外処方でも可)

  • 時間外の問い合わせに対応

  • 健康診断・検診の助言

  • 予防接種の状況を把握し、相談にのる

  • 必要時は主治医意見書を作成

  • 患者の同意

  • 施設基準として24時間連絡・往診可能(地域包括診療加算・料の2は24時間往診は求めない)、24時間対応の薬局と連携、健康相談をしていることを院内掲示

……と、やるべきことがたくさん規定されています。

今回も、大きくはこれまでの流れにのって、時勢にあわせて要件が少し見直された形だとみることができます。

同じくかかりつけ医機能に対する点数だといえる、機能強化加算でも、「かかりつけ医機能って何を指すか?」が要件にのってきた改定でした。


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