黒戌堂プロダクツ

プロダクツって付いてるけど個人。映像制作団体ボラッチョプロダクション脚本担当。コント・…

黒戌堂プロダクツ

プロダクツって付いてるけど個人。映像制作団体ボラッチョプロダクション脚本担当。コント・漫才書いたり、コミケや文フリで小説を出したり。日本劇作家協会所属。

マガジン

  • 使用フリー漫才・コント(夏コミ原稿中に付き休止中)

    使用フリーの漫才・コント台本です。 舞台上演、小説、脚本等のすべての制作物に、そのまま、または改変しての使用、引用が可能です。 制作物への作者・原作表記は必須ではありませんが、記載いただけるのであれば「黒戌堂プロダクツ」として記載ください。 また、使用される場合はコメントを残していただけると次回作以降の励みになります。

  • 電脳戦艦アゴスト Episode.1(隔週日曜更新)

    奥田はつまらない傷害事件で約三年の服役を課せられ、今日釈放されたが、その直後、突如現れた正体不明の黒服に倒され車に載せられてしまう。 しかし天才的な洞察力でその男の正体が警察官であることを見抜いた奥田は、殺されることは無いだろうと身構えるのをやめ、おとなしく着いていくことを決める。 たどり着いたのは、軍から払い下げとなり、新たに「巨大警察署」として生まれ変わった戦艦「アゴスト」。 奥田を呼び寄せたのは、アゴストの艦長であり、遠い昔に離れ離れになった双子の姉だった。

  • 昔話を俺流リライト

    同人小説サークル「ヴォイニッチ絵日記」 2016年11月 文学フリマ・東京で頒布の「ヴォイニッチ・マガジン」創刊号掲載作品。

最近の記事

夏の夜の見知らぬオッサン

高校2年、夏休みの話。 高校生の夏休みなんて夜更かししてなんぼみたいな所がある。 深夜1時過ぎくらい、二階の自室で漫画を読みながらそろそろ寝ようか等と思いぼーっとしていると、リビングや両親の寝室がある一階から 「ン何やってんだオイゴルァアア!!」 というメチャクチャな親父の怒号と何かを蹴るような音が響いた。 びっくりして階段の下を覗き込んだが姿は見えない。 最初は両親が喧嘩しているのかと思ったがオカンの声は聞こえない。 そもそも大喧嘩するような仲でも無いし、親父もこ

    • お久しぶりです

      生きてます。 生きてますが深キョンと同じ病名がついてたのでひっそりとしてました。 ここ半年くらいで動けるようになったので、書いたりするのを再開します。 具体的には2022年5月29日にある文学フリマ東京(テキスト系だけのコミケみたいなやつ)へ久々に出ます。 アゴストはそこで本としても出します。 あと使用フリーネタとかも。

      • 「治る予定」

         男はスケジュールを立てるのが酷く下手だった。  仕事の用事に穴を開けそうになったことも一度や二度ではない。  このままではとんでもないミスを犯して会社を追われてしまうと危機感を覚えているのだが、どうしても治らない悪癖だった。  その日も男は苦々しい表情で昼間のミスを悔み、憂さ晴らしとばかりにガード下のちょい飲み屋で酒をのんでいた。  そして、その日何回目かの深い溜め息をついたときだった。 「どうしました? なにか悩みがありそうですね」  隣で静かに飲んでいた白髪の老紳士が

        • 夏コミ終わったけど今度は動画

          どうも相変わらず更新頻度が安定しない者です。 FRENZという動画イベントに出展する動画を作成中なのでまたお休み中。 お休み中っていうか俺は休んでないんだけど、文章お休み中。 ちなみにFRENZのサイトはこちら。チケットは売り切れ済み。あしからず。 http://frenz.jp/

        夏の夜の見知らぬオッサン

        マガジン

        • 使用フリー漫才・コント(夏コミ原稿中に付き休止中)
          13本
        • 電脳戦艦アゴスト Episode.1(隔週日曜更新)
          24本
        • 昔話を俺流リライト
          2本

        記事

          電脳戦艦アゴスト 1-22

          「あの子、本当にすごく頭がいいですね。メンテナンス端末経由でってのは目からウロコでした」 「そう?」  記録係の男性警察官が友莉亜に話しかけるが、友莉亜はまったくもって予想通りだったわよ、と言わんばかりの反応をする。 「そう……って……え? なにかありました?」 「頭がいいのはもちろんわかってるけど、注目しなきゃいけないのはそこじゃないわよ? 前家くん、明らかに不自然なこと言ったもの」 「不自然? ……すいません何のことだか……」  記録係はゆっくりをあたりを見回しながら考え

          電脳戦艦アゴスト 1-22

          電脳戦艦アゴスト 1-21

           その瞬間、顔がこわばるのを必死で抑えた。しかし動揺が抑えられない。耳がキーンと鳴る。『焦り』よ、声に出るな、と祈りながら声を繰り出した。 「前家くんって、お父さんの影響でプログラマー目指してるんだよね? 何か、そういうコンテストで世界大会にも出たことあるんだって? だから、専門家としての意見が貰えるかなって」 「あ……ああ、なるほど。そうですよね」 「どう思う?」 「そう……ですね」  ……ここをミスると確実にアウトだ。一旦落ち着け。考えるふりをしておけば時間はいくら使って

          電脳戦艦アゴスト 1-21

          電脳戦艦アゴスト 1-20

          「あの……」  できるだけ、おどおどしているように手を上げた。 「……はい、何でしょう?」 「その、身代金は、合計でいくらなのでしょうか?」 「一人あたり、五億。計三十億です」 「なんですって!」 「三十億!」  周りの家族は口々に叫び出す。 「……払えます。三十億」  目の前に居る大叔父夫婦達が驚きの顔をする。 「なっ……」 「ちょっと……!」  熊谷刑事が驚きの表情で聞いてきた。 「えっ!? さ、三十億用意できるのですか……?」 「はい。今入院している父の遺産がほぼ同じ金

          電脳戦艦アゴスト 1-20

          夏コミ作業中……

          忘れてた。 現在、夏コミの原稿作成中なので、また漫才は休止中です(事後)。 アゴストは書き溜めたのがまだあるので更新します。

          夏コミ作業中……

          電脳戦艦アゴスト 1-19

           会議室に悲鳴と怒号。  警護官が必死でなだめる。数名の女性は泣き崩れて立ち上がることもできない。  自分は、ショックを受けた様子を装い顔を伏せた。 「きゅ、救出できるんですか! ドアや窓を破壊するとか!」  そう問われた熊谷は、沈痛な顔で言葉を返した。 「それが……脅迫文にはこうも書いてあったのです。  『呼吸介助用の酸素を部屋に充満させてある』と」 「え……?」 「あの病室は、呼吸機能改善のために部屋内の酸素濃度をコントロールできる機能もあるのですが、今回、そのシステムも

          電脳戦艦アゴスト 1-19

          電脳戦艦アゴスト 1-18

          第二章 問いと意図 その日の朝、いつもと同じように父の見舞いに病院へ訪れた。  受付横の自動受付機でセキュリティカードを受け取ると、病室へ向かう。  個室内に入ると、いつものように父は眠っていた。もう、三年になる。脳障害自体は回復しているとのことだが未だ目覚めていない。医者の話では、脳に極端なストレスがかかった状態で昏睡状態に陥ると、脳組織的には回復していても意識が戻らないままになる事例があるという。こうなってしまうと、今すぐ目覚める可能性もあるし、一生目覚めない可能性もある

          電脳戦艦アゴスト 1-18

          使用フリー漫才「分解する」

          この漫才・コント台本は使用フリーです。 舞台上演、小説、脚本等のすべての制作物に、そのまま、または改変しての使用、引用が可能です。 制作物への作者・原作表記は必須ではありませんが、記載いただけるのであれば「黒戌堂プロダクツ」として記載ください。 また、使用される場合はコメントを残していただけると次回作以降の励みになります。 ※先々週に続き更新が遅れましたが、今回は単に思いつかなくて難産だっただけです。 ============ ツ「はいどうもー」 ボ「どうもーよろしくお

          使用フリー漫才「分解する」

          電脳戦艦アゴスト 1-17

          「ガイ……くん?」  奥田が斜め前の席に座り、カレーを食べながら不思議そうな顔をしている。 「あ、この福神漬けうめえな」 「……出ていったんじゃ」 「は? いや? 居たよ?」 「部屋に……」 「ああ、寝床は色々あってカプセルの方を使ってた。なんだ、把握してなかったのか?」  友莉亜は、色々思うところがあったがまず第一に、奥田の見た目について聞くことにした。 「あの……何その格好」 「ツナギ」 「……は?」  奥田は、商業区各を整備する作業員のツナギを着ていた。 「いや、ここに

          電脳戦艦アゴスト 1-17

          使用フリー漫才「詳しくなる」

          この漫才・コント台本は使用フリーです。 舞台上演、小説、脚本等のすべての制作物に、そのまま、または改変しての使用、引用が可能です。 制作物への作者・原作表記は必須ではありませんが、記載いただけるのであれば「黒戌堂プロダクツ」として記載ください。 また、使用される場合はコメントを残していただけると次回作以降の励みになります。 ※日曜から更新再開と言いながら今日更新になりましたが、主な理由はディズニーランドに遊びに行ったからです ======== ツ「はいどうもー」 ボ「ど

          使用フリー漫才「詳しくなる」

          来週から復帰

          楽しみにしていただいている奇特な方、お待たせしました。 文学フリマとコミティアの原稿執筆などで更新を中断していた「電脳戦艦アゴスト」と「使用フリー漫才台本」の更新を今週末(2017/5/28(日))から再開いたします。 まずは漫才の方から。 て言うか、漫才台本はリアルタイムで書いてたんで更新は止まって然るべきなんだけど、アゴストは書き溜めてあるんだから更新すりゃよかったんスよね。(忘れてた) お待ちもしてないし特に楽しみにしてなかったという方。 良いから試しに読んで

          電脳戦艦アゴスト 1-16

            ***  三日後。  朝から業者が出入りし続けている忙しそうな商業区画を抜け、友莉亜は食堂へ入った。  コンビニゾーンは十日後くらいから稼動し始めるはずだ。急ピッチで外装が整備されているのと同時に、店員の制服を着た人間が什器を組み立てていた。二、三日後には日用品あたりから陳列され始めるのだろう。  そういえば昨日、一昨日と結局カレーを食べそこねた。仕事が忙しくて出来合いのお弁当を自分のオフィスで食べていた。  この場にカレーを作りに来ているのは警察大学校の学食を作ってい

          電脳戦艦アゴスト 1-16

          電脳戦艦アゴスト 1-15

           奥田は廊下を歩き、何台かの台車とすれ違った。  気づくと、アゴストに到着した際に乗ったリフト前にたどり着いていた。同時に、金網シャッターが開き、中からまた数台の台車に大量のダンボールを載せた作業員が降りてきた。  奥田は廊下の端に寄り、それらをやりすごす。リフトには誰も残っていない。  なんとなく、なんとなくそれに乗ると、勝手にシャッターが閉まり下りはじめた。  奥田は特に何も考えていなかった。そのへんをうろついて、ひと通り巡り終わったらまた部屋に戻ろうと考えていた

          電脳戦艦アゴスト 1-15