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こういう作品を毎クール見ていたい『Do It Yourself!!』

「この作品をずっと見ていたいな~」って思うこと、ありません?

それこそ『ゆゆ式』や『ご注文はうさぎですか?』のような日常系きららアニメは「彼女たちがただ生きている様子をずっと見ていたい……」と思わせる要素があるわけで、だからこそ多くの「難民」を生み出したわけです。次の移住先はねえか~って(笑)

今回語るDIYはきらら系列の作品でなく、完全オリジナルアニメ。だけどまさに「ずっと見ていたい」作品なのです。

舞台は新潟県三条市。そこで暮らす女子高生6人が、DIYを通して考え、工夫し、苦労し、失敗し、それでも諦めずに自分の手で完成させて、未来を切り開こうとする少女たちの、その最初の一歩を描く物語である――
(あ、これはアニメの1話ナレーションから9割パクってます)

近未来の日本が舞台のようで、家の中には自立型のロボットがいるし、自動運転のバスも通っている。けれどDIY部周辺は時代から取り残されたような自然豊かな場所。この対比はおそらく意図的なものなんだろうね。近未来な世界だからこそ手作りの温かさを感じる、というのは実際あったと思う。

今作の魅力の一つが、工具を含めたリアルなDIY描写。
ネジを回す音やトンカチを叩く音など、音響にはかなりこだわっていることが感じられる。インタビューでも本物の工具を使って録音したと語られていた。
作中の工具は、オフィシャルパートナーの株式会社髙儀の工具がモデル。なので一つ一つがちゃんと実在するのもポイント。工具マニアも必見ですよ。

もちろん、キャラクターも全員魅力的。
皆それぞれ個性が強く、あだ名が付いているおかげで覚えやすい。不器用だけど自由な発想で皆を動かすせるふ、細かい作業が好きなたくみ、天才だけどガキンチョのジョブ子などなど。
キャラクターが個性だと、当然DIYの内容にもそれが表れる。例えば、主人公のせるふは不器用なので、ネジを上手く閉められなかったりするんだけど、それはそれで手作りの味になる。むしろ、せるふの自由な発想が部員を後押しして、素晴らしい物を作り上げる原動力になっている。DIYは懐が広いのだ。

私が好きなキャラクターはぷりんちゃん。所謂ツンデレキャラなんだけど、デレの割合が圧倒的に多いタイプのツンデレ。ツンデレデレデレとでも呼ぼうか。
本名(須理出未来)にかすりもしないあだ名がついているところも好き。怒るとぷーっとほっぺを膨らませるからぷりんちゃんなんだって。かわいいね。

加えて、個人的に面白かったのが、二つの高校の設定。今作は主人公のせるふと幼馴染のぷりんの関係が一つの主軸になっているのだが、二人は別の高校へ進学することになってしまったのが1話冒頭で明かされる。そんな二人をつなぐのがDIYなんだけど、別の高校へ通うぷりんをどのようにしてDIY部へ関わらせるのか?

今作はそれを二つの高校をドッキングさせるという荒業で解決させてしまった。言葉だけ聞くとおバカの発想なんだけど、1話のこれさえ受け入れちゃえば、あとは全てうまくいってるので、この思い切りの良さは見習いたい。

DIY部の部員を増やすべくいろいろ作ってアピールしよう、という大まかなストーリーは一応あるけど、基本的には毎回まったりDIYをしているから、肩の力を抜いて見られるのがいいね。「あ、DIY最新話見よう」って気軽に思えるところが魅力。

こういう作品では恒例のお金持ちキャラもいるんだけど、安易にお金で解決せず、自分たちが得意とするDIYで工夫するのも良かった。ここら辺は、高校生の予算の範囲内でキャンプを楽しむ『ゆるキャン△』に通じるところがあると感じた。

総じて、キャラクター・世界観・音響と、どれをとってもバッチリなとても質の高いアニメ。まだ見てない人はとりあえず1話だけ気軽に見てほしい。きっと最後まで見てしまうはずだから。



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