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眼科検査の正解が気になる話

最近、眼を手術した(またすることになった)関係で、去年からすごい頻度で眼科に通っている。

その中で、私がいつも気になって仕方ない数々の検査がある。

①眼圧の測定

これは、気になっているというより、私が昔から最も苦手としている検査である。

機械に顎をのせて額をつけ、カメラのファインダーのような黒い穴を片目で覗く。

すると、奥に黄緑色の光が見える。

その光をまっすぐ見つめていると、しばらくして光のほうからプシュッと空気が出てきて、目に当たるというシステムだ。

私は毎回、空気が目に当たる瞬間に必ず目をつぶってしまい、左右で各2回ずつくらいはやり直しになる。

私と機械、双方の準備が完了すると、検査技師的な人が

「空気が出てくるので黄緑をまっすぐ見つめてくださいね〜瞬き我慢〜」

などと声をかけてくるのだが、事前にお知らせがあるとビビって逆に瞬きしまくってしまうのでやめてほしい。

あと、「行きまーす」と言ってから空気が出るまでのタイミングが任意なのも困る。

「3、2、1、ハイ!」で出してくれれば、ゼロの瞬間だけがんばって目を見開くこともできるかもしれない。

というかそもそも、人間の目って異物が入ってきたら勝手に閉じる仕組みになってるのでは?

そうじゃないと、もし伊坂幸太郎の『オーデュボンの祈り』に出てくる城山みたいなやつに遭遇して、いきなり理由なく目潰しされる状況になったらまずいよね。
されるがまま、潰されっぱなしになるよね。

「目に空気当たりますよ〜」と言われて反射的につぶるのって、めちゃくちゃ正常じゃないのか。

他の患者さんは、右、プシュッ、左、プシュッ、の計2回であっさり終わっていて、まじですごいわーと真剣に尊敬の念を抱いている。


②犬を檻に入れる(もしくは、車をガレージに入れる)検査

機械に顔をのっけて、2つの黒い覗き穴を双眼鏡みたいに覗き込むと、右目側に犬、左目側に檻の絵が映し出されている。

検査技師の人が、機械の左右についたレバーを操作する(自分で操作する場合もある)。

右のレバーは右目の絵(犬)に、左のレバーは左目の絵(檻)に対応していて、「犬が檻に入ったら教えてくださいー」と言われる。

レバーの動きに応じて、犬と檻が近づいたり離れたりする。

だけど、私の場合、犬が檻に入ることは一生ない。

犬と檻は、めちゃくちゃ近づきはするのだが、現界まで近づくと、それぞれの端っこが見切れはじめる。

犬と檻の絵は、それぞれ正方形のカードみたいなものに描かれていて、これをゲームボーイのカセットのように差し替えることで、たとえば車とガレージの絵にもなる。

でも、なんの絵でも結果は同じである。

検査はいつも、

私「うーん、檻には入りませんねえ」
検査技師「近づきはしますか?」
私「はい、近づきはするんですけど、ある程度までくると画面から見切れます」
検査技師「そうですかー。分かりました。OKです」

というかんじで終わる。

正解を教えてほしい。

幼い頃から諸々の眼科的疾患があり、幾度となくこの「犬を檻に入れるやつ」をやってきた私だが、結局どうなるのが正解なのか分からない。


大人になって、

「目のはたらきが正常で両眼視(両目でものを見ること)ができる人は、もしかしたら犬が檻に入るのかもしれない。

右目で見たものと左目で見たものが真ん中で像を結んでどうこう、みたいな話なのかな」

という仮説は立っているものの、そもそも目が正常な人はこの検査をしないだろうから真相はいまだ闇の中である。

私からするとあの犬があの檻に入ることなんてありえないけど、意外とみんなすんなり入るのだろうか。みんなの犬はお利口さんなのだろうか。

ちなみに、どんな検査か伝えたくてネットで画像を探したが、ペットのしつけに悩む飼い主さんのヤフー知恵袋しか出てこなかった。謎。


③マス目の上で矢印を動かす検査

これも②と同じく、機械を双眼鏡のように覗き込む。

すると、左には緑の方眼紙、右には赤い矢印が映し出されている。

たぶん、方眼紙の上で矢印をどうにかこうにかする検査なのだが、私の場合、まず方眼紙の上に矢印がのっていない。

検査技師「いま、赤い矢印と緑のマス目は重なってますかー?」

私「いや、重なってないですね」
検査技師「どんなふうに見えますかー?」
私「左に方眼紙があって、右に矢印があります。矢印の背景は真っ黒です」
検査技師「そうですかー。分かりましたー。じゃあ、次に行きましょう」

本当なら、これから何が始まるはずだったのか。

方眼紙の上に矢印がのっていた選ばれし人々には、いったいどんなネクストステージが待っているのか。

私がまだ見ぬ先の景色を知っている人がいたら、ぜひ教えてほしい。

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