GAME OF THRONESの原作を読んでみた その1

こんばんは。

このnoteでは趣味(読書、海外ドラマ、映画、ゲーム、愛犬、旅行…など)について、自分の記録用として気ままに書いていきたいと思います。

ということで、2001年から2019年にかけて全8シーズンに渡って放送された超大作ファンタジードラマ、ゲームオブスローンズの原作を読んだ。

私がドラマ版を見ていたのは挫折期も含めて2019年5月頃から2020年3月頃まで。もともとエミー賞で数々の部門で受賞していたりして、タイトルは知っていたもののファンタジー作品があまり好きではないので、食わず嫌いをしていた。

……のだが、いよいよファイナルシーズンが放送されるとなった2019年。外国人の友人から好きなポッドキャストのホストまで私の周りのあらゆる人がGOTについて語るようになり、ついに興味が湧いて手を出してみて、うっかりハマったというわけだ。

そして最終話まで見終ると、人生でエンタメに対して「●●ロス」を覚えました。完全なる「GOTロス」に陥ったのだ。
大げさではなく、毎日GOTに思いを馳せる日々…。

ドラマ版をもう一度見返したい気持ちもありつつ、なかなかまとまった時間が取れない時期だったため(どうせ見るなら一気に見たいよね)、原作を読むことにした。

George R.R. Martinによる"A Song of Ice and Fire"シリーズの第一作"A GAME OF THRONES"のペーパーブックを買った。

しかも無謀なことに英語版を。

勉強をしていたので少しだけ英語は分かるものの、ページに並ぶのは見たことも無いような難しい単語ばかり。いちいち意味を調べていたら全く読み進められそうも無かったので、そこはさっと流し…。

ドラマで見た光景や展開で補完しても、たぶん全体の6割くらいしか理解できていないと思う(笑)

でも、それでも面白かったのだ。

GOTではキャラクターのモノローグがアテレコされるわけでもないので、ドラマ版では感情はあくまでもキャラクターの表情や声色から察するしかないわけだが、小説版には詳細な心理描写が描かれている。

なのでドラマ版では分からなかった、あのキャラクターがあの場面で何を考えていたのかということを知ることができるのだ。

それからキャラクターたちの年齢の若さにも驚いた。ドラマ版では俳優の年齢が上なこともあって、もっと年上だと思っていたが、ネッドやキャトリンは35歳。

もう10個は上だと思っていたのでその時点で驚き。
しかもキャトリンはリコンが産まれてそろそろ3年が経つし、もう一人くらい子供をネッドに授けてあげたいとも思っていた。

ロブは14歳で挙兵し、ジョンも同じく14歳でナイツ・ウォッチに加盟する。デナーリスがカール・ドロゴと結婚し、妊娠し子どもを亡くし寡婦になったのも14歳。サンサは12歳で婚約し、父親が斬首される瞬間を目の当たりにする。(時間の経過がつかめなかったので、もしかしたらもっと年を重ねているかもしれないけれど)

いやいや、誰も彼もがみんな、若すぎる。幼過ぎる。
実際に中世や、そこまで遡らなくてもつい50年やそこら前までは10代や遅くとも20代前半で結婚・出産することが当たり前だったし、GOTの世界でも15歳で大人と見なされるとはいえ、私の感覚からすると幼過ぎる。

ドラマ版でロブがウォルダー・フレイとの約束を反故にしてタリサと結婚したときは、「絶対後で仕返しされるに決まってるのになんてことするの! 王ならもっとよく考えて、私欲より自分の軍にとって有利になるような身の振り方をしてよ」と思ったものだけれど、そりゃあそんなに若ければ好きな人と結婚したいよね…。恋に落ちちゃったんだものね。
理屈より、夢や希望を追いたくなったしまったというか、そこで約束を反故にしてもなんとかできるだろうと思ってしまったあたりが、若さゆえの甘さというか、いやもう仕方ないよね…と思ってしまう。

デナーリスの境遇はどう考えてもやっぱり辛いよね。彼女が私と同じ女性であるということも大きいのかもしれないけれど、ことばも通じない身体の大きな戦闘部族と結婚させられて、意思の疎通もできないままに初夜を迎える。

だけどドラマ版では初めてドロゴに抱かれたときにデナーリスが泣きながら、共通語が話せないドロゴに対して「NO(という単語)しか知らないの?」(というようなこと)を言っていて、無理にされている感じがあったのだけれど、

原作では恐れる気持ちがありながらも、割と積極的に受け入れているような印象だった。
ドラマを見ていた時は、いつの間にデナーリスはドロゴのことを愛するようになったんだろう…?って思っていたけれど、原作を読むとなんとなく納得するような気がする。
ことばが通じなくても、通じる何かがあったような雰囲気。

それにしてもデナーリスもサンサも、現代の日本人だったら中学校に通うくらいの年齢で結婚(婚約)したり妊娠したりすることを、当たり前に受け入れるというか、貴族の女性として生まれた自分の義務として疑うことなく、抵抗することなく受け入れていて、それはきっと二人に限らずサーセイやキャトリンやその他の女性陣もきっとそうなのだろうけれど…、自分の身に置き換えて考えてみると絶対にそんなことできないし、

だからこそGOTの女性陣の強さや逞しさをかっこいいと思うと同時に、やっぱりどこかでもっと好きなように生きてもっと彼女たちを尊重してくれるような相手と結ばれてほしかったという思いが湧き上がってきて、胸がぎゅっとなる。

それからもう一つ印象的だったのは、ネッドとアリアとサンサがロバート王一行と共にキングス・ランディングへ向かう途中で、ジョフリーとアリアが揉めて、結果的にネッドがサンサのダイアウルフのレディを殺すというシーン。

ドラマ版ではその後の展開やキャラクターのことを知らなかったこともあって、イヌ科の動物を溺愛する私は、ネッドのことを酷く恨んで「この人にもバチが当たればいいのに!」と思っていた。

けれど原作では、死んだレディの毛皮をラニスター家の女性(サーセイ)が着ることにないようにと、家臣に遺体をウィンターフェルに埋葬するように命じている。

もちろんネッドも自分たちのSigilであり、娘が可愛がっている狼を手に掛けるなどということはしたくなかっただろうし、王を相手に事態を丸く収めるためには王妃の望み通りに行動しなければいけなかったというのも理解できる。

罪人を自らの手で処刑していたように、ある意味で自分の手を汚すという責任感こそが、それこそ王や人の上に立つ者として必要な素質だったのだろうと思う。そんな要素がほんの少しでもジョフリーにあったなら…。

そしてサーセイは息子・ジョフリーが本当は王の血を引いていないことに加え、その素質がないことが分かっていたからこそ、今後の彼の立場を脅かす可能性のあるネッドを反逆者として捕らえたのではないかというのは、考え過ぎだろうか。

GOTでは(善人も大量に殺されているけれど)何か罪を犯した人が殺されるという、勧善懲悪的な部分もあるように私は感じていて、(例えばロブは約束を破ってタリサと結婚したから殺された、等)ネッドも罪の無いレディを殺したことが彼の死に繋がったのではないかとも思ってしまう。

またキャトリンからサマーが侵入者からブランを護ったという話を聞いたネッドが、Sigilにもあるように狼はスターク家の守り神なのではないか、だとしたらその守り神を殺してしまった自分や家族に何が起こるのだろう、と憂う場面も印象的だった。

考えすぎかもしれないけれど、伏線とまではいかなくともその後の展開に繋がる要素だったと思うと面白い。

第一巻"A GAME OF THRONES"は、デナーリスがドロゴを火葬し、三頭のドラゴンが産まれるところで終わっている。

原作はまだ未完だが、これからどのように物語が展開していくのか、そしてドラマでは描かれなかった部分や異なる部分を読むのが楽しみ。

第二巻"A CRASH OF KINGS"も手元に届いたので、これからしばらく時間をかけて読もうと思う。

それでは。

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