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お焚き上げの炎に 学びの火を灯し、無病息災を祈る

1月14日
私の住む地域では
正月飾りのお焚き上げをする祭りの日

私の近所の神社でも、
毎年、正月飾りをお焚き上げしてくれている。

お焚き上げの火に当たると
一年間、風邪をひかないと言われている。

コロナは落ち着いたとはいえ、
風邪をひかないご利益があるとなれば
今年も行かないわけにはいかない。

お焚き上げの日に神社に行く
それだけのために正月飾りを買っている
そう言っても過言ではない。

私の住む地域では
どんど焼きとは言わず、
別な名前のお祭りとして親しまれている。

1月14日は
有名な神社周辺がどこも混雑し、交通規制まである。

お祭りは1月14日と決まっているので
何曜日でもお構いなしに行われる。

今年は、日曜日だったが、
フルタイムで働き、家族と暮らしていたときは
平日の夜に、わざわざ正月飾りを持って行くなんて気力も時間もない。

渋滞も混雑も気にせずに行けるのでなければ
毎年の参拝は無理だったろう。

小さな近所の神社は、
神主さんなどいなくて町内会が運営しているようだ。

町内会には所属していない私だが、
馴染みの神社への思い入れは深い。

滅多に売り出されない神社のお札を
お祭りの日に買う。
そんなことで、寄進した気になって喜んでいる。

最近は、プラスチックや生の橙など燃えないものは受け付けてくれない。

だから
玄関に飾る正月飾りを選ぶときは、
お焚きあげできる素材を第一に選んでいる。

そして、この時期になると
いつも思い出す一冊の本。

どんどん焼きの一節があった小説だ。

断捨離の波に飲み込まれて今はもう私の本棚にはない。

2日前
またその本のことが頭に浮かんだ。

今年の私は、
本の題名も、著者の名前もまったく思い出せない。

まあ、私にはよくある事で、
知り合いの名前を思い出すのに
3日ぐらいかかったりすることは、
普通だ。

その本の名前が、
昨晩、突然のように記憶の引き出しから出てきてくれた。

井上康の自伝的小説「しろばんば」

子供の頃、なぜかとても気に入って
大切に本棚に並べていた一冊。

その本にも登場した漢文由来の故事成語も
同時によみがえってきた。

少年老い易く学成り難し
一寸の光陰軽んずべからず

子供の頃の私は、
この言葉にいたく感銘し

ああ、私も勉強しよう!

と思ったものだ。

なんと真面目で勤勉な子供だったのだろう

本当に信じられないが

確かにあの頃、ちゃんと勉強していたからこそ
今の私がある。

それは、紛うことなき事実だろう。

この令和の時代には、
あまり聞かれないかな?

若い人に伝える気などさらさらないが、

老いかけている自分ではあるけれど
まだ老いているとは言いたくない
そんな自分に

まだまだ勉強することの大切さ
そんなこと伝えてもらった気がする。

私の心に
少しだけ火が灯る。

ぐーたらしてないで
まだまだちゃんと勉強もしろ!

ってことかな。

お焚き上げは昼間からやっているが
夜の方が風情がある。

窓辺で夕陽を眺めた後に
神社に出掛けるとするか。

夕日は沈み、辺りが暗くなりかけていても
稜線に今もなおある名残りの光。

青暗い空を見上げると、
薄い三日月が美しい。

あの月は、もうすぐ新月になる月なのか
新月から満月に向かう月なのか

もう少し月暦も勉強してみるか。



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