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【動画感想文】ウクライナ戦争の現状と今後(5/30 虎ノ門ニュース)

YouTubeを始め動画を見ながら日本と世界について考える「動画感想文」。最近見た動画について、オススメする意味も込めて感想文を綴ります。

今回の動画はこちら。

「虎ノ門ニュース」は時間も長く、話題も多岐に渡るので、11:21からの「東部戦況『厳しい』と知事 要衝露軍包囲」のニュースだけに絞ります。

と言っても、ニュース自体の内容ではなく、元陸上幕僚長・岩田清文氏によるウクライナ戦争の解説が見ものです。これだけ明快でシャープな解説は、他では聞けないのではないでしょうか。

始めてご本人が話しているところを見たのですが、いかにも自衛隊のトップを務めた方らしく、聞いているだけで背筋が伸びそうな話し振りです。

氏は現在の状況を「ウクライナ有利である」と言っています。3月までと4月以降の戦況を比べていますが、ロシアの戦争の目的の変化が改めて興味深いです。当初はウクライナ政権そのものの打倒だったのが、東部・南部という「地域」に限定してきている、というのです。当初の目的が達成できそうにないので、最低限の目的だけに絞ってきたとのことです。

確かに最近、ロシア側から「非ナチ化」なんて言葉、聞かないですね。

そして、ロシアの苦戦とウクライナの善戦の、それぞれの理由を聞いていると、何やら希望が持ててきて、痛快ですらあります。

ただ、今後の推移では、ロシアは東部を制圧するまでは戦争を継続するし、ウクライナも東部・南部を奪回するまでは諦めないとしています。それだと、戦争は長期化するしかなくなります。

そしてもし、戦況が膠着すると、プーチンは核を使うかもしれない。

この後の須田慎一郎氏の質問に対して「ロシアが持つのは年内いっぱいではないか」との見通しも示していますが、核が使用されないことを祈るばかりです。

私がもっとも印象的だったのは、解説の後の田北真紀子氏の質問です。

ウクライナはロシアが攻めてきた自国領土内で戦っているだけで、ロシア側へ攻め入ってはいない。つまり来た敵を追い払おうとしているだけで、反撃はしていない。日本が同じように戦ったとしたら、反撃しなくて追い払えるものだろうか?という疑問です。

この質問、少しハッとさせられました。戦場がウクライナだけに限定されていることを当然と思っていましたし、もし日本が攻められたら、戦場は日本国内です。どう戦っても、日本人に多大な被害が出ます。それでいいのでしょうか?

これに対する岩田氏の答えも明確です。
「ウクライナは反撃しようにも能力がない」
「ウクライナ人が少しでも助かるのだから反撃すべき」
ということでした。

これは本当にそうなのでしょう。

ロシアは既に戦死者もたくさん出ていて、兵力が尽きかけているかもしれません。でも、相手が十分な軍事力があれば、国内から追い払っても、新たな兵力が次々と襲い掛かってくるだけです。最後まで追い払えるか、やってみないと分からないのです。

今、日本でも反撃能力(元の”敵基地攻撃能力”)が議論されています。

ウクライナの現状を見て、私なりに日本の防衛を考えたりもしていたのですが、まだまだ、本当に身近には感じられていないのだと痛感させられました。

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