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【感想】銀河英雄伝説Die Neue These 1話「永遠の夜の中で」(1stシーズン 邂逅 ep1)

今まで何度も何度も繰り返しみてはいるこの作品を、地上波放映に合わせて週1で1話ずつ、改めて感想をつらつらと書き連ねていこうと思います。
先のネタバレは一応伏せる予定。ワンクッション置くので回避したい人は華麗に避けてください。
エピの順番などはごろっと入れ替わってたりします。リアタイ実況感想ではないゆえ。できるだけ順番に、とは思ってる。

なお、場面キャプチャなどは個人的に是としないので載せません。
放送から1週間以内ならTVerで見られるのでそちらか、各種サブスクか、円盤を買って確認してください。

※感想に関してはBD版をベースにしています。

馬車、貴族、そして戦艦

暗い雪道に静かに響く馬車の音。馬のアップから始まるのが、もう、さいっっっっこうに好き。何度見ても恍惚の溜め息が出る。堪らん。
ノイエは19世紀ごろの文化をベースに構築されてて、現代感覚でちょっと「レトロ」と感じる帝国臣民たちの生活の場、貴族の文化様式が描かれて、それと一緒にお出しされる巨大戦艦。
ちぐはぐにすら感じられるようなのものが、凄まじい緻密さで画面を構成してる。最高。かっこいい。堪らん。

アンネローゼに連れられた小さな頃のラインハルトがいるのもいい。
白い息を吐きながら、宇宙を見つめるラインハルト。まろいほっぺで熱心に見つめてるのが可愛くて可愛くて・・・。

絵としても完璧。
美しい夕映の空に無数に犇く戦艦。それを眺める美しい姉弟。
(夕方から夜にかけての時間帯だと思ってるけど、もしかして朝・・・?いやでもお貴族様方舞踏会やってるし・・?笑)

Binary Starを聴け、何も言わず

日テレ放映では惜しくも削られてしまったOP。
アバンから、赤と白の戦艦が雲海を割って睦まじく飛び上がる流れに何度鳥肌を立てたことか・・・。
聴けって言うかあの映像込みで観て!!!!なので、サブスクか円盤をどうか。1話のアバンからOPだけでもいい。ちょこっと覗いてみて欲しい(ちょっと観たら引き込まれて最後まで観ちゃうからね笑)。

これはUruさんのMVバージョン。フルで公開してくれてるので、曲だけでも聴いていって。

ちなみに2020年にEテレで1話から24話までが放送された時はOPが変わってて。そっちももちろん最高だったんで、興味がある方は聴いてね。
CRYも良い。

本当、絶対どこかで絵ありでみて欲しい。
澤野さんを拝みたくなるから。

世界観説明は簡潔に

下山さんのナレーションで銀河帝国、自由惑星同盟、フェザーン自治領という三竦みの世界観、行き来するための限定された回廊。
それらの位置関係などがさらりといい声で説明されて、ふわっと頭に入れる程度の情報がお出しされる。ここでがっつり情報詰め込まれたら理解しようとつまづいてしまうから、最小限にとどめて次に進むので大正解だと思う。

銀英伝は正直一度で味わい尽くせるものではないと思ってる。
原作小説から、カタカナ名の羅列で苦手な人は人物名を覚えるのにも苦労する(ワタクシのことですとも、ええ)。それでも引き込んで読ませる何かがあって、気がついたら10巻、あるいは外伝の5巻も含めた15巻、読み切っちゃう。で、流れを頭に入れて読み返すと見えてなかった景色が拾えるようになって、それを繰り返すことでどんどん解像度が上がって、知ってるはずの物語で、驚くほどに胸を締め付けられるようになる。
初見の衝撃は本当に凄いし、それぞれのその最初の衝撃は大事にして欲しいんだけど、本当の「辛さ」は多分繰り返し読むことでより鮮明になっていくんだと思う。
引くほど泣いたのは、3回目に読んだ時の7巻だった。察して欲しい。

キャラが本当に魅力的だから。読んで考えて自分なりのキャラ像を立てて解像度をあげればあげるほど、より鮮烈にキャラが「生きて」くれるので、しんどい。本当に。

ノイエ銀英伝も同じ。
一度見ただけだと随分あっさりしてるな?と感じることもあると思う。
自分が実はそうだったから、その感覚は否定しない。でも、ある日出汁の味を舌が繊細に知覚し出すように、彼らの日常としてあるが故の平坦さを理解した途端、溢れ出る生々しさ。日常生活で、いつも一緒にいる人間にどんなテンションで話しかけるのか。過剰な演技を削ぎ落としたそこには、いつも一緒にいる彼ら、そのものだけがある。その、素晴らしさ。

最初からそれを感じられる人は幸せ。その感性を大事にして欲しい。
あっさりしてるな?と思った人も、一度二度と繰り返し見てみて欲しい。見るたびに新しく視線をやれる部分が増えて、その度に視界が広がるように、情報量が増えていく感覚。

絵や音、声と言った表面に出ているものの奥にある膨大な時間と想いと熱と愛が、そしてそれらがもたらす、多幸感。凄いよ。凄いのよ。
だから、最初はあっさりでOK!!!!

・・・さて。ここまで5分も進んでないんよな。困ったね(笑)

星を見ておいでですか、閣下

キャラが喋るのは、これが第一声。
下山さんの良いお声はナレーションなので除外。貴族たち感嘆も、セリフじゃないので除外。
キルヒアイス(CV 梅原裕一郎)がラインハルト(CV 宮野真守)に声をかける、この言葉が第一声。

穏やかで優しく、美しい低音。
応えるのは、華やかで甘い、美しい声。

何が起きた?????

顔がいい。声がいい。

・・・・は???????

キャラが出てきた途端、語彙力飛ぶくらい、何というか、完全にふたりの世界なのね。原作だと艦橋のど真ん中に遮音力場という状況なんだけど、ノイエだと、ラインハルトがお気に入りの人気のないスポットにいる所為で、状況も二人きり。何やねん!!!!!(怒ってないです)

で、星はいいとか応えながら、いきなりラインハルトが「また背が伸びたのではないか?」とか、その前から背を知ってないと出ない台詞を当たり前のように口にする。この時点でこのふたり、ただ部下が上司を呼びにきただけじゃないやんって十二分にわからせてくる。ぐいぐいわからせてくる。

もう伸びないとか、おれより7cmも高ければ(細かい、把握してる、絶対気にしてるやん)とか、会話が続いて・・・はあ。
原作通りなんだよな。もう、原作さあ。・・・・・・好き!!!!!!!

ちょと笑みを含んだような声とか、明るさとか、軽やかさとか、先まで進んで戻ってくると、ここのあたりの会話の印象がより鮮明になります。本当に、凄い。めっちゃ緻密なグラデーションで計算されて作られてるんだなってのがわかる。多分全編通して返ってきたらまた印象が変わる。
だから何度でも見てしまうし、願わくばみんな3回は見て欲しい(笑)

開始5分で特別なふたりなんだなと言うことを、言い逃れの隙なくぶち込んできて、この時点でお腹はいっぱい、心は満足、になっちゃうんよな。毎回。いや、見るけど、続き。

1話は帝国のターンが主なので、至る所でふたりの会話が穏やかに軽やかに交わされていて、幸せだなあ。キラキラしてるよ・・・。

美美美美美美美美美美

とにかくこの場面、青い色調に計器やモニタの仄かな光に照らされたラインハルトが美しくて、もうそこばかり見てしまう。劇場の大画面で見ていたら別の場所に視線がいっていたかもしれないけど、TVサイズくらいまでなら真正面にドーンと、視界に収まる範囲でラインハルトの美しすぎる顔面がばいーんとある。
2秒ごとくらいに、美しさに慄く。こんな顔面の人が四六時中隣にいて平然としてるキルヒアイスの鋼の心が凄い。見慣れた?見慣れんだろ、これは。

「老耄どもが青くなっているだろう。いや、赤くかな」

その上こんな煽りまでかましてくれちゃって。
強気美人さんなラインハルトと、それにしっかりと着いていける有能キルヒアイス。二人は最強(違うやつや、それ)。

ここでサブタイ。「永遠の夜の中で」。
美しい・・・・!!!!
サブタイ明けでブリュンヒルトを舐めてくれるのも最高。
大好きブリュンヒルト。バルバロッサと共に立体が欲しいです!!!(何万回でも言う)

モーショングラフィックの巨大透過モニターもかっこいいなあ。

ノイエの醍醐味、おじさん

ノイエのキャラデザ、キラキラしいとか言われてるけど、それはキラキラしいキャラを見てるからじゃい、とわしなんかは思うわけで。
銀英伝に登場する多種多様な中年から老年までの殿方、そのキャラデザの味わい深さ。これがまた本当に良くて。
たとえばシュターデンのちょっとくたびれた理屈屋っぽくて陰にこもり融通の効かなさそうな感じのキャラデザ、最高じゃない?詭弁家とかそういうのとは違う。愚直に理論で色々測ろうとするけど、そこから事態が食み出ることを考慮できない、限界が定まっている人。絶妙だなあ。にこにこ。

メルカッツの、眠たげなまぶたを装備してもなおかっこいいし。
ファーレンハイトをおじさんに入れるのはちょっと違うのかもしれないけど、THE無骨って感じのキャラデザもいい。

そんなおじさんたち、年上の部下たちに抗議にこられても、勝利を確信しているラインハルトは揺らがない。ラインハルトの見識を疑うことはないキルヒアイスも。

音を鳴らさずに賞賛の口笛吹いてるファーレンハイト、良い!

おじさんたちの副官ズたちちゃんと後ろに並んでるけど、胃がキリキリしてそう。約一名内心ガルガルしてそうな子がいるけど、どうなのかなあ(笑)。


戦艦1,000m級なので、トラム通して正解だと思うな。ノイエ銀英伝のこういう細かな追加ギミック大好き。

これ一場面ずつ感想言ってったら終わらんやつだね。
少し端折るか。

同盟サイド

本来なら予定ポイントのあたりで膠着してその間に右と左の艦隊を突出させて包囲してやれ、って作戦だったはずが、それを看破したラインハルトがむしろごりごりにスピードアップして、想定宙域よりももっと同盟側でど真ん中の艦隊から抉られる羽目になっちゃいました!ってことなんよね。
情報遮断はかけているとはいえ、相手も思考する人間がいるわけで、予想外のことだっていくらでも起こりうる。それでも決断を重ねていける強さって、何なんだろう。
結果から見ている視聴者は、ラインハルトがさくさくと意思決定して、決断しきれない同盟側が無能に見えるのかもしれないけどさ。
戦場で指揮をとったこともない人がさあ、軍事のことで誰かを馬鹿にしたりするの、滑稽だなって思って眺めてる。同盟側は軍事的には「失敗」が多く用意されているので、それに対してのあれこれとかもさ。俯瞰して何が起きているか分かってるから決断できると思ってるだけで、その立場に立ったら何を信じるのかというところから決断しないといけないんだよ?
どういう精神力でそれを乗り切っていくのか、途方もないなあ。

ジャン・ロベール・ラップがやはり何とも格好いい。
戦艦ぶっ壊れた時の応急処置ロボがとても可愛い。えーめっちゃわらわら出てきた頑張れー!!あ、あ、あああああ(どかーん!!)という感じで観ている。同盟側。

で、このタイミングでムーア中将のグルテンカツレツの復刻メニューを出してきてくれるイゼルローンフォートレス(東京上野にある銀英伝のコンセプト ダイニングカフェ 通称:要塞、料理も飲み物も冗談じゃなくて美味しい)、大好きww
そういえばムーア中将たち、カツレツのお皿しかなかったけど、白米要らんの??(日本文化)

スパルタニアン搭乗員が、宇宙空間に投げ出されたまま漂ってんのつら・・・。

ファイエル!!!

第四艦隊攻撃合図の、栄えある作中一回目のラインハルトの「ファイエル」。第二艦隊への攻撃合図へのラインハルト、ファーレンハイト、メルカッツの「ファイエル」3連発。

っっっっっっっっっかあああああ!!!!!

かっこいいよぅ!!!!
作中でいろんな人が「ファイエル」!!っていうわけだけども、やはり1話目でのこれは印象がすごく強い。しかもこの三人。はああ!!!!

「沈めよ」もカッコ良すぎて堪らんよね。はあああ。堪らん堪らん。

Si☆Ri☆

言ってる間にヤンの通信が入っちゃうんよね。あっという間。まじで体感秒単位。で、何度見ても音楽が切り替わって同盟戦艦艦橋に立つ誰かさんの尻からカメラが上に上がっていくところで鳥肌が立つ。ここでも。
もう、1話通してぞくぞくしっぱなし。
帽子被り直してる姿を見せることで、こっから何か反撃が起きるんだと予感させる強烈な引き。
来週も見なきゃね!!!!!!!!!!!

まとめ

世界観の提示から、今まさに反撃に出ようとしている同盟側の新キャラのお尻で終わる1話。親友が隣にいてきらっきらに輝いているラインハルトが味わえる1話。
視線の動かし方、手の表情、瞳の輝き、睫毛に透ける蒼氷色の瞳の煌めき。
各キャラの魅力も、お話の面白さも、これで完全に入り口。

激突・策謀で劇場公開で浴びるノイエ銀英伝の良さを知ってしまったので、どこかのタイミングで、また是非劇場特別公開して欲しいなと思わずにはいられない。邂逅は劇場フォーマットはないんだっけ。わざわざ作ってまでは難しいのかなあ。

何にしろ、完璧な1話でした。ありがとうございました!!!!
(同盟のターンになったらもう少し落ち着くと思います笑)

TVerで配信してるよ