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【感想】銀河英雄伝説Die Neue These 12話「死線(後編)」(1stシーズン 邂逅 ep12)

1期の最終話!
48話まで一挙放送なので区切りなくそのまま次回の13話に続くわけだけども、シーズンの区切りとしてはここで一応最終話。

文字通りの無惨

セリフの裏で、前線で数少ない食糧を分け合ってる兵士の描写いいよね。受け取って半分割って返すのも。
前線の兵士は、まだ隣の人間を労わることができる。帝国臣民と今から和解は絶対に叶わないんだけど、それでもまだ隣にいる人間と食糧をめぐって殺し合うほどの地獄ではない。

車両のタイヤ跡が刻まれた前線基地。何度も何度も搬出の車両が出入りしたんだろうな。作戦のためとはいえ、住民たちのもとへ希望を乗せて何度も走った道。つらい。

あとふと気付いたけど、この辺境地域の臣民さあ、ゆるっと同盟軍に対して反感を持った形になるやん。もし次回こう言った形で同盟軍が寄ってきても、耳を貸さなくなるんじゃないかな。今まではとにかく自分たちを窮地から救ってくれるなら何を掲げていても良い、という状態だったけども。まさに「この地統べる力秀でたること」を実力を以て知らしめることになるわけで。おお…。
この星から離脱する手段がない以上、何らかの形で「防壁」になる。それも含めての策。ラインハルトとオーベルシュタインがそれを考えないわけないから、怖いよね。
戦略とは局地的な結果だけを求めるものではないもんね。戦略家、こわ。

ローエングラム伯爵家を継いだラインハルトの領地はどのあたりなんだろうね。「汚名」で、オーディンへの帰途、クロイツナハⅢに立ち寄るついで(?)にローエングラム領に墓参りに行っているので、イゼルローンからオーディンまでの間のはずかな。一瞬今回の焦土作戦に使ったの自分の領地なのかとも思ったけど、流石にそんな危ない橋は渡らんよね(自分のところの領民を苦しめる領主の図になってしまう)。

思いつきはしても実行はできないヤンと、実行できてしまうラインハルト。
ラインハルトはそれに寄って良心の呵責がないわけじゃない(それが分かってるからキルヒアイスも飲み込んだと思う)んだけど、両者の間の決定的な違いは実行できるか否かという結果に現れる。
ヤンも作戦上戦闘員が犠牲になるのはある程度看過している(一人でも犠牲を少なくしようとはしてる)ので、人一人の命という意味では、両者にはそこまで開きはないようにも思う。それでも違うという面が、非戦闘員を巻き込むか巻き込まないかということなんだよね。
キルヒアイスも、基本的には戦闘員が犠牲になることに対しては結構冷淡というか、そこまで問題にしていないので、ヤンとキルヒアイスを博愛や正義の人みたいに捉えられてるのを見ると、ちょっともやっとする。
兵の一人でも多く生かしたいは、ラインハルトも含め、ちゃんとした将ならみんなそう思ってるので、そのベースは同じなんよ。
ヤンは効率的に人を殺すこと(味方を消費することも含む)が「得手」であることと、それに伴う非人道性も認識しているからこそ、葛藤しているのであって、殺したくないとかそういう次元の話ではないんだよなあ。だからこそ戦争自体を起こそうとする奴ら、戦争そのものを嫌悪しているわけで。

と、わしは理解してます(笑)

帝国軍のプロージットの前のグラスを掲げるところとか、細かな音が入ってるね。ラインハルトがグラスを振り上げたところで前髪が揺れる描写とか。こまけええええ。こういう丁寧なお仕事、ノイエちゃん大好き。
(ヘッドホン装着、いつもより大きめの音で視聴しております)(ノイサガの配信視るのに音量上げたままだったわ)


バルバロッサー!!!!!

帝国軍は同盟の輸送船団補足して、ワープで急襲。一方の同盟軍の輸送船団の指揮官は三次元チェスの最中。緊張感んん。
とはいえ、イゼルローン回廊から占領地までの航路に帝国軍はいないはずだもんね。文字通り占領してんだから。でも、食糧が尽きかけた艦隊など、役には立たんし、それぞれの宙域に分散してるんだから、即時の応戦が適うわけないやん?緊張感と危機感の欠如。これがイゼルローン司令部と全く同じなんだよね。あーあ。

「激突」いいよね(この場合は曲タイトルで、期タイトルじゃないよ笑。3期激突も最高だけれども)
戦艦中破一隻のみで撃破しちゃうキルヒアイス超怖い。有能だなあ。今回はおしゃべりしてくれないけど(※声優さんが療養中だったから)。
ブリッジで感嘆の息が漏れるのいいな。提督すげー!!ってテンション爆上がってる人たちいるだろ、なあ。ブリュンヒルトの艦橋に今まで一緒に立っていた人だもんね。下からの信任も厚いの、もちろんキルヒアイス自身の性質なんかも多大にあるだろうけど、副官時代を知ってる人たちから子どもを見守るような目線を注がれている気がするなあ。

諸将のモニタ、消えるタイミングとかもちょっとずつ違うの面白い。
ミッタマとメックリさんがちょっと小さく見える。カメラ位置は固定なのかな(笑)。


帝国の反撃開始

第十一艦隊が最初に遭遇するんだよなあ。前線も前線にいたんだろうか。どういう配置になってるんだろう。(邂逅パンフの説明はアスターテとイゼルローン攻略戦だった…)
それにしても惑星がどーんって見えてるけど、これもっともっと距離離れてるんだよね。スケール感が全く実感ないから(当然宇宙になど行ったことありません故)、えらく近いところを航行しているように見えるけど。宇宙のスケール怖い。

ウランフ提督大好きだよ‥。
ヤンをめっちゃ信頼してくれてるの嬉しい。実際に救援に来れるような位置にヤン艦隊はいるんだろうか。近くにいたから最初に連絡を取ったのかな。
まあそれはそれとして、ミラクル・ヤンの名が兵士たちの鼓舞になると思ってくれるのは信頼の証なんだよな、この場合。虚名ではなく実績の方での評価だと思うから。

ビッテン悪い顔してるー!!!(笑)。
惑星裏の死角から狙ってくるの頭良いし、練度高いし、黒色槍騎兵艦隊かっけー!!剣ではなく槍だから、長距離攻撃もありなんよね。猪突するイメージから斧ぶん回す接近戦のイメージだけど(イメージね、イメージ)、槍騎兵なんよね。長距離攻撃と破壊力の艦隊なのだ。ひゃあ。かっこいい。

同盟の前線に出てる中将たち、しっかり状況把握してるし即応できるし、有能な人たちばかりなんよな。この人たちをこんな無益な戦場にばかすか投入しおってからに…司令部のあほー!!!!!

「移動しますか」ってウランフ提督を助けに行きますかって意味?だよね?
それに対して動かないという命令を出したから驚いてるのか。いや、実際は動けない、というか、十三艦隊にも敵が向かってくるから、有利な状況で迎え撃てという意味なのだけども。こういうところ、めっちゃ冷静だなと思う。情に任せて十一巻隊を助けに行くような人なら、アスターテの時もパストーレ中将を助けに行く策を提示しただろう。で、そうなってたらここには既にいない人になっているわけで。
ヤンが戦場の自分を好きになれないのはこういうところもあるんだろうな。

同盟軍の抵抗

撃墜王の4人登場!!ポプランがチャラくてもモテるんだろうなってのに説得力があってとても良い。「無粋なやつだ」の言い方とかめっちゃ好き。
スパルタニアン視点、いいなあああああ。この、死の光が飛び交う中に、それでも高揚した感じで発艦する!って言っちゃえる度胸がすごい。

「誤差七度、いや、違う」のあたりの緊迫しながらも計算を走らせてるポプラン、めっちゃ好き。軽いだけじゃなくて、その芯に真面目な部分を持ってるんだなって分かるのがとても好き。声での緊迫感の伝わり方もすごい。視線の走らせ方にも緊張がある。この中で戦えるの、本当にすごい。すごいしか言ってないな。兎に角すごいんだ。

ヒューズの死に、叫んだりしない。
その冷静さがポプランの真価。ポプランもコーネフも、僚友の死への感情を眉の動きにだけ乗せて、喚くようなことしないのが、こう、何か来る。
消耗品扱いのスパルタニアン搭乗員。戦艦よりも金かけて育成されて使い捨てられる。その中でも悲壮にならずに飄々と死線を超えてきたカルテット。他のパイロットを何人も何人も見送って来ただろうからこそ、一瞬で掻き消える命に対して、ことさら大きなリアクションを取るわけではない。そんなことしてたら身が保たないもんな。死が常に隣にあることで、死そのものに対する麻痺っぷりが(本来の性格もあるとは思うけど)、恐ろしい。

押さえ込んだ怒りで声が震えてるポプラン。補給が途絶えてしまった飲まず食わずの整備班。限りある食糧なら、配分を考える。司令部も割り当て減らされてそうってか減らしてそう。メカニックだけを冷遇してるわけじゃないと思う。むしろパイロットが厚遇されてるだけで。
勝つ見込みがあるのなら、そのための戦力を確保しておくのがヤン。

原作よりポプランが熱いし、めっちゃいい子。ノイエのポプランは正統派イケメンだなあ。いいぞ!原作の何ともいえない飄々としたポプランもいいし、ノイエの軽口は叩きつつも熱いイケメンなポプランも好き。

この時点で飲まず食わずになってたら、どうやってもイゼルローンまで帰りつけなさそうだなあ‥。

帝国の蹂躙

ポプランとコーネフで士気が折角上がったのに、やはり他の艦隊は‥。
ヘルズブレイズからの超長距離射撃がブッ刺さるのやべえ。旗艦狙い撃ちとか、ちょっと意味がわかりません(笑)。

ルッツ艦隊VS第十二艦隊(ボロディン)
ロイエンタール艦隊VS第五艦隊(ビュコック)
ミッターマイヤー艦隊VS第九艦隊(アル・サレム)
ワーレン艦隊VS第三艦隊(ルフェーブル)
メックリンガー艦隊VS第八艦隊(アップルトン)
キルヒアイス艦隊VS第七艦隊(ホーウッド)
ビッテンフェルト艦隊VS第十一艦隊(ウランフ、アッテンボロー)
ケンプ艦隊VS第十三艦隊(ヤン)

帝国臣民なのだけど、同盟の中将も大好きなので、めっちゃ複雑な心境になるんだよね、いっつも。もうやめたげて。同盟軍はボロボロなんだよぅ。

「不名誉な二者択一だな」
ウランフ中将ー!!!!かっこいいよ、中将!!!!

アッテンボロー!!原作だと3巻までほぼ出番のなかったアッテンを、ちゃんと出してくれてありがとう!!この作戦に参加してたって記述はあったもんね。OPで出てはいたけど中々登場しなかったキャラの最後の一人(笑)。

ウランフ中将の意思を汲み取っているからこそ、何も言えないアッテン。殿を任せたら右に出るものはいないと万人が理解するのはもう少し先だけど、この時からしっかり実績を作っていたというエピ追加、いいね👍

「劣勢に追いやられていた、だが」で第十三艦隊だけが応戦できてる状態だと映すの、テンションあがるー!からの

「逃げろ」

ヤンー!!!!!!!

ヤンVSキルヒアイス

こんな対戦カードが実現しちゃう。すごいぞ✨(戦いです。喜んではいけません)(はい)

ヤンの座ってる場所が危なっかしすぎて毎回ハラハラするけど、彼自身が演出のためにやってることなので、何というか、すごい人だなあ。自分が自然体でいることが周りの人間に与える影響を完璧に測ってて、それを実行している。こういう細かいところから、いろんなことを分からないように意識して演出してるんだと思うと、心労が本当に心配。早くユリアンに美味しい紅茶入れてもらってくれ‥。

どれがキルヒのセリフだったのか考えちゃうな。
思い出すのはラインハルトの姿。自分が予測したラインハルトに匹敵する力量を持った敵との遭遇戦だもんな。

挟まれる同盟司令部のぐだぐだっぷり。
報告するグリーンヒル大将の裏音声、どうにかせいやという声が聞こえる。
ロボス、なぜ起きて来たのかね???一生寝とけよ、おまえはよぉおおおお💢

バルバロッサかっこいいなあ‥(現実逃避)

引けるものなら引いてるわ!!!!だよね、ビュコックさん!!!
ヤンの簡単に言ってくれるな、の声にも怒りが見える。
3倍の敵から逃げる算段を付けられるのすごいな??
装備も何もかも上の相手に対して、どうにかしよう、どうにかできるのが神懸かってる。でもそれは決して魔法なんかじゃなくて、ヤンやフィッシャーさんの手腕によるもの、というところが痺れる。

ホーウッド中将ーーーー!!!!
熱い!!!!熱いけど、だめー!!!!!!!!
挟撃を進言するパトリチェフさんの気持ちは痛いほどわかっていても、退却の決断を下すヤン。本当に冷静で素晴らしい。し、これでまたヤンの酒量が増えるのかと思うと…。

無言で幕僚たちが敬礼するのいいな。どうしようもないもんね。ああ。しんどい。どれだけ有能な提督たちが散ったのか。評議会の連中、何にも理解してないんだろうな。しんどいな、しんどいな。

いつでも麗しい閣下

お望みの場所を墓所にしてやるぜ!な閣下が相変わらず麗しく美しい。
オベがブリュンヒルトの艦橋にいるのは、これが最初の戦いなんだね。同時にキルヒアイスが一緒の場所にいない戦いも初めて。
ふとした瞬間に視界の端に入る髪が赤ではないことに違和感を抱えていてほしい。
不敵に笑ってるけど、内心どこか心許ないところがあるのかな。
キルヒアイスが先発してるから、しばらくオーディンでも顔合わせてないんだし、この十年であり得なかった状況になってことに対して、何らかの違和感があると思うんだよなー。
何でおれの隣にいないんだって理不尽にぷりぷりしてくれたら、それはそれで嬉しいだろうな、キルヒ(笑)。

そんなわけで12話終了!
毎度のことながら秒で終わるね。楽しいー!!!!!

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