PCRって必要なの?っていう事についてちょっと考えてみた。

※この記事では、医療従事者と相談しながら作成しておりますが、

○これが絶対的な原則ではない事

○時期によっては少し内容が変わってしまう事などがあり得ます。一つのご参考になればと思います。

はじめに。

一番大事な事を最初に確認します。
新型コロナウィルスに関連して、一番大切な事はなんでしょうか。

10秒考えて、本文を読み進めてくださいな。

結論出ましたか?

多分ですけど、全員一致していると思います。

わたしが思うに、

『新型コロナウィルスによる被害者が少しでも少なく済んでほしい』
『経済的ダメージがなるべく少なく済んでほしい』

ってな感じだと思うんです。

もちろん人それぞれ、細かく違う事などあると思いますが、この二点においてそうずれている人はいないと思っています。
つまり
『新型コロナウィルスによる被害者がなるべく多くなって欲しい』
だとか
『経済が崩壊して自殺者が多数出て欲しい』
って人はいないと思うんです。

……いませんよね?

はい。大丈夫ですね。

ゴールは一致していても、どんな方法を採るのか、についてはなかなか一致しないのが現状で、そこで紛糾しているものと思います。

今回は経済的な事は一度さておいて、PCRに注目して記事を書いてみようと思います。

PCR検査って何なん?


まずはそこから。
Polymerase Chain Reaction。
日本語だとポリメラーゼ連鎖反応。
ようわからんですね。
特定のDNA断片だけを選択的に増やして調べやすくする手法だそうで(国立がん研究センターHPより)。

ウィルスってのは細菌よりも遙かに小さい存在で、細胞膜すらない為、非生物と定義づけられたりします。
そんなウィルスもDNAを持っているので、特定のウィルスのDNAを狙って増やして、体内にいるかどうかを確認するというのがPCR検査。超ざっくり。

細かい理屈はさておいて、必要なのはこの一点。
PCR検査はウィルスがいるかどうか(陽性か陰性か)を判定する為の検査である

覚えておいてね。
ちなみにウィルスがいるのが陽性、いないのが陰性。分からない人はいないと思いますが。

PCR検査は必要なん?


現在日本、いや世界中で二分していますね。

必要なのか必要でないのか。

そもそも検査って何でしょうね?
他の検査とかを思い浮かべてください。
何故行うのか、といえば、問題点を洗い出し、解決策を導く為。
ですよね。
特定の菌やウィルスがいると分かれば、それに適した治療方法や投薬をする。
とても自然な事です。

翻って新型コロナウィルス。
検査をしたとしましょう。
その後は?

……

実は何も出来ません。
だって新しい病気だから知見がない。
どうやったら治るかはこれから見つけるしかない。

じゃ、やる必要がないかって?
怪しい人を見つけだして、その人が陽性である事を確定する為に使います。
いずれにせよ隔離するにしても、陰性で感染の確率が低い人をわざわざ同じ場所にする事はありますまい。

怪しい人ってなぁに?
と言われれば、発熱した人な訳で。

えぇと、この辺が言葉で言ってもちょっと分かりにくいので、簡単な図版を作ってみました。
以下に。

CT図2


はい。

尚、あくまで超ざっくりとしたひとつの例示です。絶対に日本全国どこでもこう!って訳ではありません。

発熱したらどうするか。
様子を見つつ、まずは保健所に連絡しましょう。
そこで疑わしい状態であれば、通院を勧められます。
病院へ行く際には必ずマスク着用を!
この時点で『自分は保菌者』との自覚を持ちましょう。
実際に陽性か陰性かはこの時点では分かりませんが、万一陽性で、待合室で感染拡大するような事があってはなりませんよね。
で、病院。
血液検査等で他の病気についてチェックします。
他の病気ならそちらの治療へ入ります。新型コロナウィルスではなかったので当然ですね。
それでも心配な場合に、CTスキャンが撮られます。
CT。Computed Tomography。
コンピュータ断層撮影法が日本語訳。
ざっくりレントゲンと言えば分かりやすいでしょうか。
肺の状況がこれで確認出来ます。
すると肺炎が起こっているかどうかがまる分かり。
それで肺炎を起こしてない人は、念のため隔離して様子見。
発熱自体はしているし、これからどうなるか分からない。
肺炎を起こしている人はコロナウィルスの感染者の疑いがいよいよ強くなります。
そこでPCR検査!
陽性ならば入院確定です。
陰性ならば隔離して様子見。

ざっくりとこのような手順で進んでいきます。

段々と振り分けていきながら、必要な場面で適切に検査を行う。
これが現場で必要な事です。

これが今、必要な人に必要な検査を、と言っている内容になります。
最低限のPCR検査で十分とわたしは考えています。

これがもし。
全員PCRを!という事になったら。
下図のようになります。

CT図崩壊

はい。
発熱した全員が一度にPCRに流れ込み、作業量が爆発的に増加。
しかも待合室で感染拡大。
それを受け入れる病院側は忙殺されます。
医療崩壊ってのはこういう事ですね。

PCR検査の拡大を無闇に訴える方に抜けている視座がありまして。

検査するのも人間なんですよと。

休まないと死んじゃうんですよ?

休む間もなく働き続けろ!は人間に言う事じゃありません。
端的に「死ね」と申し上げているのと同じ事です。

まして未知の感染症拡大の最先端。
大変な緊張感を持って取り組まれ続けているんです。
一つのミスで自分に感染する可能性がある。
それを寝ずにやったら確実にミスが出ます。
検査数が増える程に、技術者への感染リスクは上昇していきます。

技術者が倒れたら。

その後の検査が全て滞ります。
他の技術者がその人の分を負担しなければなりません。
過労のスパイラル。

ついでに検査に必要な物。
大変な量の人的資源と物的資源が必要です。
具体的に申しますと、PCRの手間ってのは以下の通り。
採取する方は防護服。

一回採ったら全部脱いで、消毒。

ついでに採取した部屋も消毒

大変な手間なんです。
消毒液が大量に必要です。防護服だってたくさん必要です。
検査数に比例して無限大に増えていきます。
誰がどうやって負担しますか?
物は無限に手に入る訳ではありません。
今、マスクが手に入らないでしょう?
マスクを買うお金が無い訳ではないのに。
今はそういう状態です。
無駄に物を使う訳にはいかないんです。

なので検査体制の側面からも、わたしはPCR検査を拡大すべきではないと考えます。

PCR拡大論

最近TVで見ている中で、感染者がどれくらいいるのか理解する為にPCR検査をすべき!との発言がありました。

……えぇ……?

検査結果が出るまで一種間以上。その間のケアはどうするの?
その状態で感染した場合、陰性って結果が出る可能性があるんですけど。
リアルタイムに変化していく物を、どうやって捉えていくんですかね……
感染者って、もうどこにいるか分からない状況なんです。
だから、行動を自粛・制限して拡大を防ぐしかない。
そういう段階なんです。

ぶっちゃけて申し上げます。
新型コロナウィルスが国民の口の中に入らない事が大目標です。     最終目標です。
私もあなたも、君も僕も。
口に入らないようにしましょうよって話です。
それを達成出来るのは国家でも政治家でもありません。
一人一人です。
手洗いうがいをするのは誰でしょう。
みんな、一人一人です。
病気にならないように食事して、早寝早起きするのは誰でしょう。
各人です。
PCR検査をやる事が目的化してはいけません
そんな事より大事なのは

「自分が感染しない事」

そして

「他人に感染させない事」

です。
その事によって、誰かが救われます。


現在。

日本で発生しているのは何もコロナウィルスに限った話ではないんです。
当然ですよね。
インフルエンザなどの肺炎や心臓病などの各種疾病、事故による怪我などなど。
その全てを担っているのが病院です。

キャパシティって決まっていて、その中でやりくりしているのが現状なんです。

一番大切な事は何か。
最初に確認しましたね。

『新型コロナウィルスによる被害者が少しでも少なく済んでほしい』
『経済的ダメージがなるべく少なく済んでほしい』

どうでしょうか。
どうする事が、もっとも被害者を少なくする方法でしょうか。
どうやる事が、もっとも経済的ダメージが少なく済む方法でしょうか。

少なくとも、PCR検査の拡大が被害者を少なくする、と言う事に繋がらない事は理解して頂けたと思います。
実際海外の事例を見てみても、検査拡大した国が日本よりもずっと上手く押さえ込んだという事例はありません。
検査の精度の問題もあります。
未知の病気故、陽性もどきや陰性もどき(偽陽性や疑陽性などなど)がポンポン出ます。
まだまだ分からない事だらけで、『これだけやってりゃ正解!』って事が分からないのが現状です。

いや、正解がありますね。
『ウィルスを持ち運ばない』
単純にして最大の効果を持つ対策です。

手洗いうがい、外出自粛。
自分自身が感染する機会を減らす事で、他人に感染させる機会を減らす。
外出を自粛する事で、他人と会う確率を減らす。
ウィルスは突然降って湧いたりしません
誰かから誰かに移動する物なんです。
であれば、その間を遮断してしまえばウィルスは広がっていかないんです。

単純でしょ?

実に単純な話なんですよ。
一番最後のゴールはどこか。
「国民の口の中にウィルスが入らない事」
です。
感染しない、持ち込まない、広げない。
それを達成出来るのは誰か。
国家や政治家ではありません。
一人一人です。
誰か一人ではありません。
全員です。

それをやるには根気が要ります。
誰か一人が頑張ればいいものではありません。
日本にいる1億人以上の人間が協力して取り組んでいかなければなりません。


ドラゴンボールの元気玉みたいなもんで、
少しずつみんなから元気をもらう。
協力すればちょっと疲れちゃうけど、
寄せ集めれば大きな力に変わる。
そうしてこの未曾有の感染症と戦う。

そんな戦い方が一番良いんじゃないでしょうか。

国民全員が戦わなきゃいけない場面です。
精一杯頑張って、踏ん張って、乗り越えていきましょう!

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