見出し画像

スーパーカブ50で東京から能登半島まで行ったので記録(2023年夏)

お盆休み後半は特に台風の影響もあり全体的に天気が悪くなることが予想され、冬は無理な北方面だけ決めてどこに行こうか直前まで決めてませんでした。JR全線制覇して新たな挑戦で日本全国のあらゆる路線に乗るため、天気予報が一番よかった富山を目指すことに。

暑いのはある程度走ってさえいれば耐えられるものの、日差し対策として長袖長ズボンで乗り切りましたが、素手だった手の甲だけ真っ黒になりました。

総論としてカブで中央山地を越えるのはバカのすることです。

1日目 東京~上越

日本海側を目指す場合、どんなルート取りをしても難所の峠を越えなくてはならず、なるべく距離が短くまだ走ったことがない国道17号上越国境三国峠を選択しました。スーパーカブの場合、高速は論外だし、高規格のバイパスがあっても本領を発揮できないのでなるべく距離優先でルート取りをします。早起きできず朝8時過ぎに出て、22時に宿泊地につきました。結果として全行程約280km。

山が見えずひたすら平地なのが埼玉。

真夏の関東平野ど真ん中を通るルート。正直舐めてました。流れに乗って上武道路を飛ばして前橋手前あたりのこと。突然交差点でエンストしました。いろいろ調べるとオーバーヒートの初期症状が出ました。世界一信頼性が高いエンジンとはいえ、外気温35℃を超えて回し続けると空冷が追いつかないんですね。日陰で20分ほど休憩し何とか復活。旅行中止もよぎりましたが、速度は抑えめで、休みながら続行することにしました。幸い山間部は夕方に差し掛かり気温も下がって大丈夫でした。昨年末年始はもっと過酷な走り方してたけど、やっぱり外気温の違いは大きい。結果として4日間普通に走り切りましたし、やはりカブはすごい・・・(真似しないでください)。

想定より遅くなりましたが上越国境越え。このルートは東京方面から苗場へ行くには通ることになります。
駅で言うと飯山線の越後田沢駅(十日町市)あたり。夕日と稲穂がいい。

コロナが過去のものとなった最初のお盆休みを舐めてました。上越のネットカフェは満席でオープン席しか空いていない状況。なんでもいいからと付近のホテルに電話して確保しました。受付終了していたけど受け入れてくれて、ハイシーズンなのに素泊まり定価の6600円と、命拾いしました。新潟と富山の県境方面は大きな町が無くネットカフェなど限られているので上越市に集中してしまう。新潟市と富山市の距離は約250kmと、陸上で隣接する都道府県で最長の距離。

2日目 上越~富山

この日のメインはカブというよりは富山地方鉄道の制覇。まずは国道8号線を西へ。糸魚川では前から見たかったフォッサマグナパークへ。ここへ向かう遊歩道の入り口で野生の熊に遭遇し恐れ慄いて(熊さんサイドからしても驚いて逃げてったのだけど)施設管理者に電話すると成獣ですか?と聞かれてもこちらは野生の熊を見たことがないので・・・意外と普通の反応。とりあえず観光だけはしたいのでスマホで爆音でラジオ流しながら観光してました。最終日同じところを通ったところ熊注意の看板が設置されてました。

フォッサマグナというのは本州中央部にある地溝で、その西端が糸魚川静岡構造線として地質の境目となっている。その糸魚川静岡構造線が露出している場所がここ。おおよそ文化的に東西日本の境目に当たるのが糸魚川静岡構造線となる。
糸魚川を代表する巨大工場がデンカ青海工場。石灰石鉱山と豊富な水源を活用した水力発電を利用し、1921年工場が設置され、肥料・農薬となる石灰窒素、金属溶断・溶接に必須のアセチレンガスの原料となるカーバイドの日本最大の供給地。セメントとしても東日本最大規模の工場。三井グループを代表する企業。
青海駅付近。土地が無さ過ぎて海上にバイパスを通している。デンカの工場に出入りする大型車対応のらせん状の跨線橋の上から。

その後は交通の難所と言われた親不知海岸を通り、昼前には黒部についてスーパーで昼飯を調達し電車旅に切り替える。夜にまた黒部に戻ってきてそれから富山市内へ移動。富山市内はさすがに混んでるとはいえネカフェのフラット席が空いてました。

親不知海岸。
北陸本線の旧線トンネル。外は高湿高温なのでトンネル内の気温差で霧立ち込めている。1912年に北陸本線として開業、1965年に新線に移り役目を終えている。入り口で弱弱しい懐中電灯が貸し出されている。土木遺産認定。
新潟県糸魚川市と富山県朝日町。駅で言うと市振駅と越中宮崎駅の間に県境があり、朝日町の中心駅は泊駅。今はあいの風とやま鉄道とえちごトキめき鉄道は実質泊駅で乗り継ぐことになる。

3日目 富山~七尾~魚津

この日は高岡の万葉線とのと鉄道に乗ることに注力。富山市内から富山新港方面へ。さらに万葉線を1往復して全制覇。

富山新港
越ノ潟と掘岡を結ぶ越ノ潟フェリー。富山新港の開港で分断された射水線の代替となる県営の渡船で原付もなんと無料。
5分くらいでです。
新湊内川。どんな景色にもあうカブ。
万葉線の路面電車と共演。

そこから氷見を経由して能登半島の七尾へ。七尾から穴水まではのと鉄道。

氷見へ抜ける途中の雨晴海岸。
石川県はカレー県ということで、七尾市内でチャンピオンカレー。東京では金沢カレーということでゴーゴーカレーが有名だけど、元祖はチャンピオンカレー(七尾はフランチャイズですが)。

のと鉄道の完乗後に富山から魚津へ。魚津には快活クラブがあるので、ここから東京方面は上越(直江津)か長野市内まで行かないとネカフェは無い。台風が迫っているので翌日東京まで帰りたかったので深夜距離を稼ぐことも考えたけど、明らか夜に山越えは危険として早朝出発にしました。ちなみに富山から岐阜経由も考えたけど、それはそれでまともな町が高山まで無いから夜は厳しい。あとは太平洋側の方が天気悪そうだったので。

富山駅北側の富岩運河環水公園。美術館や図書館、体育館など富山県の施設がある広い公園。世界一綺麗とまで言われたスタバ(写真左の黒く見える建物)。富山の外港だった岩瀬浜と富山市中心部を結ぶ運河跡を活用している。

4日目 魚津~東京

この日が最高にぶっ飛んだ行程でした。朝4時に魚津を出て、休憩をはさみつつ東京に着いたのが17時半。距離にして380kmを50㏄のカブで、しかも299号ルートを行くのは常人の考えることではないと思います。

朝焼けの親不知海岸、国道8号線から。
片側相互通行で5分ほど足止め。
北陸自動車道、国道8号線、えちごトキめき鉄道が並ぶ。
左に見えるのは国道8号線の旧道。

糸魚川からは白馬方面に抜ける酷道148号線。大町・松本から糸魚川を抜けるルートは大糸線と並走していながら絶望的な過疎エリア。

白馬から白馬連邦がとても綺麗。長野オリンピックの会場にもなっている日本最大級のスキーの聖地。
道の駅とファミマと村の施設が一体化してるところなんてあるんだね。
無心で走ってきて上田。千曲川にかかる北陸新幹線ハープ橋。この辺りで一度雨に降られる。

結果として山越え全行程を明るい時間に突破できたの良いですが、299号は長野と埼玉を直線で結ぶ重要な道ながら、佐久穂から秩父の間は全舗装されてはいるものの途中すれ違い困難な峠道が連発する酷道の代表例として挙げられる国道。しかも一部通行止めで、迂回路として林道矢弓沢線を通ります。

予想はしていたけれども途中から雨で、十石峠あたりは小雨程度だったけれども、一番きつかったのは雨も強くなった群馬県上野村付近から秩父を越えて飯能までのところです。秩父から飯能の間は流石に道路はちゃんと整備されているけど、交通量も多くオレンジ線でも無理やり追い越されるし。それに比べるとほぼ他の車両に出会わなかった十石峠や志賀坂峠の方が急坂で15km/hくらいしか出ないけど気楽でいい。

国道299号は飯能と茅野を結ぶ酷道。特に十石峠と志賀坂峠が付近が酷道と言われている。茅野側は蓼科高原のメインルートなのでちゃんと整備されている。
299号十石峠。
十石峠制覇。長野県佐久穂町と群馬県上野村の県境。
ここから299号は土砂災害で通行止め。林道矢弓沢線へ案内される。林道は林野庁が管理する道でここはちゃんと舗装されている。
あまりの雨で道の駅に避難。路面悪いし、カメラも出せないので写真をほとんどとっていない。
こちらが埼玉県小鹿野町と群馬県上野村の県境。

飯能からは天気も回復してウイニングランでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?