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ニックス考察

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記事一覧

ロードカナロアのニックス一覧(2024)

ロードカナロア×母の父アグネスタキオン(牡駒限定)  ロードカナロアの2代母の父・コーモラントと、アグネスタキオンの祖母・アグネスレディーのヨーロッパ血統(テューダーミンストレル、テネラニなど)を脈絡させる構成。重厚な底力を強化します。  そことは別に、ロイヤルスキーを経由してボールドルーラーのクロスも発生。その影響でスピードの質はワンペースになりやすいかもしれません。勝ち馬率が高く、堅実なニックスです。   ロードカナロア×コジーン(牡牝共通)  ロードカナロアがもつ

モーリスのニックス一覧(2024)

モーリス×母の父キングカメハメハ(牡駒限定)  「サドラーズウェルズ≒ヌレイエフ」の近親クロスが発生。体幹を引き締めます。ただしキングカメハメハ自身に柔軟性があるため、パワー一辺倒ではなく総合力を強化することができます。オールラウンダー型の配合ですね。勝ち馬率が優秀です。  一方で牝駒はというと、18頭いて勝ち馬は2頭いるのみ。まったく結果がでていません。   モーリス×ザミンストレル(牡牝共通)  モーリス内のノーザンテーストに対して、ザミンストレルが「ノーザンダンサ

ドゥラメンテのニックス一覧(2024)

ドゥラメンテ×ゴーンウェスト(牡牝共通)  欧州血脈がベースのドゥラメンテに、アメリカ血統を補う仕組みです。ただしこのニックスの本当の価値は別のところにあります。それはゴーンウェストの3代母・ミクストマリッジの存在です。ミクストマリッジは米血型のゴーンウェストの血統内にあって、希少とも言える欧州血脈。それだけではなく、ドゥラメンテがもつセヴァーンブリッジ(トニービンの母)と主成分が近く、同調しあう性質があるのです。牡馬牝馬、芝ダート問わず多くの大物を送りだしています。  

ニックス考察:モーリス×マルゼンスキー(牡駒限定)

 すごくざっくりとしたまとめ方をするなら、「ダイナアクトレス≒マルゼンスキー」のニアリークロスと言っていいでしょう。ノーザンダンサー、トムフール、ウォーアドミラル、ラトロワンヌなどが脈絡。スピードを引き出す効果が見込めます。ダイナアクトレスに秘められたスピードは、モーリスにとって貴重な能力源。ここを刺激することの恩恵は大きいです。    マルゼンスキーはパワーを兼備した血統。軽さや柔らかさではなく、カチッと引き締まったパワースピードを増幅するイメージでしょう。  24年2

ニックス考察:リオンディーズ×マンハッタンカフェ(牡牝共通)

※24年4月更新  該当する13頭中6頭が勝ち馬。テーオーロイヤル(重賞2勝)、ディオ(東風S)、リプレーザ(兵庫CS)など、勝ち上がった馬はみな2勝以上を挙げています。頭数が少ないので、あくまでも仮説になりますが、この組み合わせが成功するのは二つの理由があると考えられます。  ひとつはマンハッタンカフェが突進型の血であること。マンカフェはボールドルーラーのスピードと、ホイストザフラッグのパワーが主体。突進力を強く伝えるタイプです。リオンディーズの「ヌレイエフ≒サドラーズ

ニックス考察:キズナ×ロモンド(牡牝共通)

※24年4月更新  この組み合わせのポイントは、キズナの母の父・ストームキャットに対して、ロモンドの構成要素が脈絡することにあります。両者のあいだで「ノーザンダンサー、ナスルーラ、プリンスキロ」が繋がり、スピードを引き出します。    24年4月現在、該当馬は6頭しかいません。しかしそのうちの5頭が勝ち馬。ジャスティンミラノ(皐月賞)、ファインルージュ(2度のGⅠ2着)、ライトバック(エルフィンS)がでています。  特注ニックスとして覚えておきたいのは、『イクシードアン

ニックス考察:キズナ×インリアリティ(牡牝共通)

 ディープインパクトの後継種牡馬であるキズナ。この種牡馬の良いところは、父・ディープのニックスが、そのままキズナにも当てはまりやすいことにあります。程度の差はあるものの、ディープとの組み合わせで実績を残した血(ニックス)が、キズナとも上手くフィットすることが多いのです。  もっとも代表的なのはインリアリティでしょう。この血をもつディープ産駒からは、コントレイルやグランアレグリアなど、多くの大物が出ています。その相性の良さをキズナも引き継いだかたちです。  インリアリティは

ニックス考察:エピファネイア×フレンチデピュティ(牡牝共通)

 エピファネイアの配合において、父の母であるティーケイ(※シンボリクリスエスの母)の増幅は、有効な手段のひとつと考えられます。ティーケイ内の「ボールドルーラー、プリンスキロ、エイトサーティー」の血を刺激して、パワースピードを引き出すことが目的です。  これまで大きな実績を残していたのは、ストームキャットとフジキセキの組み合わせ。前者からはサークルオブライフとダノンデサイルが、後者からはセルバーグがでています。 ※以下の記事もあわせてお読みください  おなじ仕組みを利用し

キタサンブラックのニックス一覧(2024)

キタサンブラック×グリーンダンサー(牡牝共通)  該当馬22頭中17頭が、キングカメハメハを経由してグリーンダンサーを補給しています。桜花賞2着のコナコーストなどをだしており、効果も実証済み。お手軽ニックスとして覚えておきましょう。それ以外の補給パターンからも、GⅠ馬のソールオリエンスや、現3勝のブラックブロッサムがでています。キンカメにかぎらず注目しておきたいです。   キタサンブラック×ドクターフェイガー(牡牝共通)  勝ち馬率が優秀です。牡牝共通のニックスですが、

キズナのニックス一覧(2024)

キズナ×インリアリティ(牡牝共通)  ディープインパクトの後継種牡馬であるキズナ。この種牡馬の良いところは、父・ディープのニックスが、そのままキズナにも当てはまりやすいことにあります。程度の差はあるものの、ディープとの組み合わせで実績を残した血(ニックス)が、キズナとも上手くフィットすることが多いのです。  もっとも代表的なのはインリアリティでしょう。この血をもつディープ産駒からは、コントレイルやグランアレグリアなど、多くの大物が出ています。その相性の良さをキズナも引き継い

オルフェーヴルのニックス一覧(2024)

オルフェーヴル×ゴーンウェスト(牡牝共通)  オルフェーヴルは欧州のパワーとスタミナ血統が中心の種牡馬。自身に希薄なアメリカのスピード血統を補うことで、大きな恩恵をもたらします。ゴーンウェストはその代表格です。  牡馬はジャスティンを筆頭に、9頭中6頭が勝ち馬。オルフェらしからぬ(?)安定感があります。牝馬はクリノプレミアム、シャインガーネット、メロディーレーンの3頭がオープン入り。大物輩出率は牡馬を上回ります。芝・ダート兼用のニックスです。   オルフェーヴル×シアトル

エピファネイアのニックス一覧(2024)

エピファネイア×キングカメハメハ(牝駒限定)  「サドラーズウェルズ≒ヌレイエフ」、「マルゼンスキー≒ラストタイクーン」、「トリアルゴ≒セックスアピール」などのクロスが発生。エピファネイアの主要な血を満遍なく刺激します。現在の狙い目は「母の父キンカメ以外のキンカメもち」。阪神JF2着のステレンボッシュを筆頭に、7頭中6頭が勝ち馬になっています。   エピファネイア×サンデーサイレンスのクロス+Danzig(牝駒限定)  エピファネイアはしなやかさが強いタイプ。またサンデ

ニックス考察:エピファネイア×母の父ゼンノロブロイ(牡牝共通)

 エピファネイアはしなやかな体質が持ち味の種牡馬です。ただしこの特徴には切れ味という良い面だけではなく、非力さという良くない面も含まれています。これを純粋に切れ味として活用するためには、パワーをしっかりと補強して、非力さを解消させることが重要です。  今回紹介するゼンノロブロイは、その役目に適任の存在といえます。エピファネイアに組み合わせると「トリアルゴ≒アイパス」というニアリークロスが発生(トムフール、ウォーアドミラル、ラトロワンヌ、エイトサーティー、アリバイ、ロイヤルチ

ニックス考察:シルバーステート×ブラッシンググルーム(牡牝共通)

 24年1月現在、このパターンの勝ち馬率は40.5%(15/37頭)。シルバーステート産駒全体が29.4%であることを考えると、なかなか優れた成績といえます。  シルバーステートはシルヴァーホークやニニスキの影響を受けた種牡馬。パワーによる突進力を強みとします。この個性を活かすために重要になるのが“競馬センス”の有無。良くも悪くも一本気な資質だけに、立ち回りの上手さがあるかどうかで、レース中に使える引き出しの数が変わってきます。  ブラッシンググルームはさまざま条件に対す