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【実演見学】玉鋼への銘切り

 先日、小倉城庭園の企画展 【日本刀の美~今に生きる九州の刀匠たち】へ行ってきました!

本企画展は、九州各地で活躍している14名の刀匠の作品を集め、刀匠の生きざまなども紹介するような展示を試みました。

公式ホームページより

 庭園展示室の一番奥は壁四面がガラス展示ケースになっており、そこにずらりと並ぶ現代刀の数々! 私は刀に詳しくないので、正直ぱっと見どれも同じように見えてしまうんですが、キャプションやパネルの説明も分かりやすく、楽しむことができました。ひとつずつじっくり見てみると、確かに刃の部分の模様が違ったりするんですね。この模様を一つ一つ覚えている刀好きの皆さんはすごいな……!
 たまたま私が行ったこの日は、刀匠たちがいらっしゃってる日でした。(木村兼光さん、小宮國天さん)そして実演販売、見学をさせていただけるとのことで。種類はアルミ板、真鍮、玉鋼の三種類、それらのプレート(手のひらに乗る程度の板片)に鏨(たがね)一本で名前などを刻んでくださる、ということでした。

※写真撮影許可済/小宮國天さん

 これがねえ……! 見てたらなんか、格好良くて!
 実際に金属片をそれぞれ触らせていただいたんですが、重さが全然違う。特に、刀や鍔の原料となる玉鋼、こちらの重さや色合い……風合いっていうんですかね……めっちゃ渋くて。これに名前を彫ってもらったら格好良すぎるなーって思わず想像してしまいました。

 アルミや真鍮に比べて、ちょーっといいお値段がしたんですけども。ボーナスも出たので()自分へのクリスマスプレゼントということで! お願いしてきちゃいました。

「銘を切る」という作業。
裏表とあって、両面お願いしたら快く受けてくださいました。ありがとうございます!

 なんだか、自分のお願いした文字を入れてもらうというのは、ドキドキするものですね……。それが自分の大事にしている文字列とあらば、なおさらのこと。昔、刀を実際に差して歩いた時代の人々も、こんな気持ちだったのでしょうか。玉鋼の板はいくつも種類があって、よく見ると色合いや厚さなどが微妙に違いました。その中からお気に入りの一枚を見つけ、さらに文字が刻まれると、なんだか特別感が増した気がしました。

 そして入れていただいた文字がこちら。

表:細川越中守
裏:忠興

細川越中守忠興』!!!

めちゃくちゃかっこよくてすご~~~~~~~!!!!!

 字の雰囲気もものすごくかっこいい……! これ、博物館の図録とかで見たことある!! 刀に掘ってあるやつだ!!(※それをしてもらったんです)本当に嬉しい……大興奮しちゃいました……ありがとうございます! 良いプレゼントになりました!

 ところで、帰ってから「どうして銘を彫るとか刻むとかじゃなくて、切るなんだ?」と思いました。展示会場では宝物を手に入れたことで、うっかり刀匠に訊ねるのを忘れてしまいました。で、ざっくりと調べてみたんですが、金属を「掘る」と、鉄くずが出るばかりで文字は刻めないそうです。鉄くずが出ると、金属(刀)そのものの体積が変わってしまう。鉄くずを出さず、体積を変えない方法が『銘を「切る」』ということです。鉄の表面に切り込みを入れる→窪みを作って名を入れる、という流れらしいです。へ~~! またひとつ勉強になりました。
 公式ホームページによると、まだ企画展の期間はありますし、刀匠がいらっしゃる日もあるみたいです。気になった方は、是非、小倉城庭園へ!

おまけ。これは夜に撮影した小倉城。
庭園からはこんな角度で遠景に眺めることができます。良き!

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