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【感想】銀河英雄伝説Die Neue These 7話「イゼルローン攻略(後編)」(1stシーズン 邂逅 ep7)

イゼルローン攻略、原作小説だと本当にかなりあっさりで、今とセキュリティに関する概念も違ったんだなあって妙な感慨を覚えるエピ。

作戦概要は回想と共に

前回のフレデリカ、ヤン、シェーンコップのセリフや場面場面を見せつつ、フォン・ラーケンがイゼルローン要塞の通信モニタに現れるまでの間も補完。

帝国の亡命者で組織された連隊といえども、敢えて何世とかどういう経緯で亡命してきたのかとか話すようなことはなかったんだろうな。結構デリケートな話だろうし。リンツには帝国の記憶はなく、ブルームハルトには帝国の記憶があるのも、亡命子弟としてひとくくりにはできないんだということを端的に表してるね。リンツとブルームハルトだと、帝国そのものやあるいは帝国の支配層への感情も違いそう。それらをゆるくまとめて機能する薔薇の騎士連隊、すごいな。

流体金属をぐにょーんと通過するの好きだなあ。
イゼルローン内部に入っても孤軍なの、当たり前なんだけど、周り敵だらけでこの艦に乗り込めるの度胸が凄まじい。

(アマプラで見てるのでBinary Starを堪能。大好きだー!!!先日のトークショーであった、最後のヤンのカットのお話、めっちゃ沁みたなあ・・・)


ハッタリを入れるならでかい名前を

ミュッケンベルガー元帥の名前出しちゃうのも、中々度胸が・・・。
マン大尉、この後も再会(?)するので、お楽しみに。

司令室抑えたらオッケー!ってヤンに、軽く言ってくれますなって顔してるシェーンコップの顔、楽しんでるのも入ってるのがわかってとても好き。

女性に例えるの、目の前にいる人には通用しないと思うんだよ(笑)。マイペースだな、シェーンコップ。

トラムいいな。2万mを踏破は流石に無理じゃもの。

演技力が問われますな → ルドルフ像に敬礼 → 回想 → ブルハルくんの刺青指摘(対応不全) → シェンコのフォロー
演技力抜群シェーンコップ、さすが!!!!!

おじいさまの回想が挟まれるのいいよねえ。
いつも一緒だったおじいさま。
大きくなったら何になりたいと問いかけられて、「僕は貴族だよ」って答える、それ以外の選択肢のない社会のあり方が6歳にして身についてしまっているの、怖いな。この認識の少年にとって、亡命後の生活がどんなものだったのか、考えてしまう。


最大のセキュリティは人であり、セキュリティの最大の敵もまた人である

レムラー少佐!!!がんばれー!!!
経験に基づき、職務を全うしようとする少佐、つい応援したくなるんだよね。君は頑張ったよ・・・。

生体スキャンのギミックかっこいいなー!!!
万年筆一本見逃さない(むしろそれ以外に金属が一切ないのすごいな。帝国軍服に付随するものはスルーするようにプログラミングされてるのかな)。
入念に万年筆をチェックするの、細かなアニメーションで感動する。祖父の肩身で帝国の紋章入り。無碍には扱えん代物よな。

ID偽造の疑いもパスされて、やっぱり疑いが晴れないので、詰める詰める。レムラーさんすごいよ。
それに対してどこまでも冷静に「変ですな」とか「一月でも二月でも待たせていただこう」とか言えちゃうシェーンコップ。役者が違うぜ。

せっかくレムラーさんが瀬戸際で頑張ってたのに、シュトックハウゼンのあほー!!!(彼も彼なりに危機感を持っているがゆえなのは承知)


何とかなるでしょう

何とでもしてやるわ、という自信の表れだよ。かっちょいいよー。
回想シーンと現在のつぶやきがシンクロするのも、急転直下で動き出すのも最高。
レムラーが最後まで警戒を解いてないのもいいよね。クロだって確信してたんだよ、彼はきっと。
あの至近距離で銃撃を避けられるの、反射神経がイカれてる。白兵戦のプロ怖い。他の人が右往左往して動けない間に颯爽と距離詰めてるのも怖すぎる。

「閣下は過大評価されるのが迷惑そうだぜ」

の言い方よ。最高だぜ、みきしんさん。嘲るようでもあり、甚振るようでもあり、危機を楽しんでるようでもあり、絶妙なんだよな。飄々としてるその性質がまず前面に出てくるノイエのシェンコ、大好き。

ゼッフル粒子!!!きたー!!!
みんな大好きゼッフル粒子。これ、結局本物だったのかな。
ハッタリに本物使わないといけない法はないけども。
七都市物語で重油に見せかけて絵の具流してたこともあったので、別の気体の可能性もありそう。
いや、でもその後の流れ的にはやっぱり本物かな。

ゼッフル粒子って呟く時のフレデリカが驚いている表情じゃないのがいい。もの自体の存在にも驚きはないけど、それを作戦に使おうとするシェーンコップに対してと、それに対して反応らしい反応を返さない上官への複雑な心境が顔に出てる。

危険性についてのやり取り、それを分かってて、かつ選択肢にのぼるのも分かってて、敢えて何も言ってこなかったことを問うた答えが、「もう少し安全な方法をぎりぎりまで考えたかった」。
使い捨てなんかではなくて、安全な方法があるならそちらを検討したいと言うのがまっすぐに伝わる。同盟軍内でのRRの扱いは腫れ物に近いところがあるから、こうやって自分たちの安全を考慮する方法を考え抜こうとしてくれることに対しての感銘というか、面白い人だなって言う感情がむくむくと育ってそう。主人なき群狼が、その忠誠心の向ける先を意識し出したところに見える。


保身と選択

「取り立てようぞ」って言い方、時代がかってて好き。
同盟語と帝国語はそれほど言語的に離れてないはずだけど、同盟は柔軟に言語の変化を許容してそうなので、このくらいの時代感の差という感じで表出してるの面白い。文意はわかるけど、正確に話そうと思うと難しいのな。

シュトックハウゼンが保身とは言え降伏を選択する司令官でよかったね。レムラーさんの矜持的には許し難いだろうはずなので、捕虜収容所でシュトックハウゼン針の筵・・いや、流石に大将クラスは同じ収容所には入らんか?

「本当ですか」
の期待感を滲ませたような声、演技力がすごい(二重に。シェンコと、みきさん)。

で、ヤン側での報告からのムライさんの疑義。
顔を映さず、シェーンコップへの信頼を露わにしていくヤン。
ムライさんのはっとした表情。
シェンコへつながる、場面。

この流れ、最高に好き。「何とかなるでしょう」のオーバーラップのさせ方もさることながら、信頼が信頼で繋がっていくこと、信頼されることがどれだけ薔薇の騎士連隊に、シェーンコップにとって大きなものだったのかがわかるこの構成が大好き。

自分を信頼すると言った男に報いるため、と、「口説かねばならん女性が同盟にはまだ山ほどいる(から帝国には寝返らない)」が等値になる男、シェーンコップ。ブレねえ(笑)。

レムラーさんの銃がっしゃんで引火爆発しなかったので、結局ゼッフル粒子はヤンにすり替えられでもしてるんじゃないかなと疑ってる。ヤン、冷徹な部分もあるけど甘いところもあるし。いや、でも、それは制圧できないと言う信頼のなさにも繋がるから、やっぱり本物だったのかも。あなたの力ならこれを使わずに済ますことができるでしょう?という信頼の仕方。そういう「本気」を感じたからこそ、シェンコも応えてるのかな。


帝国と同盟、どちらも知っているが故の憂い

入港してくる同盟艦を小窓から見守りながら、過去に思いを馳せる連隊長。
おじいさま、同盟に元から好意的と言うか、貴族に懐疑的なところがあったように見受けられるな。このおじいさまがいたからこそ、大きくなったら貴族になるんだよと言ってたワルター少年も、こんなにやんちゃな大人に育ったんだねえ(ん?)。

血は拭き取りましたが(もう使えないと思います)のニュアンスよ。
使い物にならなくなっても、シェンコはこの万年筆をずっとお守りにしていくんだろうな。真実を混ぜておかないとにどこまでが含まれてるのかはわからないけど、「祖父の形見」「肌身離さず持っているお守り」が真実だったと思っている。
万年筆を見つめる穏やかな目のカットが好き。帝国紋章を通して考えるのは、あのまま帝国にいたら自分はどうなっていたのかというようなことな気がするな。

ムライさんからのシェンコへの疑念は、おそらく陰でずっと同盟軍内から出たものであって、それをむしろ真正面から謝罪するこのムライさんの実直さがたまらなく好き。それに対して「疑われるのも仕事のうちですよ」とか言っちゃえるシェンコも好き。

「提督!」で懐いた感が出ててすごい(笑)。
ヤンの答礼早いよ、雑。でもこの雑さに信頼が伺えてこれもまた。中に入れた証拠みたいなとこ、あるよね。

50万人の捕虜という、やべえ数。拘束するだけでもどれだけ時間がかかるのか。帝国側はほぼ軍人とそれを相手に商売をしているような人たちだけだから50万人で済んだんだよね。いやそれにしても50万人はイカれてる。輸送するだけでえぐい数の輸送感がいるぞ・・・。

「うまくいくものだね」
「・・そのようですな」
人ごとっぽく話す、当事者どもの会話。悪戯小僧たちの会話みたいで面白い。互いを信じたからこその結果ということがわかっている二人の、握手。熱い。


踊らされる帝国軍

要塞内部で叛乱があったから助けて〜って呼び寄せるの悪辣。
半信半疑のまま返すわけにはいかないもんね。
しっかり同盟軍が占拠したことを知った上で帰って報告してもらわんといかんし。

オベー!!!!!!!!!
語るに足らんでばっさり上官を見限った。すごい判断力だ。

「撃て」
ヤンの凪いだ声。この二文字で千単位の命が消えることが分かってるからこその、凪。司令官って本当に重い。これを常に判断して命じていかんといかんのでしょう?数字の上でしか命を数えられない奴らには絶対に任せてはいけない任だと思うし、だからと言って全てを抱え込んでしまうヤンのような人には絶対担って欲しくない役目でもある。ヤン・・・。

戦艦の主砲斉射で要塞主砲には対抗できませんがな・・。判断力を失ってるな、ゼークト提督。ここへ追い込んでくるのが怖すぎる。ヤン、やっぱり怖いよ。
流体金属装甲に着弾してる表現いいな。実体弾打ち込みまくったら流体金属装甲が波打って一部装甲剥がれないのかな。実体弾の射程範囲に近づくまでにトゥールハンマーでやられるのか。むむ。

そうそう、ノイエの好きなところの一つに、原作小説のルビに忠実であろうとしてくれるところがある。トゥールハンマーにしてくれたの感謝。実際の発音的にはトールだったりソーだったりは知ってんだよ。でも、原作はトゥールなのね。銀英伝世界ではトゥールなんよ。それを拾ってくれることに感謝しまくってる。
一方で自由惑星同盟をフリープラネッツと呼ばないのはまあ仕方ないやね、と思ってる(笑)。

トゥールハンマーのギミックかっこいい。怖いし最悪の兵器だと思うけど、美しいと感じてしまうのも業が深い。


虐殺の自覚

シェーンコップは敢えて言葉にしたのかな。これは虐殺です、と。
そこに自覚的であるかの確認がしたかったのかな。どうなんだろう。返ってきたのが動揺ではなく肯定。分かっててやってるのか、この人は、となったのかな。
それともむしろ分かっているからこそ、指摘して吐き出させたかったのかな。
フレデリカがそのやり取りをちゃんと心に留めていそうなのが良い。

ゼークトーーーーー!!!!!
武人の心じゃねえんだよー!!!!!!!
いや、百歩譲ってそれは良い。だけど、部下を、周りの乗員を有無をいわせず道連れにすんなー!!!!!!!!!!
一人で死ねや!!!!!
戦場にありながらも、敵でも味方でも一人でも多く生き残ってほしいと思い実行しているヤンにとって、マジギレ不可避なんよな。

帝国艦オペレーターの人たちの目配せ、覚悟を決めたのかな。ゼークトの電文を返信するオペレーターの心境たるや。自分たちの死刑執行書を送信しないといけないんよ?すみません、ミスって消しちゃいましたとかやりたくならんか!?

良くも悪くも帝国軍、どんな命令にもちゃんと従う。ゼークトにそこまでのカリスマはないと思うけど、「卑劣な逃亡者」に自らなって助かる道もないのか。諦めの局地というか、ひでえ。旗艦を失って「敗戦」が確定してからしか逃げられないんだな。辛い。しんどい。

三度目の「撃て」。
怒りではない。もちろん心境的には怒ってるんだろうけど。静かで確固とした意志の声。虐殺が間違ったことだと誰よりも分かってる人なんだよ、ヤンは。辛い。この辺辛いしか言いようがないな。双方。

オベちゃんのシャトル、そのタイミングでトゥールハンマーから脱せられたの奇跡では!?シャトルに乗ってるってことは、別の戦艦に乗せてもらったんだよね。オベの嫌われっぷりも含めて、針の筵100倍とかになってそう。流石オベ。それでも生きることを選択するのが良い。


敵旗艦消滅

消滅すんだよな。怖いよ。爆散とかじゃなくて消滅。原子の藻屑に還元されてしまう。

その報告で喜べてしまうオペレーターたちの無邪気さがしんどい。当たり前だけど、ヤンたちの周りで「喜んで」いる人たちはいない。
いや、もちろんオペレーターも、これ以上戦わなくていいことに対しての喜びも勿論あるとは思うけど。万単位で命が失われたことに対して歓声をあげてしまうことの麻痺が怖い。

それも含めて、ヤンの消耗があるんだな、とわかる構成になってて、ノイエの構成の仕方大好き。人の心を抉る方向に研ぎ澄まされてるぞ☆

フレデリカさんには事後処理だけをお願いして、シェンコの前では本音を吐露していく。虐殺の指摘をして、「わかっている」ことがわかっている人には、本音をこぼしても良いという信頼なのかな。
それとももう真っ平ごめんなので、引き込んでおいて悪いけど私は引退するからね!!ってことを事前通告してるのかな。見たでしょ、引き留めるとか考えないでくれよって意思表示(伝わった上で無視してくるけどな)。

オベが乗ってた連絡船(?)が戦艦にくっついてるの可愛い(笑)。
卑劣な逃亡者になってしまったオベ、打開策は持ってる・・・んだよな。強かでとてもよろしい。諏訪部さんの「・・・さて」が最高すぎて何度も聞いてしまう。

フェザーンの黒狐、満を持して登場。第三勢力がいよいよ登場してきたね。ボルテックさんもここで登場。
次へのつながりとしても完璧だね👍
同盟政府にも繋がりがあって、事態を俯瞰して楽しんでいた節も出してきて、もりもりだぜ、フェザーン。


癒しのCパート

ユリアンが新聞記事読み上げてるのなんかいいな。ただ、その言い回しはなんか帝国っぽいなあ。いや、ユリアンがそれっぽくアレンジしてる可能性もあるか。
それにしてもユリアン可愛い。少年だ。少年の声だ。
自然に酒瓶を没収する養子(笑)。あ・・・って声が出ちゃうヤン。お酒に逃げるのやめなよー。

勝っている間だけの賞賛だと看破しちゃってるもんな。手のひらが簡単に返るのがわかってるから・・・。この辺の「大衆」の軽薄さは現実でも警戒したいし、苦々しく思う部分がめちゃくちゃあるんだよなあ。
そりゃ酒も飲みたくなるわ。

来週はカストロプ動乱。
久しぶりの帝国回。ローエングラム元帥府の面々と、バルバロッサのお目見え。他にも見どころいっぱいでまた体感秒が約束されたな・・・。

ノイエ銀英伝の同時視聴VTuberさんもちらほら見かけてきた。嬉しい。
初見で悲鳴をあげてくれ(おい)

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