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続くその先に〜美術館さんぽ12/22〜

「祈り・藤原新也」世田谷美術館

冷たい雨が降っていた。
午後には止むと言うが、斜めのラインが見て取れるような降り方。
出かけるのに躊躇した。

でも行こう。
11時に時間予約もしてあるのだから。

植え込みから訴えかけるような

季節ごとに訪れている世田谷美術館。
砧公園内にあり、自然豊かな立地。
よって地面はきっとぬかるんでいる…
そう見込んで足を突っ込んだ日本野鳥の会の
バードウォッチング長靴。


雨のいらか道

最寄りは東急田園都市線・用賀駅。
バスも出ているが、徒歩でも20分ほど。
この「いらか道」がいい。
木々の眺めが楽しい。足元には和歌。
こんなところに畑が!
あちこち眺めている内に砧公園入り口が見えてくる。
途中に案内板で美術館の方向が示されているので安心。

ヒマラヤ杉

早めに着いたので園内を散策する。
長靴だから水たまりも怖くない。

冬に咲く種類のサクラらしい


さて入場。
こんな天気のせいか空いていた。

藤原新也を知ったのは小説「鉄輪」。
私は20代後半に大分県・別府に一人旅をした。その時訪れたことがある。

出身は福岡県・門司市だという。
家庭の事情で移り住んだのが鉄輪。

「鉄輪」以外にエッセイを一冊読んだくらいで「メメント・モリ」も読んだことがない。

だけど企画展は気になっていた。
何度か再放送された「日曜美術館」で予習。

本展は初期作から最新作までの写真作品を一堂に展示。
館内は一部を除いて撮影可能。

でも撮らなかった。
自分の目で、じっくり吸収したかった。

中には残酷と感じる作品もあるかもしれない。でもそれは、ありのままの眼差しだ。
生死を見つめた写真家の眼。

フロアを歩き回りながら半ば放心していた。

ある時はインドの雑踏の中に
ある時は足を踏み入れられない場所に
ある時は故郷を訪れているように
次々と流れる景色の中を私は歩いていた。

タイトルにある「祈り」の意味を知りたくて
公式図録を購入。
書き下ろしの文章が添えられている。
帰り道のスタバでページを開いた。

これは腰を据えて読まなければ。
死を想え
生を想え
帯に書かれたメッセージを受け止めたい。


セタビカフェでキッシュランチ




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