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護憲派の意見に反論してみた

昨日の憲法記念日にあたって、改憲派・護憲派がそれぞれ集会を開いている。私は断然、改憲派なので、護憲派の意見に反論してみたい。

護憲派への反論

敵基地攻撃能力や核保有で国民の命を守れるのか?

平和団体代表の藤本泰成さん
東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/175342

⇒守れます。少なくとも守る手段になり得ます。
が、それ以前に、敵基地攻撃能力や核保有は憲法改正の議論とは直接には関係はありません。敵基地攻撃能力は鳩山一郎内閣が既に「権利はある」との旨を答弁しています。憲法改正の必要はなく、装備の問題です。また核保有を憲法に明記しようなどという議論はどこにもありません。さらには「持たず・作らず・持ち込ませず」という非核三原則は憲法でも何でもありません。ただの方針です。複数の問題をごちゃ混ぜにして議論を混乱させるのはやめてください。

市民の尊い犠牲の末、戦争の惨禍を起こさせないと誓い、日本国憲法を定めた。この決意を捨てさって良いわけがない

国会の憲法審査会の傍聴を続ける大江京子弁護士
東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/175342

⇒全く捨てさっていません。
日本が戦争の惨禍を起こすことは引き続き憲法で禁じても問題ありません。問題なのは、他国が戦争を引き起こしたときに日本に対処できる法的根拠がないことです。侵略のための戦争と自衛のための戦争を一緒にしないでください。

戦争を防ぐには抑止力と、先に攻めるつもりがないというメッセージが重要。9条をなくせば抑止力に頼るしかなくなり、無限の軍拡につながる。9条を守ることが安全保障につながる

上智大の中野晃一教授(政治学)
東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/175342

⇒9条を守ることは、安全保障につながりません。
9条があってもなくても、先に攻めるつもりはなく、抑止力に頼るしかありません。戦争を抑止するために無限の軍拡が必要なら、軍拡するしかありません。軍拡して戦争を抑止できるなら、それでいいではありませんか。逆に、先に攻めるつもりがないというメッセージがあれば、他国は攻めてこないのでしょうか?ウクライナは先に攻めるつもりだったとでもいうのでしょうか?

『このままでは日本も危ない』と言って危機感をあおるが、戦争になったら犠牲になるのは庶民だ

東京都世田谷区の赤松熊雄さん(80)
東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/175342

⇒そうです。戦争で犠牲になるのは庶民です。
戦争には2種類あります。自国が他国に攻め入る戦争と、他国から侵略される戦争です。軍隊を持たなければ確かに自国が攻め入ることは出来ませんが、他国からの侵略は防げません。他国からの侵略で犠牲になるのは庶民ではないのでしょうか?それとも、他国からの侵略なら庶民が犠牲になってもいいのでしょうか?

憲法9条は「世界で最も先進的」

ジャーナリスト金平茂紀さん
神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202205/0015271155.shtml

⇒だから何?
先進的な憲法だから安全保障を蔑ろにしていいのでしょうか?日本が侵略されてもいいのでしょうか?

憲法9条に依拠しながら、軍事力に頼らないでともに生きていく方法を実現しなければいけない

NPO法人ピースデポの湯浅一郎代表(72)
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220503/k00/00m/040/236000c

⇒ご認識の通り、今のところ、軍事力に頼らないで生きていく方法はありません。憲法9条を改正し軍事力を保ったうえで、つまり喫緊の安全保障を確立したうえで、軍事力に頼らない方法を模索してください。

核戦争をなくす方法は核兵器を廃絶すること。岸田(文雄)首相、被爆国として核兵器のない国を目指すなら行動で示してほしい

国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の川崎哲(あきら)・国際運営委員
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220503/k00/00m/040/236000c

⇒憲法とどういう関係があるのでしょう?
仰っているのは、日本でなく世界から核兵器をなくすことですよね?憲法9条とは全く関係のない問題です。問題を正しく把握することをお勧めします。

危険に乗じて9条を改定し、日本を軍事対軍事の危険な道に引き込むのを止めよう

共産党の志位和夫委員長
時事通信社
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022050300507&g=soc

⇒でも、危機がなければ改正の必要がない、って言うんでしょう?
例えば災害や大犯罪があったとき、法律が対応できていないのならば法改正を訴えるのはごく当たり前です。安全保障も同じことです。憲法が対応できてないことが明らかとなったので、改正を訴えているだけです。

ふう。
疲れてきたのでこの辺でやめるが、もうひとつだけ、どうしても言いたいので私の地元の地方紙から。

上智大の中野晃一教授
地元地方紙

⇒足元の暮らしや命を守るために、憲法改正が必要です。
それとも、中国海警局に脅かされて漁ができない石垣市の漁民や、旧ソ連によって今も故郷を追われている北方領土の島民は守らなくていいのでしょうか?

感想

こうして見てみると、護憲派の意見には共通した特徴がある。いろいろな議論をごちゃ混ぜにしてしまっていることだ。

例えば、侵略戦争と防衛戦争を分けて考えてはいない。また、核保有や核戦争など、憲法改正に直接は関係のないことと一緒に反対している。

しかしその一方で、安全保障が国民生活と密接に結びついているという意識はないらしい。

今回の報道では見つからなかったが、野党議員などが「国民的議論が深まっていない」などということがある。これなど大いに問題発言だと思う。なぜなら国民の代表が国会議員で、国民の議論とはすなわち国会での議論である。それなのに、憲法審査会を開きもしないで国民の責に帰す。こういう人に国会議員の資格などない。

改憲派が訴えたいのは「このままで日本が守れるのか?」ということだが、それに対する直接の回答はない。ただひたすら「9条の精神が大切」「9条を守れば平和になる」と叫ぶばかりである。或いは「日本が攻めなければ戦争など起きない」などというが、それが絵空事であることは今回のウクライナ戦争で明らかになった。今でもこれを訴える人は、ウクライナがロシアに攻め込んだと言っているに等しい。その辺、どう認識しているのだろうか。

いずれにしても、まともに安全保障を考えた結果としての護憲論など聞いたこともない。

国家の責任として、日本人の生命・財産を守ることが第一である。まずは安全保障を考える。他国に攻められても守れる体制を整える。それ以外のことは、それが出来てから考える。

この順序しかないと思うのだが、いかがだろうか。

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