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ディズレーリ 人を惹きつける天才とは?

あなたには尊敬したい人がいるでしょうか?

僕は尊敬したい人と言われるとすごく迷いますが、ふとした時に思い出し、調べる度にすごい人だと思っている人物が一人います。

19世紀のイギリスで活躍した政治家、ベンジャミン・ディズレーリです。

歴史に詳しい方は世界史の教科書に登場しているのを覚えている方もいるかもしれません。彼はどういう人物なのでしょうか?彼の歴史を大まかに挙げて彼を好きになった点をお話しできればと思います。

ユダヤ人でありながらイギリス首相にまで上り詰めた

ベンジャミン・ディズレーリは、ユダヤ人の生まれでした。
そのため、幼少期は、世間から蔑まされた目でみられ育ったこともあるようです。
当時、ユダヤ人は世界から迫害を受ける人種でした。
それはイギリスでも例外ではありません。
彼はそういう自分の出自が嫌いだったようです。そのために、上流階級の仲間入りを果たすという夢をこの時持ちました。
そんな逆境の中にいるはずの彼はその夢を手にして成功し、見事イギリスの首相まで上り詰めたのです。
しかし、その人生は決して平坦ではない人生でした。

人生で破産を経験する

青年期、ディズレーリは父の勧めで弁護士事務所の仕事に着きます。
しかし、弁護士としての仕事はあまり興味がなかったようです。
こんな仕事をしては将来は大物になれない。
そう言っていた彼は、父に大物にすぐになれる訳はないだろうと説得されて渋々、弁護士事務所に身を置いていたのですが、ライン川の旅行に出た時に、仕事を辞めようと思い立ち、弁護士事務所をやめてしまいます。

そこから彼は、南米鉱山の投資に興味を持ちます。
しかし、鉱山の投資に大損を出し借金を抱えてしまいます。その借金を取り返そうとした鉱山会社はディズレーリに鉱山会社の宣伝の記事を書くように依頼し、ディズレーリも宣伝を引き受けることになりました。ですが、鉱山株の暴落がまたしても起こり、友人と鉱山の投資に思いを馳せるも結局、投資は泡水に帰すことになります。

小説家への道

ディズレーリはとても文章能力が高いと評価されていました。
その実績が彼の心を支えていました。
破産したディズレーリは、文章業で生計を立てることを夢見ると、小説の出版を行いました。
その小説の中で、自身の野望を投影した作品を出版します。
政界での成功を野望に持つ主人公が出世して政界の中枢に躍り出るという物語です。その小説は一躍有名になりますが、すぐに何も政界のことを知らない人物が小説を書いたのだとわかると、ディズレーリは批判を受けます。
その後、ディズレーリは神経衰弱を患い、婚約者と南欧に旅行に出かけるのですが、旅の途中で婚約者が天然痘になり、死去してしまいます。ディズレーリは帰国の途に着きます。

政界進出と宿敵との出会い

帰国したディズレーリはその後、友人の政界進出を受けて、選挙に興味を持ち始めました。
その時、ディズレーリが出馬したのは、急進派の国民からものすごく嫌われた党からの出馬でした。友人の伝手とは言え、ディズレーリの出馬は最悪の場所からのスタートでした。ディズレーリは4回も選挙に出馬しますが、最下位で落選したり、票数はいつも伸び悩みで落ち続けます。
その時、生涯の宿敵となるグラッドストンと出会います。
グラッドストンはディズレーリのことを何も覚えていなかったと証言していますが、ディズレーリはこの選挙で彼に負けたことがすごく悔しかったのでしょう。この時から宿敵として彼の名を上げていたようです。
そしてやっと5回目の選挙で当選を果たします。

政界に揉まれながらついに第一党党首になる!!

しかし、ディズレーリの戦いはさらにこれからでした。
選挙に当選したので、ディズレーリはお得意の文章で、当時の内閣であるピール内閣に組閣できるようにピールとの仲を深めます。
また新聞に、女王がピールを批判してもピールを庇う文章を投稿しています。しかし、ディズレーリの実力ではまだ内閣の一員になるにはほど遠いと言わざるおえないほどに実力がありませんでした。
それからディズレーリは逆にピール内閣を倒す方向へと傾きます。その結果、ピールは別の組織を作り上げ、ディズレーリたちの派閥と対立を始めるのです。その中に宿敵グラッドストンがいました。
そこから彼は、ダービー卿の元、大蔵卿に着任して勢力を伸ばしていきます。そしてダービー卿が体調不良に陥った時、彼はディズレーリを首相へと押したのです。

ディズレーリ内閣の活躍

ディズレーリは、グラッドストンたち保守派との2大政党政治を行ったことで有名です。ディズレーリ内閣は普通選挙を改正し、選挙権の拡大を図ったり、スエズ運河の買収を行う、キプロス島の入手など、イギリスが大帝国と名を馳せた時代の基礎を作っていきます。ディズレーリは時代の流れによりイギリスの未来を切り開いていったのです。

ディズレーリについて調べてみて

僕はディズレーリが残した言葉ですごく好きな言葉があります。

「あなたが他人にしてあげられる最も偉大なことは、あなたの富を分け与えることではなく、その人が持っている素晴らしさを示してあげることだ。」

The greatest good you can do for another is not just to share your riches but to reveal to him his own.

その他にも成功者として素晴らしい言葉を残しているディズレーリですが、僕は他人にしてあげられる最も偉大なことは素晴らしさを示してあげることだというこの言葉が大好きです。人を育てる立場になる人はどうしてもよくなれと願うからこそ相手の悪いところを批判しがちです。
そうして育った人はどうしても他人の悪いところに目が行きがちになってしまうような気がします。人の本質としてそういう面が強いのでなおさらです。また何かしてあげたいという人間の本質はだれしも持っていても、その気持ちとは裏腹に、お金やモノだけで人の成長は解決しないのだなということを人を指導する立場になればなるほどに痛感させられます。

人を導く人というのは、相手の素晴らしさに気付ける人間であること、そしてその余裕を持つ必要があることなのかもしれませんね。

そしてなんだか文章を書くのが好きというところも、若い頃に興味がないからといって法律事務所をやめてしまう彼の無鉄砲さもなんだか自分と重なるところだと思っています。
政治家になるっという彼の夢ほど大きいものは持っていませんが、僕はいつか彼が目指したように小説家として、また大物として成功して行けたらという夢を持っているところがすごく似ていて好きです。
彼のような才覚があるかは別ですが、彼の不屈の精神を見習って僕も頑張っていきたいと思いました。

ここまで読んでくださりありがとうございます。
それではまた!!

参考資料↓


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