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週間天気予報の検証(2021年1月〜12月)

週間天気予報って、コロコロ変わるような気がするけど平均で何回くらい変わってるの?とか、1週間先の天気予報って、当たる確率はどのくらいなの?という事が気になり、自分独自の基準を作って調べてみました。

2021年の1月から始めた週間天気予報の検証も12月末で1年間となり、今回のまとめが最終回です。

週間天気予報の検証は自分の個人的興味と趣味で始めたものです。評価基準も自分の都合で独自に決めたものです。3社の週間天気予報を評価していますが、ここでの結果で3社の優劣を決めつけないようにご注意願います。優劣を評価するには評価地点数も評価年数も不十分ですし、数字上の優劣は評価基準によって変わってくるからです。

1年間の評価の結果、現状の予報精度では適中率が比較的高い冬場を除き、週間天気予報の7日先の予報はあまり参考にならないレベルであると思いました。そこで今回は、当日朝〜7日目(7日先)までの日毎の適中率のまとめも行い、何日目の予報であれば使えそうかも考察しました。

尚、評価地点は名古屋ですが、関東以西の太平洋側の地域はほぼ同様の傾向と思います。まとめを先に書きましたので、まとめの内容が気になった方はその先も読んでみて下さい。

【1】まとめ

①1週間先の天気予報の適中率は季節により大きく異なる。1月、2月は適中率が70%以上と高く、6月〜10月は適中率が31%〜51%と低い。
②週間天気予報は、1週間の間に平均で2回程度の変更がある。
③週間天気予報は、2日目(あさって)の予報であれば70%以上の適中率があり参考にできると思われる。但し、関東以西の太平洋側の地域は1月〜2月の期間のみ、7日目(1週間先)の予報であっても70%以上の適中率があり参考にできると思われる。
※まとめに記載した適中率は私の基準で評価した値です。

【2】評価基準の内容/気象庁基準、私の基準

気象庁でも週間天気予報の評価を実施していますが、気象庁は雨(雪)が降ったか否かのみで○✖️評価します。例えば、予報が曇で、当日の天気が晴の場合(晴時々曇、曇時々晴を含む)は適中○、当日の天気が雨の場合(曇時々雨、雨時々曇を含む)は外れ✖️となります。

私は写真が趣味なので、晴れ間があるか無いかは極めて重要なことです。旅行やスポーツ、野外行事の際も同様に晴れ間があるか無いかは重要だと思いますし、予報が曇で実況が晴なら適中○というのも違和感があります。

従って、私の評価基準は、晴か否かも雨か否かと同様に評価しています。つまり、予報が「晴」で実況が「曇」の場合、気象庁の評価では適中○ですが、私の評価では外れ✖️となります。

更に、許容範囲△という評価結果も加えました。例えば、予報が晴一時曇で実況が曇一時晴の場合のように主天気と副天気が逆の場合です。予報が雨時々曇で実況が曇時々雨の場合も同様に△です。尚、私の基準の場合、適中○+許容範囲△の割合を適中率としました(30日間で○が10日、△が5日の場合の適中率=(10+5)/30=50%)

【3】評価結果(1)月毎の適中率/気象庁基準、私の基準

表1に気象庁基準の週間天気予報評価結果、表2に私の基準の週間天気予報評価結果を示します。表の数値は適中率(%)です。

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気象庁基準の年平均適中率は3社平均で75%と悪くない数値となっています。しかし、私の基準では年平均適中率(○+△の割合)が3社平均で56%と低くなっています。更に、私の基準による評価結果では季節的な傾向が明確に見られます。適中率が1月、2月は3社平均で74%、76%と高く、6月〜10月は3社平均で31%〜51%と低くなっています。特に、梅雨の6月は27%〜34%(3社平均31%)、夏から秋への変わりめの9月は16%〜43%(3社平均32%)と非常に低くなっています。
※表2のヴェーザーニュースの9月の適中率が16%と低いのは「曇」予報が19回と非常に多く、その全てが外れた(晴れ間または雨があった)ため(「曇」予報以外の日は11回のうちの約半分の6回が外れ)。

【4】評価結果(2) 適中○、許容範囲△、外れ✖️の割合と変更回数

*【4】は私の基準での評価結果です。

表3に、週間天気予報の評価結果として、適中○、許容範囲△、外れ✖️の割合と平均変更回数を示します。

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適中○の割合が最も高いのは日本気象協会で、ヴェーザーニュースとはやや大きな差がありました(気象庁基準の評価の場合はヴェーザーニュース(適中率76%)の方が日本気象協会(適中率73%)よりも適中率が高い)。

また、1週間あたりの平均変更回数は、気象庁が1.4回/週と最も少なく、ヴェーザーニュースが2.5回/週と最も多くなりました。これらの中には、変更回数0回の日もありますし、5回、6回と多い日もあります。

【5】評価結果(3) 日毎の適中率

*【5】は私の基準での評価結果です。

7日目(1週間先)の天気予報が参考にならないのであれば、何日目くらいからの予報を参考にすればよいのか気になります。表4に当日朝〜7日目までの日毎の適中率(1年間の平均値)を示します。

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2日目以内の予報であれば70%以上の適中率があり、参考になりそうです。尚、1月〜2月は7日目(1週間先)でも70%以上の適中率があるので参考にして良いと思います(関東以西の太平洋側の地域の場合)。
注)北海道、東北及び日本海側の地域は1月〜2月の適中率が太平洋側ほど高くありません(気象庁のHPに地域毎の週間天気予報評価結果が掲載されています)。

また、当日朝や翌日の予報が外れる場合は、「雨のち曇」の予報で晴れ間が出た場合(「雨のち晴」)や「曇」の予報で一時的に雨(「曇一時雨」)や晴れ間(「曇一時晴」)があった場合等、比較的軽微な外れがほとんどです。

【6】後書き

週間天気予報を上手く使うにはその傾向を正確に把握したうえで、傾向に応じた使い方をする必要があります。そのために、1年間調査を継続しました(1日だけデータ欠損が有ります)。その結果、週間天気予報の傾向を明確に把握出来たと思っています。

旅行を計画している週には、週間天気予報が気になります。週間天気予報の検証をする以前、1週間先の天気予報が雨模様の時は旅行当日の天気を心配していました。しかし、検証を始めて週間天気予報の傾向が分かって来ると、1週間先の天気予報が雨模様でも全く気にすることがなくなりました(一応、予報を見てその根拠はチェックします)。そして、旅行の2日前になると本格的に3社の予報内容をチェックします。必要な場合は、更に、高層の数値予報天気図をチェックしたりします。

雨雲が空を覆い雨が降る主な要因は、低気圧・前線・気圧の谷の接近、通過です(他にも上空寒気の状況、湿った南風の入り方等色々あります)が、それらが通過する日時やコースの予報(シミュレーションによる計算結果)が外れると予報は外れます。それらの予報精度は、当然、予報時間が長くなるほど低下します。現状では1週間先の予報精度は発展途上にあると思います。

今後、予報精度は向上してくると思います。また5年後か10年後かに、週間天気予報の精度が上がってきたかな!?と感じることがあれば、再び週間天気予報の検証をしてみたいと思っています。

以上