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初春の三浦半島 シーサイドラインと京急線

シーサイドラインは横浜市磯子区の新杉田駅と金沢区の金沢八景駅を結ぶ10.8km、全14駅の新交通システム。新杉田駅ではJR根岸線、金沢八景駅では京急線と接続している。記憶が定かではないけど八景島シーパラダイスには行ったことがあるので、一部区間は乗ったことがあるはず。

路線図。

シーサイドラインを運行する株式会社横浜シーサイドラインは横浜市が63%の株式を保有する第三セクターで、京急、西武、横浜銀行などが資本参加している。1日平均5.3万人が利用、鉄道事業収益は約38.5億円、営業利益が2.6億円と黒字経営。

シーサイドラインが走る横浜市南部は戦後経済成長で横浜の沿岸部はどんどん埋め立てが進み、自然の海岸沿いの漁村だった本牧、根岸、磯子、杉田、金沢などどんどん南へ開発が進んでいった。1970年代には金沢区の沿岸部も埋め立てが進み、住宅、工場、大型公共施設が建設が進んでいき、公共交通の整備が計画されそれがシーサイドラインとなる。1980年台に建設がすすめられ1989年平成元年に開業、2019年に金沢八景駅前の再開発が完了し京急線の金沢八景駅目の前まで150m延伸され現在の形になった。

1960年代(左)と現代(右)の対比。いまシーサイドラインが通っている部分はほぼすべて埋立地ということがわかる。八景島すら自然が失われる代わりに作られた人口の島。
国土地理院より

新杉田駅を出ると湾岸道路と首都高湾岸線に並走、進行方向右手にはかつての海岸線を形成していた丘陵地の端が見える。沿線はほとんどが工業や流通などで、三井アウトレットパークやコストコ、イオンなど大型仰々し設の他、並木中央駅付近の右手はニュータウンが開発されている。八景島駅からは八景島シーパラダイスがあり、レジャーで利用したことがある人もいると思われる。金沢八景駅方面は、唯一近世から変わらない海岸線を残したエリアで、昔からの漁村の面影が残る公園や街並みが広がっている。

新杉田駅。2019年に信号システムの不具合で逆走して車止めに激突する事故が発生している。
首都高湾岸線が左手に見える。
加藤製作所工場跡地に野村不動産とIHIが手掛ける物流拠点が整備される。駅から近く、雇用確保の優位性などをアピール。
並木中央駅から分岐してシーサイドラインの本社と車両基地がある。
幸浦駅から東に進路をとる
対岸の君津、富津が綺麗に見える。
国道357号湾岸道路が八景島経由で横須賀方面に延伸する計画がある。
八景島。島自体がレジャーのシーパラダイス。
金沢八景は入り江になっていて、中国山水画の様式八景になぞらえ江戸時代に8つの景勝地を選んだことにちなむ。
東京湾で数少ない江戸時代から変わらない海岸線が残る。
金沢八景駅前の広場の上にシーサイドラインの駅。京急バスと神奈中バスがちょうど見える。
金沢八景駅。特急と各駅停車、逗子・葉山駅方面と三崎口方面がそれぞれ接続するようになっている。

金沢八景駅から乗るのは京急線。京急は京浜急行電鉄ということで名前の通り東京と横浜を結び、今では東京、川崎、横浜から三浦半島一帯に路線を持つ。横浜から南の区間は、湘南電気鉄道という別の鉄道会社によって開発されていて、名前の通り鎌倉、逗子への計画の他、横須賀、浦賀、久里浜方面の路線を開発。戦中に合併され、京急線として統合された。

東京近郊私鉄では唯一普通車でオールクロスシートの2100系。かつてはSIEMENSのドレミファインバーターを搭載していた名物車両でした。

金沢八景駅は横浜市東京湾側で一番南の金沢区の中心駅(金沢区役所は隣の金沢文庫駅の方が少し近い)。金沢八景駅付近の六浦地区は港町のイメージ横浜ができる遥か前の最も古くからある港町の1つで、中世は北条氏の分家が治める東京湾随一の港として栄えた町。

金沢八景駅は快特まで停車する京急を代表する主要駅で、この駅からは本線と逗子線が分岐する。隣の金沢文庫駅との間には車両基地もある。金沢八景駅から本線を行くと横須賀市へ入り、堀之内駅から浦賀駅へ至るのが本線。堀之内駅から京急久里浜、三崎口方面へ行くのが久里浜線ではあるものの、基本的に快特や特急は三崎口駅方面に直通するので実態は浦賀駅方面が支線扱い。

JR〇〇駅以外で日本で初めてローマ字から始まる駅名として野比駅から改名。YRPとは横須賀リサーチパークの略省でNTTの研究所をはじめ情報通信、製造業などの研究施設が集積している。ただ駅から一番近いところで2km。
マグロと三崎口
都営浅草線を経由して京成線、北総線に直通する京急線。左側は京成線の青砥駅行。都営浅草線は開業時から京急線と直通するために1435㎜の標準軌で開業、1960年に京成線も1435㎜に改軌し3社直通が始まった。

京急久里浜から先は戦後に延伸された区間。ここから先は私も乗ったことがない区間になる。元々は三浦半島をの先端で三浦市中心都市の三崎まで延伸する計画もあったものの、計画は完全凍結され三崎口駅が終点でバスが連絡している。品川まで65.7km、ラッシュ時は1時間半と結構距離があり、有料ライナーも運行されている。

三浦海岸駅前は河津桜が植えられていて2月~3月にかけて週末はイベントなども開催されていた。
三浦海岸駅と三崎口駅の間の三浦海岸駅よりは1kmに渡って1000本の桜並木が連なる。この日も車内アナウンスで徐行もしてくれた。
三浦半島の高台に線路が通っている。丘陵地帯が広がりキャベツが名産。

三浦半島のレジャー開発で海水浴などのマリンレジャー需要が大きくて、私も学生時代は友達と釣りに行くのにちょくちょく利用していた。京急と言えば三崎口からバスで連絡する水族館油壷マリンパークがあったのだけど老朽化で2021年に閉鎖されてしまった。最近は三崎口でバスに連絡してマグロの水揚げ港である三崎への往復とマグロ料理を食べられるチケットが付いた「みさきまぐろきっぷ」は結構人気らしい。

みさきまぐろきっぷの暖簾
こんなところは三浦半島にありません。これは沖縄宮古島の池間大橋ですね。


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