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202003 憧れのリヴァプールで大合唱 イギリス紀行・後篇

 エディンバラで3泊した後、ロンドンに戻った。帰りの列車は無事にダイヤ通り走ってくれた。ホテルはウェストミンスター橋を渡った突き当たり。エレベーターホールからは、修理工事中のビッグ・ベンが真正面に見えた。

 歩いてすぐ、大観覧車、ロンドン・アイに乗ってみた。30分ほどの待ち時間。大きなラグビーボールみたいな全面ガラス張りの箱に乗って1周するが、中には貸し切りパーティーを楽しむグループもいて、ケータリングサービスの食事や飲み物を積み込み、数周していた。上空から、テムズ川沿いに広がるロンドンの町並みを眺めるのは気分がいい。ほぼ真下に横たわるウォータールー駅が意外に大きいこともよく分かった。

 テムズ川縁を歩き、テート・モダンを訪れた。元発電所を改造した現代美術館。他の美術館同様、入場無料。ただし寄付は歓迎。ミロ、ダリ、ピカソなど大御所の作品も間近にゆっくり鑑賞できる。日本では考えられない贅沢。

 館内のレストランで食事をしたが、期待していた以上に良かった。トリュフオイルをかけたポテトサラダ、ラムステーキのソースにはワサビが使われている。隣の席では女性が一人で本を片手にワインを飲んでいた。後ろの席では赤ちゃん連れの若夫婦。それぞれのペースで自由に食事を楽しんでいる雰囲気が心地よかった。

 翌日は世界遺産の王立植物園、キューガーデンを巡り歩いた後、アビーロードへ。お約束通り、世界一有名な横断歩道を渡った。さらに次の日は大英博物館を見学したり、アフタヌーンティーを楽しんだり、話題のミュージカルを鑑賞したり、ロンドンを満喫。

 さていよいよ、楽しみにしていたリヴァプール日帰り旅。小学生の時に出会って音楽への興味を喚起してくれたビートルズの故郷へ。乗り放題のブリットレイルパスで、空席が多い1等車に乗車。車窓風景を楽しみながら優雅に朝食をいただいた。こちらの沿線にも牧場が多い。

 2時間20分でリヴァプール駅到着。行き止まりの終着駅。町の中へ歩けば、ビートルズゆかりのキャヴァーン・クラブ周辺は大観光地。実物大のジョン・レノン像が立っていた。

 海辺のアルバート・ドックには、観光施設が集まっている。ビートルズ・ストーリーはビートルズの博物館。日本語オーディオガイドを借りて、じっくり館内展示を見て回った。古い写真や楽器、再現スタジオ、貴重な資料など盛りだくさんの内容。

 午後は、マジカルミステリーツアーに参加。バスに同乗したのは、カナダ、アメリカ、イタリア、ブラジルなど世界中からの旅行者。ご高齢の女性が圧倒的に多い。我々夫婦など若輩者。ガイドは早口のリヴァプール訛り、聞き取りが難しいが、テーマはビートルズなのでなんとかついていける。ジョージやポールやジョンが子供の頃住んでいた家や、ペニー・レイン、ストロベリー・フィールドなど楽曲ゆかりの地を巡る。時折、車内にビートルズナンバーが流れると、全員一斉に可愛らしい歌声で唱和し始める。文句なしに楽しいひと時だった。

 ツアー終了後は、キャヴァーン・クラブへ入場。昔の店はすぐ近くの別の場所にあった。ビートルズだけでなく、ストーンズや有名ミュージシャン達の使用楽器がたくさん飾られている。

 ビールを飲んでいたら、ステージで、ギターの弾き語りが始まった。この店、専属のシンガーのようだった。当然ビートルズナンバー。突然、ツアーバスで一緒だったカナダの青年が、小さなトランペットを手に飛び入りでセッションを始めて、大受け。音楽は国境を越えて楽しめる。この日は6月18日。ポール・マッカートニー、77歳の誕生日だった。

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