金沢駅

「まいどさん」とオーダーメイド散歩/江戸の空気残る寺町で落ち着く/金沢市

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 「もうホテルの名前が覚えられなくてね、困ってるんですよ」。タクシーの運転手がぼやいていた。建設ラッシュの上、彼らにはよくわからないカタカナ名のホテルや小さなゲストハウスが激増しているのだ。
 昔から金沢は観光地として人気だったが、2015年の北陸新幹線開通で観光客が急増。特に女性と外国人が増えた。巨大な鼓門(つづみもん)がそびえる金沢駅には、多数の外国語が飛び交っている。
 人気の秘訣は様々な見所がある点だろう。食、工芸、城、庭園、街並みと、とても1日で周りきれるものではない。さーて何を書こうか。
 困って金沢在住の知人に知恵を借りると「それなら『まいどさん』に頼めば。こないだお願いしてとてもよかったから」。地元の人が言うのだから間違いないが、はて「まいどさん」とは?
 「まいどさん」とは金沢の方言で「こんにちは」ぐらいの意味。それが金沢観光ボランティアガイドの会の愛称になっている。知人はこのガイドの会に聞いてみれば、とアドバイスしてくれたわけだ。会員数は300人を超え、西茶屋街東茶屋町長町という主要観光拠点に常駐し、情報提供はもちろん、手が空いていれば同行してガイドしてくれる。さらに素晴らしいのは、事前に時間、希望場所、内容などをネットで申し込むと、最適任のガイドを選んで希望に沿ったガイドをしてくれるのだ。
 私は寺町の案内をしてもらうことにした。お城も兼六園も行ったことがあり、茶屋町は賑やかすぎてためらうと言うと、「まいどさん」の方から寺町を勧めてくれた。

小イラストまいどさん構図

       「まいどさん」案内してもらった西茶屋町

 待ち合わせ場所に行くと、制服のウインドブレーカーを着、帽子をかぶった上品そうなご婦人が現れた。手にはたくさんの資料が入ったバッグ。案内を始めていただいて舌を巻いた。私はどこかに出かけてもあまりボランティアガイドは頼まない。申し訳ないが知識の質が自分で調べて行くレベルと大

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